- ベストアンサー
古文 なりの識別
図らざるに、恥をも与へられ、身の果つるほどのことにも及ぶなり。 伝聞推定にするとなんだか訳がうまくつながらないような気がしますし、問題集の解説には断定だと書いてあります。 しかし、「及ぶ」は終止形だと書かれています。この「及ぶ」の解説の記述が間違っていると思うのですがどう思いますか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
おっしゃる通りだと思います。解説が間違っており、「及ぶ」は4段動詞の連体形だと思います。また、訳としては「断定」の方がしっくりきます。 さて、学校文法的に説明すると次のようになります。 まず、知っていらしゃるこのでしょうが前提として。 「及ぶ」は四段動詞で、及ば・及び・及ぶ・及ぶ・及べ・及べと活用し、終止形・連体形は「及ぶ」と同じ形をしている。 断定の助動詞「なり」は体言、活用語の連体形、副詞、助詞の接続する。 伝聞・推定の助動詞「なり」は活用語の終止形に接続する。ラ変型活用語には連体形に接続する。 つまり、四段動詞の「及ぶ」が終止形と連体形が同じ形なので、接続からは断定か、伝聞・推定の「なり」か識別ができないということです。 ここで、このような場合、「なり」の識別について次のような考え方があります。 「なり」が、話し手自身を主語とする述語に用いられている場合は、「断定」の助動詞。 逆に「なり」が、他人を主語とする述語に用いられている場合には、「伝聞・推定」の助動詞。 「図らざるに、恥をも与へられ、身の果つるほどのことにも及ぶなり。」の文に戻ると、恥を与えられた人物は話し手自身のようですし、「身の果つるほどのことにも及ぶ」も自分自身の身に及ぶ、死に至るの意味でしょうから、「及ぶ」は話し手自身を主語とする述語となりますので、「なり」は断定の助動詞の終止形であり、「及ぶ」は四段動詞の連体形ということになります。 以上、参考まで。
お礼
fumkumさん、私が質問した2つの質問に対し、的確な回答ありがとうございます。 しかも詳細な説明まで加えて下さり、本当にありがとうございました。