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「なり」について。(古文)
明けぬといふなれば、御堂よりおりぬ。 問題集で上の一文の「なれ」の識別を問う問題があったのですが、答えは推定の「なり」ということでした。 わたしは、「明けたといったそうなので、御堂から降りた。」と考えて、この「なり」は伝聞だと考えたのですが、間違いでしょうか。
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伝聞というのは、人から伝え聞いた、という意味ですから、この場合ですと、「明けぬ」と発言した人(A)と、御堂から降りた人(B)との間に、介入者(C)が必ずいることになります。 つまり、Aの発言を、Cが、Bに伝えた、ということが明確でなければ、伝聞であるという解釈が成り立ちません。 また、「伝聞」とは、他者から聞いた言葉をそのまま、自分の判断を加えずにさらに他の相手に伝えるという用法、「推定」とは、根拠ある(「なり」の場合は音声による根拠)判断基準によって、自己の判断を加えて発言するという用法です。 この例の場合は、「明けぬ」という言葉を、御堂から降りた人が、他の誰にも伝える必要がなく、自分の「御堂から降りる」という行為を決定しているに過ぎないので、伝聞用法には当たらないと思います。
お礼
とても詳しい解説をしていただき、ありがとうございました。大変参考になりました。