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貨幣の流動性選好とLM曲線
経済の問題ですが 横軸に国民所得、縦軸に利子率がとってあるグラフで IS-LM曲線が書いてあります。 「人々の貨幣の流動性に対する選好が増大するとLM曲線が左上方にシフトする」 と説明があるのですが、こうなる理由がわかりません! ケインズの流動性選好説と関係があるのでしょうか? 教えてください。
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- statecollege
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・マクロのIS-LM分析というのは、もともと、ヒックスが、1937年の「ケインズと「古典派」」という論文で、言葉だけで書かれている難解なケインズの「一般理論」の体系を2つの方程式の体系に要約・整理したことにはじまるのです。現代の(通常の)マクロ経済学の教科書では貨幣需要関数は (*) L/P = m(r,Y) と表わされていますが、古典派の貨幣数量説とケインズの流動選好説を統合して(*)のように書いたのもヒックスが最初です。したがって、(*)には流動性選好説の考え方も取り入れられているといえるのです。ここで、Lは貨幣需要量、Pは物価水準、rは利子率、YはGDP(あるいは国民所得)。実質貨幣需要量L/Pは、rが上昇すると低下し(rの減少関数)、Yが増えると上昇する(Yの増加関数)と仮定されています。以下では、Pは短期的には硬直的(つまり一定)、したがって実質貨幣需要量L/Pと名目貨幣需要量Lは短期的にはどう方向に動くと考えましょう。Yを任意の水準に固定し、rを縦軸にとり、L横軸にとると、(*)は右下がりの曲線となる。人々の流動性選好が強まると、任意の利子率に対してより大きい貨幣が需要されるので、(*)で示される貨幣需要曲線は右に(下へ)シフトします。 ・一方、LM曲線とは、(*)において貨幣の需給が等しくなる、Yとrの組わせである。つまり、Mを通貨当局が設定した貨幣供給量としたとき、L=Mを(*)に代入したとき成立する (**) M/P = m(r,Y) を満たす(Y,r)の組の(rを縦軸、Yを横軸にとったときの)グラフがLM曲線である。LM曲線は、貨幣需要曲線の性質より右上がりの曲線となる(なぜ?確かめてください!)。 ・では、「流動性選好」が強まり、貨幣に対する需要が増えると(貨幣需要曲線が下方にかつ右)へシフトすると)、LM曲線はどうなるか?Mは通貨当局によって与えられて、一定だから、その与えられたMにLが等しくなるためには、任意の与えられたYの値に対してrは上昇することで、貨幣需要量が抑えなければならない。別の言葉でいうと、LM曲線は上に(かつ左に)シフトしなければならない、ということです。こうして、流動選好の強まりは、LM曲線においては、上方へかつ左方へのシフトとして表わされるのです。