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フランス文学のルソーの「エミール」を読んだ方へ
今、ルソーの「エミール」を読んでいるのですが、エミールとは想像上の人物ですよね?実際、ルソーには子供がいたのでしょうか?この本はルソーが子供を産む前に書かれたものなのでしょうか?それともその反対でしょうか?この本を読むにあたってどんな点に注意すればよいでしょうか?
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> エミールとは想像上の人物ですよね? その通りです。 > 実際、ルソーには子供がいたのでしょうか? ルソーは五人いた自分の子供をつぎつぎと養育院(孤児院)に送っています。 そのことは、以前 http://okwave.jp/qa/q4004558.html で回答しているので、興味がおありでしたら、参考にどうぞ。 > この本はルソーが子供を産む前に書かれたものなのでしょうか? ルソー自身が『告白』の中で言っているのですが、『エミール』は「二十年間の思索と三年間の労作」がかかったものだということです。執筆されたのは、五人の子供を孤児院に送ったあと、ということになります。 そのことは、『エミール』の中でもふれられてあり、 「父親の義務を果たすことができない者は、父親となる権利はない。貧困も、仕事も、世間への思惑も、自分の子供たちを、自分の手で養い育てる義務から免れる理由にはならない。 読者よ、わたしの言葉を信じてもよい。誰でも子供を持ちながらこれほど神聖な義務を怠る者に予告しておく。その人はいつまでも自分の過失について後悔の涙を流し、しかもけっして慰められはしないだろう。」(『エミール』第一篇) という箇所などは、ルソーの自責の念があらわれたものでしょう。 つまり『エミール』というのは、正規の教育を受けなかったルソーが、独学で本を読むことで自分の教養を築いていく過程で思い描いた理想と、当時のイエズス会による「不断の監視」をモットーとする厳しい学校教育に対して批判、『人間不平等起源論』などの人間と社会に対する考察、そうして自分が子供に与えることのできなかった理想の教育といったものがこめられている、と考えることができると思います。
お礼
子供を養老院に送ったなんてひどい話ですね。勉強になりました。「エミール」を読んだら「告白」を読んでみようと思います。ありがとうございます。読むのが楽しくなります。