• 締切済み

古典翻訳エミール:情けも過ぎれば仇となる

This is nature's law; why contradict it? Do you not see that in your efforts to improve upon her handiwork you are destroying it; her cares are wasted? 『To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold.』 On the contrary, it is the way to avert it; experience shows that children delicately nurtured are more likely to die. (ルソー著 エミールより) 『』内の言い回しがフランス語的表現の英訳なのか分かりずらい表現に感じます。よく翻訳家は黒子でなければならないとか、個人の解釈で翻訳してはならないとか言いますが、、、まあ、ここではお遊びなので自由に分かりやすく適度にありがたい翻訳例を教えてください。 一応丸投げも良くないので、とりあえず私の拙訳も書いておきます。 To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold. 拙訳:自然が内側からする事なしに行うのは、危険が倍になる。と、思われがちではあるが。 拙訳2:自然が内側から育てるのを待たずに、子供に何かをさせるのは危険が倍になる。と、思われがちではあるが。 う~ん、難しい、、。 いっその事、、、 拙訳3:大人にならぬ内はついつい守ってやろうと、それが親の務めだと思われがちではあるが。 やりすぎたか、、、。 皆様の翻訳例を教えてください、よろしくお願いいたします。

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  • Nakay702
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回答No.9

たびたび「お礼」をくださり、ありがとうございます。 >「自然の掟・振舞いを外に出す」とはどういう事でしょうか? もともと原文の「自然が内側ですることを外から行う」という表現もわかりにくく、個人的には質問文であげた拙訳のように「自然が内側から育てるのを待たずに、子供に何かをさせるのは危険が倍になる。と、思われがちではあるが。」のように分かりやすく書いてくれれば良かったのにとと思ったりもしました。 ⇒そうですね。原著を見たいと思った動機もそこにあります(ただし、原著を見ても、「内と外」の明確な定義づけが示されているかどうか、心もとない予感がありますが)。 早速ですが、「自然の掟・振舞いを外に出す」とはどういう事か。私としては、以下のように考えています。 自然と人間を対立的にとらえていた当時のヨーロッパ世界では、「人間社会≒自然の外」という図式が人々の頭にあったのではないかと思います。科学者は、また科学者で、「実験する」ことを「自然に拷問をかけて白状させる」ことだと考えていたそうですね。 ということで、「自然の掟・振舞いを外に出す」とは、本来は人間の味方であるはずの自然(の所業)を、人間の側から見て自然の「外へ」出し(人間社会の内に入れ)、それによって「影響を受けたり、傷みつけられたり、苦しめられたりする」ことを感じる、ということです。つまり、人間の独断的な見方からすると、「自然が内側でやっていることを外で行った」とか「自然の掟・振舞いが外に出た」と感じるわけで、それを称して「自然がその掟・振舞いを外に出した」と表現した次第です。 ルソーの異様なまでの自然愛が、しばしば知己との間の対立・不和・離別のもとになることがあったようです。例えば、功利主義などではない純粋な自然との親和を唱えて、一時は蜜月の仲であったイギリス経験主義と疎遠になり、「エミール」で自然や自発性を尊重する教育論に固執して、かつて音楽の項を担当したまし「百科全書」やそれを主導した理性主義者ディドロらと反目し合って袂を分かち、教会からは異端視されて焚書処分され、人為的進歩は必ずしも善ではないと論じる「学問芸術論」を刊行して論争をまき起こし、ついには迫害される。彼が作家としての名声を確立した「人間不平等起源論」では、舞台の自然状態を設定し、人為が加わらない人間、自然の中に一人で生きている人間を提示し(第1部)、現在の状態に達するまでの人間の歴史をたどって、個人としての能力の発展が、種としての堕落、人間の不幸への歩みであることを示した。彼の中に自然への偏愛、人工的所業への独断的忌避の傾向を見てとった人もいたようです。 以上見たことなどを総合して「公約数」を考えるに、ルソーの自然観は我々の常識で考えるものとはかなり隔絶しているに違いないと思います。その最たるものが、「人間は本来自然の一部である、つまり、両者は本来親和的な間柄なのだ」や「造物主の手を離れるとき、すべては善で、人間の手に渡ると、すべてが悪となる」かも知れません。ということで、私は(前便までは、人間の所業がすべて「外」と考えていましたが)、今は、自然法に沿った振舞いが「内」であり、それに悖った振舞い、自然に反抗する振舞いを「外」と呼んだのではないか、という推定的解釈に至りました。ルソーの定義を代弁するとすれば、そのへんに落ち着くような感触を抱いています。 >According to 人名/人称代名詞のパターンと、そうでないパターンがあり、(According to) what Mary wants to deceive meのように人名/人称代名詞以外のものが続く場合と別物と考えたほうがいいように思います。 人名/人称代名詞以外のものが続く場合は、「~に従って」の解釈もありえますが、人名/人称代名詞の場合はそれ以外の解釈は不可能ではないかと思います。 一応ご指摘を受けて今回初めて複数の英英辞書や文法書で調べてみましたが、どこにも人名/人称代名詞が続く場合で「Xの考えによれば」以外の解釈はありませんでした。 ⇒了解しました。お世話様でした。質問者と回答者が逆転してしまいましたね!(汗) >「世人」という言葉の選び方が流石ですね!「一般人」ではどうもミスマッチだと思っていましたが、中々丁度いい言葉がでてこず困っていました。ありがとうございます。 次回いつ質問できるか分かりませんが、またよろしくお願いいたします。 ⇒お褒めに与り、ありがとうございます。 調子に乗って再々度の私訳(再訂正版): 《これは自然法です。矛盾のしようがありません。自然の所業を改善しようなどという世人の取り組みは、むしろそれを破壊してしまう、自然の気遣いを無駄にしてしまう、ということが分かりませんか? そういう世人は、自然が内側で行っていることが外に現われて身近に迫ると、危険が二倍になるとでも思っていなさる。考え方が逆ですよ。それこそが危険を回避する方法というものです。温床で育てられた子どもは、死亡の可能性がより高くなるということを経験が語っているではありませんか。》 今回もいろいろ刺激をいただき、楽しませていただきました。 今後もまた、面白いご質問をよろしくお願いいたします。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 返信が遅れてすいません、ちょっと風邪ひいてました。 >自然に反抗する振舞いを「外」と呼んだのではないか、という推定的解釈に至りました。 丁寧なご解説ありがとうございます。 表現方法こそ違いますが、結局は同じ解釈に至ったようですね。 >質問者と回答者が逆転してしまいましたね!(汗) ナカイさんの長所は、英語力というよりも回答者への思いやりの心ですよ。こんな無料質問掲示板でそうそうできる事じゃありません。 そういう面でいつも頑張っている姿を、いつも応援しております。 お訳もありがとうございました。 やっぱり原文が分かりにくい表現なので、日本語に訳しても伝わりにくい表現になってしまいますね。 今回もどうもありがとうございました。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.8

再三のご教示、痛み入ります。おかげさまで、謎が氷解しました。目からウロコです。私の妄想に気づきました。何度も煩わしいことを申しあげてすみませんでした。それにもかかわらず、その都度ご丁寧なお返事をくださり、ありがとうございました。 >ナカイさんの誤解は「自然は内からしか作用しない」という思い込みがあるからではないでしょうか? (…)前回のお伝えした通りルソーは自然が試練を与える事で子供を強くしていると考えているように思います。しかし、それと「内側」とは関係ないように思います。 ⇒ご指摘の「思い込み」は大当りです。「自然は内からしか作用しない」、「自然が内から行うことは自然の本性的所業を表している」と思っていました。「造物主の手を離れるとき、すべては善で、人間の手に渡ると、すべてが悪となる」とルソーが言うとき、「造物主の手を離れる」までが自然の所業で、「人間の手に渡った後」では自然の外からの、人間の無知なる所業が増えてくる、得てしてそれは、自然の理法を犯し、もって自ら危険を招来する(とルソーは警告したいのだ)と考えていました。見当違いに執着し、尊大な物言いをしていたことが恥ずかしいです。 >ルソーが考える自然の試練もしくは、自然が与える苦しみが、肉体的な苦しみは良しとしているのですから、自然が肉体に作用できるのは内からではないでしょうね(暑さ寒さに耐える体をつくるという事かと思います)。 >#6のお礼欄で、思うに、世間一般の人は、自然が与えてくれる試練に対して「危険」だと思い。ルソーは、「いや、その逆で甘やかされたら逆に死にやすくなる。」と答えたのでしょう。 と書いたのですが、ハッキリ試練に対して「暑さ寒さ等」と書きませんでした。そこで誤解がおきたのですね。 >内の荒療治と言ったら、精神的な虐待とかを思い浮かべます。ですから「自然が内からやる事=自然な時間任せの肉体的精神的な成長。」であって、「自然が外からやる事=暑さ寒さ、などの自然が与える試練。」と考えます。 ⇒確かに、このあたりの解釈がお互い大きく食い違っていましたね。私は「自然が内からやる事」とは、単に「自然がやる事」の強調表現に過ぎないと思っていました。「自然が与える肉体的な苦しみも精神的な苦しみも、一切合切が自然の内なる振舞い」であり、それに対して、「治療する、薬を飲む、自死する…などの人間の所業はすべて自然の外からの行い」であると考えていました。 それが大きな誤りであったことをここに認め、お詫び申しあげます。ただ、今の私としては、lived in room13さんの定義づけと若干違うかも知れませんが、To do from without (what she does within)「(自然が内側ですることを)外から行う」とは、すなわち、「自然の掟・振舞いを外に出す、とりわけその影響が人間に及ぶ」ことを表しているのだと考えるようになった次第です。(後の私訳に反映させておきます。) >「あなたの言うところに従って、自然が内から行うことを外からやってしまうことは危険を二倍にするというものです。」と訳すのには無理があるように思います。 おそらく実際に、According to Xの表現で、Xの考えはAccording to X以下の文章の正反対というネイテブが書いた例文を探すことはできないでしょう。 >私は、自然の試練である暑さ寒さ等が内からではないと考えますし、一般人(あなた)がそういった外からの試練を危険だと考え、ルソーがかえって子供を強くすると考えているのが納得できますので、やっぱりaccording to Xは、そのまんまの意味だと考えます。 どうでしょうか? まだ、according to Xが、Xの考えと正反対であり得るとお思いですか? ⇒ご指摘のとおりだと思います。特に本文訳は私の大いなる勘違いであったことを認めます。ですから、と言いますか、ただ、ささやかな抵抗をさせていただきますね。 「多くはそうである」ということと、「すべてがそうである」とは違うと思います。According to Xの意味は、「Xの考えと一致して」となることが多いことは認めますが、絶対ではないはずです。なぜなら、According to XのAccording to(の構造的意味)は、Xの意中などは関知しないからです。「According to自体は、これに後続する語の表す者の意識などに対しては無色透明」な表現だからです。 『ジーニアス英和大辞典』に、According to Mary, I told a lie to her.「メリーが言うには、私は彼女にうそをついたということだ(私はそう思わない)。」という例文があるのですが、この場合、According to 以下は (According to) what Mary believesということもあろうし、(According to) what Mary wants to deceive meということもあるでしょう。つまり、According to 以下の語Maryの意中のことなどはAccording toの関知しないことではありませんか。したがって、実際の使用例はめったにないとは言え、それは統計上のことでしかなく、包括的な語法を網羅した説明とし得る事柄ではない、と私には思えるのです。些細なことを申しました。 >岩波書店の訳本では、 自然が内部ですることを外部からするのは、危険を二重にすることだとあなたがたは考えている。 http://www.kyoto-gakusyuu.jp/tusin06/060127.htm だそうです。この箇所だけネット上に訳が載っているとは意外にも有名な一節だったのかも知れません。 ⇒翻訳を引用してくださり、ありがとうございました。興味ぶかく読ませていただきました。合わせてと同時に、原著の仏語版を見たい気になりました。(かつての仏文科の友人にでも頼んでみようかと思います。) ⇒ところで、「今更」の感無きにしも非ずというところですが、またしても私訳: 《これは自然法です。矛盾のしようがありません。自然の所業を改善しようなどという世人の取り組みは、むしろそれを破壊してしまう、自然の気遣いを無駄にしてしまう、ということが分かりませんか? そういう世人は、自然が内側で行っていることを外に現わされてしまうと、危険が二倍になるとでも思っていなさる。考え方が反対ですよ。逆に、それこそが危険を回避する方法なのです。温床で育てられた子どもは死亡の可能性がより高くなる、ということを経験が語っているではありませんか。》 いやあ、本当にいろいろありがとうございました。重ねて感謝申しあげます。 今後とも、どうぞよろしくお願いします。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >私は「自然が内からやる事」とは、単に「自然がやる事」の強調表現に >過ぎないと思っていました。 なるほど、そういう誤解があったのですね。 >「(自然が内側ですることを)外から行う」とは、すなわち、「自然の掟・ >振舞いを外に出す、とりわけその影響が人間に及ぶ」ことを表しているの >だと考えるようになった次第です。(後の私訳に反映させておきます。) すいません、つまり「自然の掟・振舞いを外に出す」とはどういう事でしょうか? もともと原文の「自然が内側ですることを外から行う」という表現もわかりにくく、個人的には質問文であげた拙訳のように「自然が内側から育てるのを待たずに、子供に何かをさせるのは危険が倍になる。と、思われがちではあるが。」のように分かりやすく書いてくれれば良かったのにとと思ったりもしました。 >「多くはそうである」ということと、「すべてがそうである」とは違うと思います。 確かに、そうですね。 >According to Xの意味は、「Xの考えと一致して」となることが多いこと >は認めますが、絶対ではないはずです。 >この場合、According to 以下は (According to) what Mary believes(…) >(According to) what Mary wants to deceive meということもあるでしょう。 >つまり、According to 以下の語Maryの意中のことなどはAccording to >の関知しないことではありませんか。 According to 人名/人称代名詞のパターンと、そうでないパターンがあり、(According to) what Mary wants to deceive meのように人名/人称代名詞以外のものが続く場合と別物と考えたほうがいいように思います。 人名/人称代名詞以外のものが続く場合は、「~に従って」の解釈もありえますが、人名/人称代名詞の場合はそれ以外の解釈は不可能ではないかと思います。 一応ご指摘を受けて今回初めて複数の英英辞書や文法書で調べてみましたが、どこにも人名/人称代名詞が続く場合で「Xの考えによれば」以外の解釈はありませんでした。私自身どうしてもそれ以外の解釈は、使われたのを見たことがありませんし、、。 >そういう世人は、自然が内側で行っていることを外に現わされてしまうと、 >危険が二倍になるとでも思っていなさる。 「世人」という言葉の選び方が流石ですね!「一般人」ではどうもミスマッチだと思っていましたが、中々丁度いい言葉がでてこず困っていました。ありがとうございます。 次回いつ質問できるか分かりませんが、またよろしくお願いいたします。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.7

「質問者からのお礼」をくださり、ありがとうございます。 まずは、原文のご確認、どうもありがとうございました。 >>・ルソーがよしとすること:自然が内から行うこと。 >これは根拠がありませんね。 ⇒原文冒頭の This is nature's law; why contradict it? あたりは根拠になりませんか? また、「自然に帰れ」というルソーの標語や、彼がロックの「自然法」を高く評価して「社会契約論」を書いたことも、間接的な根拠、傍証になると思います。 >実は前回も指摘すまいか迷ったのですがaccording to you という表現をご存じでしょうか? 「あなたによれば、~だそうですが」または「あなたは~だと考えている」という意味です。 ⇒はい、分かります。一般化して言えば、「―によれば、~だそうですが」または「―は~だと考えている」ということですね。そのほかに、「―の言う〔示す〕ところに従えば」(ライトハウス英和辞典)といった意味でも使われる、とあります。ということは、例えば、According to Xは、「Xによれば」のほかに「Xの言うところに従えば」などとも訳せることになりますよね。 これを本件に当てはめると、To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold. は、「あなたによれば/あなたの言うところに従えば、自然が内から行うことを外からやってしまうのは、危険を二倍にするというものです」と訳せますね。ここで、「自然が内から行うことを外からやってしまうのは危険を二倍にする」と考えているのはこう書いているルソーであって、「あなた」ではないことになり、「あなた」はむしろ「自然が内から行うことを改善したい」・「外からやりたい」・「危険はない」と考えている、と暗示していることになるでしょう? つまり、according to youは多くの場合「あなたは~だと考えている」の意になりますが、常にそうなるとは限らない、ということだと思います。 さらに、このaccording to youは、いわば挿入語句ですから、これを文頭に置き、形式主語it を用いて書き換えることもできるはずですね。According to you, it increases the danger twofold to do from without what she does within.「あなたの言うところに従えば、自然が内から行うことを外からやってしまうことは危険を二倍にするというものです」。このように書き換えてみると、「自然が内から行うことを外からやってしまうのは危険を二倍にする」と考えているのがルソーであって「あなた」ではないということがますます明瞭になるように思います。(そもそも、To improve upon her handiworkやTo do from without what she does を望んでいるのが「あなた」なのですから、その本人が「そうすることが危険を二倍にする」と考えている、という解釈では文脈がつながりません。) To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold. のくだりを分かりにくくしているのは、ひとえにaccording to youが2通りの(言外の)意味に、しかも互に相反する意味に解釈できるからではないかと思います。lived in room13さんは《「あなた」が、「自然が内から行うことを外からやってしまうのは危険を二倍にする」と考えている》と解釈し、私は《「あなたの言うところに従えば、自然が内から行うことを外からやってしまうのは危険を二倍にする」と考えているのはルソーであって、「あなた」はそう考えていない》と解釈しています。ただ、この文だけを見る限り、どちらの解釈も大差を生じないように思われます。 違いが生じるのは、その後のit(1) is the way to avert it(2)のit(1)の解釈です。lived in room13さんはこれをTo do from withoutだと考え、私はこれをnature's lawだと考える点です。(私は、why contradict it? や you are destroying itのitも同じくnature's lawを指すと思います。)つまり、私の考えでは、《ルソーはずっと自然法(=「内」)を擁護し、最後に、いわば「人工法」(=「外」)の悪例としてexperience shows that children delicately nurtured are more likely to dieを示し、自然法(=「内」)こそ危険を回避する方法だと主張している》という全体解釈になります。これに対し、lived in room13さんは、《自然の内からの行いを排して「人工法」(=「外」)を行うことこそ、危険を回避する方法である、と「あなた」が言っている》と解釈されているわけですよね。 ところが、 >>それは逆効果ですよ。内(外?)から行うことこそ危険を回避する方法なのです >「それは逆効果ですよ。外から行うことこそ危険を回避する方法なのです」とすれば、良いのだと思います。 ⇒「内」は自然の荒療治を意味し、「外」は、いわば、温床化を意味するはずですよね。他方、テキストの最後で「外」つまり温床化は子どもを早死させる危険を孕むと言っていますね。ということは、「外から行うのは危険で、内から行うことこそ危険を回避する方法なのです」となりませんか? またしても私訳: 《これは自然法です。矛盾のしようがありません。自然の所業を改善しようなどという御仁の取り組みは、むしろそれを破壊してしまう、自然の気遣いを無駄にしてしまう、ということが分かりませんか? そういう御仁に従って自然が内から行うことを外からやってしまうのは、危険を二倍にするというものです。考え方が逆ですよ。内から行うことこそ危険を回避する方法なのです。経験によれば、温床で育てられた子どもは死亡の可能性がより高くなるものです。》 >問題の文の数行上に、 Fix your eyes on nature, follow the path traced by her. She keeps children at work, she hardens them by all kinds of difficulties, she soon teaches them the meaning of pain and grief.と、あります。 思うに、世間一般の人は、自然が与えてくれる試練に対して「危険」だと思い。ルソーは、「いや、その逆で甘やかされたら逆に死にやすくなる。」と答えたのでしょう。 ⇒ここは、まったく共感です。ご紹介ありがとうございました。 お互いにとっての、最大の違いは次のとおりです。 *lived in room13さんの解釈:  本文中の3番目のitはTo do from without what she does withinを指す。 *Nakay702の解釈:  本文中の1,2,3番目のitはすべてnature's lawを指す。 >今までは、意味は分かっているけど、日本語としてどう伝えるべきかという論点にばかり絞って質問してきましたが、こうやって解釈で議論するのも中々楽しいもんですね。 また、時間がありましたら今度も難文の訳を考える質問にするかもしれません。(調子が良ければ、読み間違えずに議論できると思います。今は年末&正月休みをした後なので大丈夫ですが、また脳みそが過労状態になるとどうなるか分かりません。) ⇒確かに、解釈で議論するのは頭の体操(精神的快楽)になって楽しいです。 難文の訳のご質問、期待しています! お忙しいところに何度もお邪魔してすみません。また、何度もお願いして恐縮ですが、お暇な折に、該当箇所がお手持ちの訳本ではどう訳されているかを教えていただければありがたいです。

lived_in_room13
質問者

お礼

何度もお付き合いいただきありがとうございます。 ナカイさんの誤解は「自然は内からしか作用しない」という思い込みがあるからではないでしょうか? >⇒原文冒頭の This is nature's law; why contradict it? >あたりは根拠になりませんか? 前回のお伝えした通りルソーは自然が試練を与える事で子供を強くしていると考えているように思います。しかし、それと「内側」とは関係ないように思います。 >「自然に帰れ」というルソーの標語や、 >彼がロックの「自然法」を高く評価して こちらについては同意いたします。しかし、自然法=「内から」と限定する事はできないと考えています。 >そのほかに、「―の言う〔示す〕ところに従えば」(ライトハウス英和辞典) >といった意味でも使われる、とあります。ということは、例えば、 >According to Xは、「Xによれば」のほかに「Xの言うところに従えば」など >とも訳せることになりますよね。 ナカイさんは普段をOKWAVEの質問以外の英文を読まれますか?私は日常的に読みますが、According to Xの表現で、Xの考えはAccording to X以下の文章の正反対というのを見たことがありません。ランダムハウスの訳も、 「あなたの言う〔示す〕ところに従えば、自然が内からすることを外からするのは危険が2倍になるとの事ですが」のような使い方であって、それを「あなたの言うところに従って、自然が内から行うことを外からやってしまうことは危険を二倍にするというものです。」と訳すのには無理があるように思います。 おそらく実際に、According to Xの表現で、Xの考えはAccording to X以下の文章の正反対というネイテブが書いた例文を探すことはできないでしょう。 >そもそも、To improve upon her handiworkやTo do from without what >she does を望んでいるのが「あなた」なのですから、その本人が >「そうすることが危険を二倍にする」と考えている、という解釈では >文脈がつながりません。) 暑さ、寒さ、環境、天候等、自然が外から与える試練はたくさんあります。 数行後には、His childhood is happy, knowing only pain of body. These bodily sufferings are much less cruel, much less painful, than other forms of suffering, and they rarely lead to self-destruction. It is not the twinges of gout which make a man kill himself, it is mental suffering that leads to despair. つまり子供時代には「肉体的な苦しみは、体の鍛錬になる。人間を苦しめるのは精神的な苦しみだ。」と要約すると言っているように思います。 ルソーが考える自然の試練もしくは、自然が与える苦しみが、肉体的な苦しみは良しとしているのですから、自然が肉体に作用できるのは内からではないでしょうね(暑さ寒さに耐える体をつくるという事かと思います)。 >これに対し、lived in room13さんは、《自然の内からの行いを排して「人工法」 >(=「外」)を行うことこそ、危険を回避する方法である、と「あなた」 >が言っている》と解釈されているわけですよね。 なるほど、そういう誤解があったのですね。 それでは私の解釈に反対したくなる気持ちも分かります。 #6のお礼欄で、 思うに、世間一般の人は、自然が与えてくれる試練に対して「危険」だと思い。 ルソーは、「いや、その逆で甘やかされたら逆に死にやすくなる。」と答えたのでしょう。 と書いたのですが、ハッキリ試練に対して「暑さ寒さ等」と書きませんでした。そこで誤解がおきたのですね。 >「内」は自然の荒療治を意味し、「外」は、 >いわば、温床化を意味するはずですよね。 私は内と言えば、精神的なものや、成長ホルモンなどの内分泌系による細胞分裂などといった時間任せの自然な肉体的成長ですかね。 内の荒療治と言ったら、精神的な虐待とかを思い浮かべます。 ですから「自然が内からやる事=自然な時間任せの肉体的精神的な成長。」であって、「自然が外からやる事=暑さ寒さ、などの自然が与える試練。」と考えます。 >該当箇所がお手持ちの訳本ではどう訳されている >かを教えていただければありがたいです。 私は普段訳本を読まずに英語だけで読んでいます。 しかし、さすがルソー!検索したらヒットしました! 岩波書店の訳本では、 自然が内部ですることを外部からするのは、危険を二重にすることだとあなたがたは考えている。 http://www.kyoto-gakusyuu.jp/tusin06/060127.htm だそうです。この箇所だけネット上に訳が載っているとは意外にも有名な一節だったのかも知れません。 私は、自然の試練である暑さ寒さ等が内からではないと考えますし、一般人(あなた)がそういった外からの試練を危険だと考え、ルソーがかえって子供を強くすると考えているのが納得できますので、やっぱりaccording to Xは、そのまんまの意味だと考えます。 どうでしょうか? まだ、according to Xが、Xの考えと正反対であり得るとお思いですか? よろしくお願いいたします。 >難文の訳のご質問、期待しています! 過度の期待は禁物ですよ。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.6

「質問者からのお礼」をありがとうございます。「関連するQ&Aで全く同じ英文の質問」のサイトも拝見させていただきました。SPS700さんが同じような訳語を使っているのを発見して、ちょっと嬉しくなりました。ところが、再々度原文を眺めて…、二転三転してしまいますが、《ルソーがよしとすること》と《「あなた」がよしとすること》などについて改めて考えてみました。 (再考要約:間違いがありましたら、ご指摘をお願いします。) ・ルソーがよしとすること:自然が内から行うこと。 ・「あなた」(御仁)がよしとすること:自然が内から行うことを、外から改善すること。 ・それに対するルソーの反論:自然が内から行うことを「改善する」のは、危険を二倍にすることになる。 ・子どもの教育に関するルソーの考え:自然の所作は幾分荒っぽいが、それはかえって子どもを逞しくする。改善と称して温床を造るのは逆に子どもを虚弱児にし、結果として子どもの早死を促進してしまうことになる。 …ということで、もう一度訳文を考え直してみました。 (原文) This is nature's law; why contradict it? Do you not see that in your efforts to improve upon her handiwork you are destroying it; her cares are wasted? To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold. On the contrary, it is the way to avert it; experience shows that children delicately nurtured are more likely to die. 私訳(再訂正版) 《これは自然法です。矛盾のしようがありません。自然の業を改善しようなどという御仁の取り組みは、むしろそれを破壊してしまう、自然の気遣いを無駄にしてしまう、ということが分かりませんか? そういう御仁の言うことを聞いて、自然が内から行うことを外からやってしまうのは、危険を二倍にするというものです。それは逆効果ですよ。内(外?)から行うことこそ危険を回避する方法なのです。経験によれば、純粋培養された子どもは、死亡の可能性がより高くなるものです。》 *「内/外から行うことこそ危険を回避する方法なのです」の部分ですが、前回「内」を「外」に変えました。しかし、改めて上記のように整理してみると、ここはやはり「外」でなく「内」にすべきだという結論に達しました。いかがでしょうか。 **なお、お忙しいところに勝手なお願いで恐縮ですが、できれば原文を(特に、脱落がないか)再確認いてみていただけませんでしょうか。お暇な折で構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

lived_in_room13
質問者

お礼

どうも何度もご回答ありがとうございます。 >なお、お忙しいところに勝手なお願いで恐縮ですが、できれば原文を(特に、 >脱落がないか)再確認いてみていただけませんでしょうか。 確認しました!一字一句間違いありませんでした。 >(再考要約:間違いがありましたら、ご指摘をお願いします。) では、遠慮なく、私の考えを述べさせていただきます。 >・ルソーがよしとすること:自然が内から行うこと。 これは根拠がありませんね。  >「あなた」(御仁)がよしとすること:自然が内から行うことを、外から改善すること。 実は前回も指摘すまいか迷ったのですがaccording to you という表現をご存じでしょうか? 「あなたによれば、~だそうですが」または「あなたは~だと考えている」という意味です。つまり、あなたがTo do from without what she does within is to increase the danger twofold.(自然が内側から行うことを外から行うことは危険が2倍になる)と信じているということです。 論文では、多用されている表現です。例えば、新型コロナについての論文で、 The infection started in Asia, but it has rapidly spread across the world: according to the WHO, this is the first pandemic caused by a coronavirus. https://www.mdpi.com/1660-4601/17/6/2094/htm 試訳:「感染はアジアで始まったが、瞬く間に世界に広がった。WHOによれば、これはコロナウィルスによる初めてのパンデミックだ。」 お分かりいただけたでしょうか? 前回も「そういう御仁の言うことを聞いて、自然が内から行うことを外からやってしまうのは、危険を2倍にするということです。」というお訳に対して、「そういう御仁の言うことを聞いて、」ではなく「そういう御仁の考えによれば、」と指摘すべきでしたね。 というわけで、『「あなた」(御仁)がよしとすること:自然が内から行うことを、外から改善すること。』であるはずがありません。 >子どもの教育に関するルソーの考え:自然の所作は幾分荒っぽいが、 >それはかえって子どもを逞しくする。改善と称して温床を造るのは逆に >子どもを虚弱児にし、結果として子どもの早死を促進してしまうことになる。 ここに関しては、同意します。問題の文の数行上に、 Fix your eyes on nature, follow the path traced by her. She keeps children at work, she hardens them by all kinds of difficulties, she soon teaches them the meaning of pain and grief.と、あります。 思うに、世間一般の人は、自然が与えてくれる試練に対して「危険」だと思い。 ルソーは、「いや、その逆で甘やかされたら逆に死にやすくなる。」と答えたのでしょう。 >そういう御仁の言うことを聞いて、自然が内から行うことを外からやってしまうのは、 >危険を二倍にするというものです。 この箇所を「そういう御仁の考えによれば、自然が内から行うことを外からやってしまうのは、危険を二倍にするというものだそうですが。」とし、 >それは逆効果ですよ。内(外?)から行うことこそ危険を回避する方法なのです を、「それは逆効果ですよ。外から行うことこそ危険を回避する方法なのです」とすれば、良いのだと思います。 >前回「内」を「外」に変えました。しかし、改めて上記のように整理してみると、 >ここはやはり「外」でなく「内」にすべきだという結論に達しました。 >いかがでしょうか。 ここまで書きました通り、外だと私は考えます。 今までは、意味は分かっているけど、日本語としてどう伝えるべきかという論点にばかり絞って質問してきましたが、こうやって解釈で議論するのも中々楽しいもんですね。 また、時間がありましたら今度も難文の訳を考える質問にするかもしれません。(調子が良ければ、読み間違えずに議論できると思います。今は年末&正月休みをした後なので大丈夫ですが、また脳みそが過労状態になるとどうなるか分かりません。)

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.5

再々度の「お礼」をありがとうございます。 以下のとおり、無様な体で、お返事申しあげます。 >it is the way to avert itの、文末のitは、お互いに「危険」と解釈していますが、文頭のitで意見が割れましたね。 私は、文頭のitをTo do from without what she does within全体と解釈し、ナカイさんはwhat she does withinだけと解釈されていますね。個人的には前文と同じでwhat she does withinだけで区切るのは難しい気がします。 個人的にはナカイさんの訳をお借りしつつ、「外から行うことこそ危険を回避する方法なのです。」とするとつじつまが合うように思いました。 ⇒あ、うっかりしました。おっしゃるとおりです。 またまた訂正させていただきます。 私訳(訂正版): 《これは自然法です。矛盾のしようがありません。自然の業を改善しようなどという御仁の取り組みは、むしろそれを破壊してしまうことが分かりませんか? そういう御仁の言うことを聞いて、自然が内から行うことを外からやってしまうのは、危険を2倍にするということです。それは逆の考え方ですよ。外から行うことこそ危険を回避する方法なのです。経験によれば、雑菌なしに純粋培養された子供は、死亡の可能性がより高くなるものです。》 言い訳:エミールの訳本を探し回って、くてびれて、原文を斜めに見ていました! 確か、本棚のどこかにツンドク状態になっているはずと思い、壁一面に造り込まれている本棚の、しかも全段2列にぎゅうぎゅう詰めになっているので、いちいち手前側を取り除いてホコリまみれになりながら探しましたが、見当たりません。 さては物置の中だったかと、庭の物置小屋へ。これまたガラクタをのけながらホコリまみれになって探しました。やはり、見つからない…。確かどこかから引き出してノートにエミールの断片を写し取った記憶があったのです。それを探してみたら、ありました。 それに曰く、 「神は人類をできるだけ尊敬使用としたのである。すなわち、人間に無限の欲望を与えるとともに、この欲望を統制する規則を与えて、彼を自由ならしめ、自己の主人公ならしめたのである。男には飽くことを知らぬ情欲を許したが、この情欲にそれを統制すべき理性を加えたのである。(…そして、女には)これを抑制すべき羞恥心を加えたのである」。 このたびは、お粗末な醜態を晒してしまいました。もっとも、「これが本来の自分の姿だよ」と、別のもう一人の自分が申しております。 どうか、これに懲りず、今後ともよろしくお願いいたします。

lived_in_room13
質問者

お礼

何度もご回答ありがとうございます。 色々と調べていただいたようでありがとうございます。 ナカイさんもエミールを以前愛読されたのですね。  最終的には同じ解釈に至れたようで嬉しく思います。 ところで、関連するQ&Aで全く同じ英文の質問がありました。 https://okwave.jp/qa/q9733402.html 私以外にも読んで質問した人いるんだな~。、、、と思ったら、、去年の私でした、、、。 コロナでパニックっていたとはいえ、解釈としてはなんじゃこらですね。(最近はコロナになんか慣れちゃいまして、新規感染者数が何人でも、パニックらなくなりました。) その時の体調や精神状態で、読めたり読み間違えたりするのはしょうがないのかな、、、と思ったりします、、、。 我々は、SPSさんのように長年米国で暮らしているわけではないのですから。(そして、ネイテブやSPSさんでも間違える時もありますしね。) >壁一面に造り込まれている本棚の、しかも全段2列にぎゅうぎゅう詰めになっているので、 やっぱり相当な読書家ですね。 ナカイさんのまるで作家のように美しい文体にはいつも尊敬しています。さすが読書家なのだといつも思っております。(私は読書量なら負けないつもりなんですが、どうにもこうにも文章の才能がないのか、綺麗な文章は書けません。) >さては物置の中だったかと、庭の物置小屋へ。 物置まで探していただきありがとうございます。 ところで、私も一時期、家の本棚に本が収まりきらず、物置小屋にいれていました。 本当にお互いに活字好きですね! >確かどこかから引き出してノートにエミールの断片を写し取った記憶があったのです。 >それを探してみたら、ありました。それに曰く、 >「神は人類をできるだけ尊敬使用としたのである。すなわち、人間に無限の欲望 >を与えるとともに、この欲望を統制する規則を与えて、彼を自由ならしめ、 >自己の主人公ならしめたのである。男には飽くことを知らぬ情欲を許したが、 >この情欲にそれを統制すべき理性を加えたのである。(…そして、女には) >これを抑制すべき羞恥心を加えたのである」 エミールのエッセンスを教えていただきありがとうございます。人間にとって何が自然なのかエミールを読みながらよく考えます。ルソーが神を意識していたのはちょっと意外でした。(でも、あの時代なら普通なんでしょうね。) 人とはどうあるべき? 永遠の課題ですね。いつも分かったような分からないような。 >今後ともよろしくお願いいたします。 こちらこそ、よろしくお願い致します。 趣味と仕事を両立できた去年の前半までとは異なり、なんだか今年は忙しくなりそうなので、たまにしか遊びに来れないと思いますが、遊ぶに来ました時はまたよろしくお願い致します。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.4

昨日の今日ですが、とんでもない間違いに気づきましたので、取り急ぎ訂正させていただきます。ひどい穿ち過ぎをしていました。いやあ、恥ずかしい限りです。 「according to youのかかるところ」を勘違いしていたのです。doの目的語what she does withinが優先的に先行したので、この副詞句according to youはその後に置かれていますが、実はこれはTo do from withoutを修飾するという構造だったんですね。(直前のwhat she does within isにかかるとばかり考えていました。) ということで、問題の、『To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold.』は素直に、『あなたの言うことを聞いて自然が内から行うことを外からやってしまうのは、危険を2倍にするということですよ。』と訳せばいいところだったんですね! 本当にうかつでした。失礼しました。前便を取り消させていただきます。そして、口直しに(なるかならぬか分かりませんが)、もう一度全訳を掲げて、私の回答とさせていただきます。 私訳: 《これは自然法です。矛盾のしようがありません。自然の業を改善しようなどという御仁の取り組みは、むしろそれを破壊してしまうことが分かりませんか? そういう御仁の言うことを聞いて、自然が内から行うことを外からやってしまうのは、危険を2倍にするということです。それは逆の考え方ですよ。内から行うことこそ危険を回避する方法なのです。経験によれば、雑菌なしに純粋培養された子供は、死亡の可能性がより高くなるものです。》 以上、訂正とお詫びまで。不一。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >doの目的語what she does withinが優先的に先行したので、この副詞句 >according to youはその後に置かれていますが、実はこれはTo do from without >を修飾するという構造だったんですね。 そうなんですよ! >『あなたの言うことを聞いて自然が内から行うことを外からやってしまうのは、 >危険を2倍にするということですよ。』と訳せばいいところだったんですね! なるほど!To do from without what she does withinを「内からではなく外から」と解釈されましたか! ここは、解釈が難しいところですね。私は、withoutを「~無しで」なので、つまり「内側のから行う前に」と考えましたが「内側ではなくて外側から」という事だったのかも知れませんね。  この「外から」という考え方は、ありえるのと思います。 何故なら、危険というのは外から来るものなので、純粋培養よりも外からの危険にさらすほうが子供が強くなるというルソーの考え方に一致しているように思います。 「外から行うのは危険だと一般的に考えられているが、」とルソーが言っている可能性も高いですね。 >内から行うことこそ危険を回避する方法なのです。 it is the way to avert itの、文末のitは、お互いに「危険」と解釈していますが、文頭のitで意見が割れましたね。 私は、文頭のitをTo do from without what she does within全体と解釈し、ナカイさんはwhat she does withinだけと解釈されていますね。個人的には前文と同じでwhat she does withinだけで区切るのは難しい気がします。 個人的にはナカイさんの訳をお借りしつつ、「外から行うことこそ危険を回避する方法なのです。」とするとつじつまが合うように思いました。 分かりにくい言い回しなので、皆様で分かりやすい言い回しを考えようと質問してみましたが、数学と違って言葉の解釈の答えは一つではないので、意見が割れるのはしょうがないことですね。私も本当の正解は分かりませんし、、、。 今回もありがとうございました。 またよろしくお願い致します。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.3

「お礼」をありがとうございました。 問題の部分、一大論点になりそうですね。 >あなた(一般的な考え方)では、To do from without what she does within は、is to increase the danger twofoldという考え方なのだと思います。 ⇒To do from without what she does within is, according to you, to increase the danger twofold. と解釈するわけですね? 素直に単文としての構造を考えると確かにそう解釈するのが妥当に思えますね。しかし、そう考えると前後のつながりが矛盾してきませんか? 特に、直後のOn the contrary.との間に齟齬が生じると思いますが、いかがでしょう。 私としては、これは前後の2~3つの文を一体的見なければならないと感じて次のように考えました。 (1)(翻訳の際に)疑問文が長くなるので、これを2つに分けた。 (2)to improve upon her handiworkを、to do from without what she does withinで言い換えた。つまり、この2つの句は同じような意味を表している。(言い換えなので、and to …よりor to …の方が自然かも知れません。) (3)withinとisの間にwhichが省略されている。 つまり、その疑問文を長々と続く1つの文にすればこうだったはず、と思います。 Do you not see that in your efforts to improve upon her handiwork or to do from without what she does within (and which) is according to you to increase the danger twofold, you are destroying it; her cares are wasted? 「自然の仕事を改善しようとするあなたの取り組み、あるいは自然が内側から行うこと、それはあなたによれば危険を2倍にするとのことですが、それを外してしまおうとするあなたの取り組みは、むしろそれを破壊してしまう、自然の気遣いを無駄にしてしまう、ということがお分かりになりませんか?」 >「自然に内側から強くなってから何かをさせればいい」もしくは「自然に内側から強くなる前に何かをするのは危険が倍になる」という考え方が当時の人々にあったようですが、ルソーはその考えに反対だと私は考えました。 ⇒エミールの原題 "Emile ou de l'education" が語るように、ここでルソーは子どもの教育を論じたことは確かですが、その論点の骨子は、〔1〕子どもを人間として認めない風潮に反対し、〔2〕知育偏重を排して自然や自然物による教育を主張し、〔3〕子どもの自発性の尊重経験による教育の必要性を説いた、ということのようです。そして、くだんのテキスト部分は、自然を擬人的に扱っているくだりですよね。ということで私は、「withinは自然に沿う教育の象徴で、without は自然に逆らって人工の手による反自然的な教育を象徴する語である、と読みました。 …といって仕儀でありますが、やはり「割れ」は続くでしょうか? とはいえ、最後の部分は共通認識を共有するようで少しほっとしました。 なお、引き続き熟読してよく考えてみるつもりでおります。 SPS さんの読み方なども、いろいろうかがってみたいです。 どうぞ、よろしくお願いします。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答いただきありがとうございます。 >素直に単文としての構造を考えると確かにそう解釈するのが妥当に思えますね。 >しかし、そう考えると前後のつながりが矛盾してきませんか? 特に、 >直後のOn the contrary.との間に齟齬が生じると思いますが、いかがでしょう。 すいません、ここが論点になることを想定していなかったので、私の前後の訳を書いていませんでしたね。 拙訳(意訳? 解釈訳?):これが自然の法則である。なぜこれに逆らうのか?自然の仕事をより高めようとして、破壊していることに気が付かないのか?自然の配慮が無駄になってはいまいか?あなたには、自然が内側からする(事によって強くなる)前に何かをするのは、(子供の)危険が倍になるという。そうではなく、危険をそれさせるのだ。経験によれば、甘やかされて育った子供はより死にやすくなるのだ。 と、解釈しました。 >つまり、その疑問文を長々と続く1つの文にすればこうだったはず、と思います。 まあ、私も確かなことは分かりませんが。ここは、本当に解釈が割れましたね!  to do from without what she does within (and which) is according to you to increase the danger twofoldとしても、to do from without what she does withinを一塊として考えなければならず、 what she does within (and which) is according to you to increase the danger twofoldだけ切り取って「自然が内側から行うこと、それはあなたによれば危険を2倍にするとのことですが」と解釈し先端部分にだけ your efforts toと取り付けて「それを外してしまおうとするあなたの取り組みは」と解釈するのはちょっと難しい気がします。 >…といって仕儀でありますが、やはり「割れ」は続くでしょうか? 続いてしまいますね、、、。 まあ、たまにはしょうがないでしょう。ルソーが分かりにくく書いたので、、、、ルソーが悪いですね。 >とはいえ、最後の部分は共通認識を共有するようで少しほっとしました。 そうですね、細かいところで解釈が分かれても結局は同じ解釈になるようです! >SPS さんの読み方なども、いろいろうかがってみたいです。 個人的には、私達の中で一番英語力があるのはSPSさんだと思っていますからね。私も興味あります。 今回もありがとうございました。 また、よろしくお願いいたします。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.2

歓迎、lived in room13様。お帰りなさい。 早速、このたびもまた、楽しいご質問をありがとうございます。 以下のとおりお答えします。 確かに、ご指摘の箇所、分かりにくいですね。原著の仏文に忠実に英訳したんでしょうね。この翻訳文を分かりにくくしている最大のポイントは、「to improve upon her handiworkと並列しているはずのTo do from withoutを別立てにしている」ことではないかと思います。ですから、これを我々にとって分かりやすく配列し直せば、こんな感じになるのではないかと思います。 (書き換え文) 《This is nature's law; why contradict it? Do you not see that, in your efforts to improve upon her handiwork and to do from without what she does within, you are destroying it; her cares are wasted? What she does within is according to you to increase the danger twofold. On the contrary, it is the way to avert it; experience shows that children delicately nurtured are more likely to die.》 《これは自然の法則です。それに矛盾することはあり得ません。自然の仕事を改善しようとするあなたの取り組み、自然が内側から(本性的に)行うことを外してしまおうとするあなたの取り組みは、むしろそれ(自然の仕事)を破壊してしまう、自然の気遣いを無駄にしてしまう、ということがお分かりでしょう? 自然が内側から行うことは、あなたによれば、危険を2倍にするとのことですね。しかし、それは逆です。それ(自然の本性的作為)はむしろ危険を回避する方法です。経験によれば、繊細に育てられた(人工的に純粋培養された)子供は死ぬ可能性が高くなるのです。》 このように、原文でご指摘の部分、『To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold.』の一部を転位し、一部を繰り返せば、すんなり理解できる文になると思いますが、いかがでしょうか。 さすが、「自然に帰れ」を標榜したルソーですね。まさしく、「情けも過ぎれば仇となる」ということですね。教育パパ・ママよろしく、ちょっかいを出しすぎるのも考えもの、というとこるですね。 なお、彼の「自然法」はロックからの影響とされますね。曰く、「ロックの理論はアメリカ独立戦争・フランス革命の思想に大きな影響を与え、自然法の規範性を重んじたフランス啓蒙思想の先駆者となった。さらに、彼の労働価値説はアダム・スミスの先駆となっている。また、彼の「人間知性論」はフランス啓蒙思想に多大な影響を与え、その影響下にルソーも同じテーマの「社会契約論」(民約論)を著している。」 ところで、私は、ルソーには個人的に大いに傾倒しています。彼は、体験した幾度かの恋について、『告白録』の中で述べています。 《私はあまりにも誠実に、あまりに完全に恋をするので、容易に幸福になれないのであった。かつて私の愛情ほど、激しくて同時に純真な愛情はなく、また私の恋ほど、優しく真実で欲得のない恋はなかっただろう。私は好きな人のためなら、自分の幸福は千度でも捨てる気だった。その人の体面を守ることが自分の命より大切だ。自分の享楽のために、たとえ一時でも相手の人の安息を乱したくない。そのため、恋の企てに気を配り、秘めやかにし、慎重にするので、いつもうまくいったことがない。女のことであまりいい目に会わなかったのは、いつも相手を愛しすぎたためである。…》 この、真に迫った告白は、人を恋う切なる気持ちと、優しい気遣いと、彼の誠実な人間性を彷彿させ、250年後の今日なお我々を引きつけてやまない、という感触を私は抱いてしまいます。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 今回は解釈がだいぶ割れましたね。 >この翻訳文を分かりにくくしている最大のポイントは、 >「to improve upon her handiworkと並列しているはずの >To do from withoutを別立てにしている」ことではないか >と思います。 according to you とは、「あなたの意見によれば」ってことですが、どうも意見は対立しているようなので「あなたの考えでは~なんでしょうけど。」って感じだと思います。 つまり、あなた(一般的な考え方)では、To do from without what she does within は、is to increase the danger twofoldという考え方なのだと思います。 >自然が内側から行うことは、あなたによれば、 >危険を2倍にするとのことですね。 この真逆の意味に私は解釈しました。つまり、「あなたによれば、自然が内側からする事なしに行うのは、危険が倍になるそうですが、」つまり、「自然に内側から強くなってから何かをさせればいい」もしくは「自然に内側から強くなる前に何かをするのは危険が倍になる」という考え方が当時の人々にあったようですが、ルソーはその考えに反対だと私は考えました。その考え方ゆえに、ルソーは、お訳のように「経験によれば、繊細に育てられた(人工的に純粋培養された)子供は死ぬ可能性が高くなるのです。」と言ったのだと思います。 >さすが、「自然に帰れ」を標榜したルソーですね。まさしく、 >「情けも過ぎれば仇となる」ということですね。教育パパ・ママよろしく >、ちょっかいを出しすぎるのも考えもの、というとこるですね。 細かいところで解釈の違いがありましても大意としてはそういう解釈になりますよね。 しかし、言うは易く行うは難しですよね。ルソーに賛同しつつも、「甘やかすのが愛情。」だと信じているが如く生きています。 >なお、彼の「自然法」はロックからの影響とされますね。 また時代背景の解説ありがとうございます。 >「ロックの理論はアメリカ独立戦争・フランス革命の思想に大きな影響を与え、 >自然法の規範性を重んじたフランス啓蒙思想の先駆者となった。 >さらに、彼の労働価値説はアダム・スミスの先駆となっている。また、 >彼の「人間知性論」はフランス啓蒙思想に多大な影響を与え、その影響下 >にルソーも同じテーマの「社会契約論」(民約論)を著している。」 やっぱりルソーはすごいもんだと思います。 ルソーの著作は全部読みたいものですが、こういう考えさせる本というのは小説のように速読はできず、ちびちび読んでいます。 >この、真に迫った告白は、人を恋う切なる気持ちと、優しい気遣いと、 >彼の誠実な人間性を彷彿させ、250年後の今日なお我々を引きつけてやまない、 >という感触を私は抱いてしまいます。 ペトラルカもそうですが、ルソーも頑張りすぎちゃって恋愛がうまくいかないタイプだったんですね。 世の中うまくいかないものすね~。でも、ペトラルカやルソーのような人間性が本当に後世に残る作品を残したのだと思います。 今回もありがとうございました。 またよろしくお願いいたします。

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.1

 これは自然の決まりだからなにもあらがうことではない、自然にできた物を更によくしようとしたつもりでも、それを壊し、それを作る時の気遣いを見ていないことに気づかないのか?  内からの力なしにあなたがやっていることは倍危ない。それどころか内からの力を横流しすることだ。腫れ物に触るように育てられた子供は、先に死ぬことがわかっている。  (明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。ご質問で、幸先がいいですね。)

lived_in_room13
質問者

お礼

明けましておめでとうございます。 いつもSPSさんの名訳を楽しみにしております。今回も素晴らしいお訳をありがとうございます。 >これは自然の決まりだからなにもあらがうことでは >ない、自然にできた物を更によくしようとしたつもり >でも、それを壊し、それを作る時の気遣いを見ていな >いことに気づかないのか? 本当に数か月ぶりでSPSさんの名文を拝見でき、なつかしいなあとも、流石だなあとも思いました。 >腫れ物に触るように育てられた子供は、先に >死ぬことがわかっている。 大事に育てすぎる事をなんと表現したものかと思っておりましたが、腫れ物に触るようにとは流石SPSさんならではの名訳、名文だと思いました。ありがとうございます。 >内からの力なしにあなたがやっていることは >倍危ない。それどころか内からの力を横流しする >ことだ。 すいません、この個所は、問題の文章に至るまでの説明が抜けていました。私自身も完璧に意味を理解しているわけではないのですが、 Do you not see that in your efforts to improve upon her handiwork you are destroying it; her cares are wasted? を言い換えたのが、 To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold. だと思います両文ともshe=herは前文のnatureを指しているものと思います。そして両文ともyou(=世間一般の人)が良かれと思って行っている事が良くないと、実際には危険が倍になるという事だと思います。 according to you の信じた事は、実は間違っており、 On the contrary, it is the way to avert itのitは、the danger を指しているのだと思います。あとはお訳の通りです。 甘やかすのがかえって子供を弱くする、なぜならそれは自然の決まりに反するからだというのが、ご存じの通りメッセージなのですが、 To do from without what she does within is according to you to increase the danger twofold. の箇所は本当にルソー的には分かりやすく、解説のつもりで入れた文でしょうけど、私には「分かりにくい解説入れたなあ(笑)」と思っております。 また、お時間がある時にでもSPSさんの欲訳例を教えてください。 ありがとうございました。

lived_in_room13
質問者

補足

打ち間違いがありました、すいません。 ×:また、お時間がある時にでもSPSさんの欲訳例を教えてください。 〇:また、お時間がある時にでもSPSさんの翻訳文を教えてください。

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