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重複世代の問題です
次のような重複世代のモデルを考える。各世代の人口は一定で、そのサイズを1とする。各世代は2期間生き、若年期にはn、老年期には1-nの財を賦与されており、財は期間を超えて貯蓄はできない。各世代のt期の効用関数は U(t)=log(C(t,t))+log(C(t,t+1)である。t>=1 C(t、t+1)はt期に生まれた世代のt+1期の消費を意味する、つまり第二期の消費である。この経済は無限に続くが、t=1が始まりで、この期に第0世代が1-nの財を持っていて、老年期を迎えている。t=1に生まれた世代はn財を持っている。第0世代の効用関数はU(0)=log(C(0,1))である。 1)各期の財価格をPtとし、第1期世代以降の各世代の生涯予算制約式を示し、消費需要を財価格として表せ。 2)一般にt期で市場均衡が成立するための条件を導け。 3)すべてのtにおいて、以下が成り立つことを示せ。 C(t,t)=n C(t-1、t)=1-n Pt+1/Pt=n/1-n 貯蓄ができないから、消費ともっている財は一致するではないかというところで迷っています。よろしくおねがいします
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- statecollege
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No1への追記です。 回答しても反応のない質問が最近増えています。回答にたいして質問があったら、どんどん「補足質問」の欄を使って質問したらいい。ただ、回答が放置されたままでは、回答しても回答のしがいがありません。(そのせいか、とくに「経済学」のカテでは回答者が減っているようです。アカデミックな経済学的質問に答えようとする人がほとんどいない状態です。) 1番目に書いた「貯蓄」と「貯蔵」の違いについて。財が貯蔵できなくても、「貯蓄」はできます。たとえば、2つのタイプの主体がいる経済を考えてください。タイプAはt期(この主体の若年期)の初期保有量(賦存量)が大きく、t+1期(老年期)の初期保有量が小さい(たとえばゼロ)とし、タイプBは反対にt期の初期保有量小さく(たとえばゼロ)、t+1期の初期保有量が大きいとします。このとき、タイプAの主体はタイプBの主体にt期にタイプAが保有する財の一部を貸付け、t+1期にタイプAはタイプBから(利子つき)で返却してもらう市場(財の貸借市場)が発生します。貯蓄とは所得(この場合初期保有量)のうち消費されない部分ですから、タイプAがタイプBに貸し付けた初期保有量の一部がタイプAの「貯蓄」です。(タイプBは「貸付」を受けた分だけ「マイナスの貯蓄」をしていることはむろんです。)ただし、この経済では経済全体の貯蓄(総貯蓄)は、タイプAのプラスの貯蓄とタイプBのマイナスの貯蓄が互いに相殺される結果、ゼロとなります。 2番目に書いた「貨幣」が導入された経済はまた別の質問ですので別の機会に取り上げることとし、当初の質問に回答することにしましょう。 1)t期財の価格をP(t)と書くと生涯予算制約は P(t)C(t,t) + P(t+1)C(t,t+1) = P(t)n + P(t+1)(1 - n) (1) となる。この予算制約のもとで、効用関数U = log C(t,t) + log C(t, t+1)を最大化すると、最大化の1階の条件 MRS = P(t)/P(t+1) (2) を得る。ただし、MRS = ∂U/C(t,t))/∂U/C(t,t+1) = C(t,t+1)/C(t,t) である。(1)と(2)をC(t,t)とC(t,t+1)について解くと C(t,t) = [P(t)n + P(t+1)(1 - n)]/2P(t) (3) C(t,t+1) = [P(t)n + P(t+1)(1 - n)]/2P(t+1) (4) となります。 2)「一般にt期で市場均衡が成立するための条件を導け。」という問いですが、この「一般に」というのが何を意味しているのかいろいろ解釈できるところです。市場均衡は、需要と供給が等しい状況ですから、「一般には」 は C(t,t+) + C(t-1,t) = 1 (5) が成り立つことだと書くことができます。左辺は世代t(t期の若年世代)と世代t-1(t期の老年世代)の、t期財への需要で、(3)と(4)で与えられた値であり、右辺はt期財の供給(世代tと世代t-1の賦存量の合計、n + (1 - n) = 1を表わしている。しかし、貨幣の存在しない世代重複経済では、若年世代と老年世代の市場は分断されているので、マーケット・クリアリング(t期財の需給均衡)条件は2)ではなく、より強い条件 C(t,t) = n (6) C(t-1,t) = 1- n (7) が必要とされる。(6)は若年世代(世代t)の市場の需給均衡条件、(7)は老年世代(世代t-1)の市場の需給条件をあらわしている。(6)と(7)は(5)を導くけれど、(5)は(6)と(7)をかならずしも導かないことに注意してください。 3)(6)を(3)に代入すると、 n = [P(t)n + P(t+1)(1 - n)]/2P(t) ⇒ P(t+1)/P(t) = n/(1-n) を得る。((7)を(4)に代入しても同じ結果を得る。)なお、t期財をt+1期財で測った価格P(t)/P(t+1) を粗利子率といいます。よって、P(t)/P(t+) = 1 + r(t)とおくと、r(t)がt期からt+1期へかけての利子率です。この市場では利子率は定まりますが、すべての(同世代の)主体は同質なので、貸し手も借り手もいないので、貸借市場はアクティブではありません。 コメント。この経済は普通の2期間モデルの経済とほとんど変わらない経済で、出題者がなぜわざわざ世代重複経済にしたのかよくわからない。世代0は(問題として)なぜ存在しなければならないのかわからない。世代0は何の役割も演じていませんね。この問題をNO.1でコメントしたように、世代0はn単位の貨幣を与えられ、世代t(t≧1)は若年期に1単位の財を、老年期は0単位の財を与えられているというふうに問題を変更すると、もっと面白い結果が得られます。この後者の問題も解いてみられたらいかがでしょうか?
- statecollege
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この問題正しいでしょうか?この問題どこからとったか知りませんが、正しく与えられているかもう一度確かめてください! 1.「財は期間を超えて貯蓄できない」⇒「財は期間を超えて貯蔵できない」 ではないでしょうか?英語でいうと、「saveできない」ではなく「[storeできない」あるいは「nonstorable」はないでしょうか? 2.「世代0は1-n単位の財」ではなく、「n単位の貨幣」を初期保有量として持っているのではないでしょうか?世代t≧1は、若年期に「n単位の財」を賦与されているのではなく、「1単位の財」を賦与されているのではありませんか? これなら、均衡において(3)のような値が成立します。しかし、あなたのような貨幣のないOLGモデル(世代重複モデル)では、価格Ptは意味を持ちません!