数学・算数
- 対数の手計算
11を底とする2の対数(log[11](2))を小数第2位まで求めよという問題で、log2やlog3などの近似値を使用せず、完全に手計算でlog[11](2)を小数第2位まで求めてみました。解法のチェックをお願いいたします。 2^3.45<11<2^3.5 …(1)であることを利用します。 (1)が成り立てば3.45<log[2](11)<3.5 なので逆数をとれば 1/3.5<log[11](2)<1/3.45 ∴0.28571<log[11](2)<0.28986 です。 (関数電卓では0.2890648263) (1)の11<2^3.5が成り立つのは、両辺を平方すれば121<2^7=128 となることから明らかです。 (1)の2^3.45<11が成り立つことの証明です。両辺を2^3で割った 2^0.45<11/8 つまり2^(9/20)<11/8 を示します。 両辺を平方して 2^(9/10)<121/64 さらに両辺を10乗した 2^9<(121/64)^10 を示せば良いことになります。 (121/64)^10の計算は楽ではありませんが、分子が1小さい(120/64)^10については(120/64)=(15/8)=(2-1/8)=(2-2^(-3))なので、 二項定理(または(a-b)^10の公式)によってこちらは手計算で計算可能で(詳細は最後に別掲) (120/64)^10>537>512=2^9 とわかります。 まとめると 2^9<(120/64)^10<(121/64)^10 で、2^3.45<11が成り立ちます。 結論 log[11](2)≒0.28 (0.28571<log[11](2)<0.28986) 計算の詳細 (2-2^(-3))^10=2^10-10・2^6+45・2^2-120・2^(-2)+210・2^(-6)-252・2^(-10)+210・2^(-14)-120・2^(-18)+45・2^(-22)-10-2^(-26)+2^(-30) =1024-640+180-30+105/32-63/256+210/2^14-120/2^18+45/2^22-10/2^26-10/2^28+1/2^30 上式の第6項までの和は、537+9/256です。第7項以降で負の項は第8項の-120/2^18と第10項の-10/2^30だけでこの和は-9/256より小です。 したがって(121/64)^10>(2-2^(-3))^10>537>512=2^9