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理解困難な部分積分
∫(0~1) {e^(-u)} lnu du の変形の際、 私の本に、 「 e^(-u) を -{e^(-u)} +1 に積分するという不思議な方法を使って以下の式を得ます。 [(-{e^(-u)} +1) lnu](0~1) - ∫(0~1) ({e^(-u)} + 1) / u du 」 とあります。 この変形が理解できません。 ご教示ください。
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∫[a,b] f'(x) g(x) dx = ( f(b)g(b) - f(a)g(a) ) - ∫[a,b] f(x)g'(x) dx ここで f'(x) = exp(-x) g(x) = ln(x) の場合、 g'(x) = 1/x f(x) = ∫exp(-x)dx = C-exp(-x) を使って、 ∫[a,b] f'(x) g(x) dx = ( (C - exp(-b))ln(b) - (C - exp(-a))ln(a)) - ∫[a,b] (C-exp(-x))/x dx に至るのに特別何の不思議もないようにも思いますが、気に入らないということならこうもやれます: a,bがどっちも正の有限値ならば発散の心配なしに ∫[a,b] f'(x) g(x) dx = ( (-exp(-b))ln(b) - (-exp(-a))ln(a)) - ∫[a,b] (-exp(-x))/x dx = ( (-exp(-b))ln(b) - (-exp(-a))ln(a)) - ∫[a,b] (C-exp(-x)-C)/x dx = ( (-exp(-b))ln(b) - (-exp(-a))ln(a)) - ∫[a,b] (C-exp(-x))/x dx +C ∫[a,b] 1/x dx = ( (-exp(-b))ln(b) - (-exp(-a))ln(a)) - ∫[a,b] (C-exp(-x))/x dx +C (ln(b)-ln(a)) = ( (C - exp(-b))ln(b) - (C - exp(-a))ln(a)) - ∫[a,b] (C-exp(-x))/x dx であるから、当然ながら同じカタチに至ります。 で、上限bを有限の正の値に固定したとき、下限aがa→+0の場合、Cが丁度C=1なら右辺の前半部分は ( (1 - exp(-b))ln(b) - (1 - exp(-a))ln(a))→(1 - exp(-b))ln(b) と収束し、かつ、後半の積分∫[a,b] (-exp(-x))/x dxも収束する。(ついでながら、b→∞の場合には左辺の積分が発散しますから、当然右辺も駄目ですね。C=0の場合とC≠0の場合とで、発散が生じる場所が異なります。) さて、この操作はまたこうも理解されます。すなわち、右辺をひとまず形式的に(発散のことは忘れて) ( (-exp(-b))ln(b) - (-exp(-a))ln(a)) - ∫[a,b] (-exp(-x))/x dx と出しておいて、後半の積分から(たしか、「有限部分」という歴史的センモン用語で呼ばれる) ∫[0,b] (1-exp(-x))/x dxを取り出し、残りの(a→0で発散する)成分∫[a,b] 1/x dxを前半部分にオッツケることで、前半部分にもある発散する成分(exp(-a)ln(a))と打ち消し合うようにさせた。 また、被積分関数h(x)を適当にx<0の領域まで拡張して定義しておいて、 ∫[a,b]h(x) dx = ∫[-a,b]h(x) dx - ∫[-a,a]h(x) dx を考える、というアプローチもある。∫[-a,a]h(x) dxが存在するとき、これは「主値」と呼ばれます。x≒0でのゴタゴタが、x>0の場合とx<0の場合とで丁度打ち消し合うようにならんかな、ということですね。 電磁量子力学で朝永らが開発した「繰り込み」の原理も、こういうのと基本的には同じ考え方です。いわば「ぼんやりと(x≒0の中身が見えないぐらいの)遠くから眺めれば、微細なゴタゴタは互いに打ち消し合って、結局何事も現れて来ない」ということが起こる場合がちょくちょくある。(きっと何事もないだろうと高を括っていた所に、ある条件下では微細なゴタゴタがあからさまに現れてきて不思議な現象を起こす、ということもまた、ちょくちょくあるのですが。) なお、超関数を使うとこのあたりの見通しがさらに良くなったりします。
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- info22_
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#1です。 A#1の中に書き写しみすがありましたので訂正しておきます。 誤:=∞-0=∞ 正:=0-∞=-∞ 従って 誤:∞(取り出した積分)-∞(後ろの積分) 正:-∞(取り出した積分) - (-∞)(後ろの積分) 失礼しました。
- info22_
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>「 e^(-u) を -{e^(-u)} +1 に積分するという不思議な方法を使って以下の式を得ます。 これは巧妙なテクニックですから、丸覚えするしかありません。 積分関数に定数を加えても何ら問題ありません。微分すれば定数項は消えます。 [(-{e^(-u)} +1) ln(u)](0~1) =lim(u→1)(-{e^(-u)} +1) ln(u) - lim(u→0)(-{e^(-u)} +1) ln(u) =0-0=0 と収束します。 しかし 積分関数を「-e^(-u)」とすると [-e^(-u)ln(u)](0~1)=lim(u→1){-e^(-u)}ln(u) - lim(u→0){-e^(-u)} ln(u) =∞-0=∞ となって発散してしまいます。 定積分の部分積分では、収束するよう積分関数を選ばないと、本来収束する積分も ∞(取り出した積分)-∞(後ろの積分) の形に部分積分したら、部分積分する意味がなくなって、部分積分したことで積分ができなくなるといった結果に陥ります。 なので、今回のタイプの底積分では、質問者さんにとっては理解できない変形かもしれないけど、 実は、巧妙な定積分の部分積分法のテクニックなので、是非、丸覚えしておきましょう。 >[(-{e^(-u)} +1) lnu](0~1) - ∫(0~1) ({e^(-u)} + 1) / u du 」 の部分積分では前の項はゼロに収束し、後ろの積分も収束します(特殊関数の指数関数積分Ei(u)を使うか、または数値積分で積分値が得られます)。
お礼
回答ありがとうございます。 丸覚えするのは、構いませんが、理解したくて投稿いたしました。 変形後の意義は理解しております。
お礼
回答ありがとうございました。 stomachman様の回答を見てから、こんなことが理解できなかった方が不思議に思えます。