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【古文】以下の文章はどうしてこういう訳になるのか?
はじめまして。 『漢竹の笛の事よろしく侍らん一つ召して給ふらん』 という文章の訳が 『中国産の竹の笛で、ほどよい者を一つ取り寄せていただきたい』 となっています。 「給ふ」を、謙譲の意味で「いただく」となって、後の「らん」が希望を表しているということでしょうか? 「らん」は、「給ふ」の終止形に付いているので推量の助動詞となり、希望をあらわさないのでは?と疑問に感じています。
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にゃるほど・・・(ー3ー) まず謙譲の「給ふ」、これは「尊敬」です。なぜなら、「召す」という「相手」の動作にかかっているからです。「召す」というのは「奉る」・・・つまり「差し上げる」という意味にとれます。 つまり「(あなたが私に)笛を差し上げなさるでしょうか?」という風に「直訳」にしたら、こうなります。つまり「君、僕に笛をくれるだろう?」みたいな感じで、相手に尋ねているわけです。それを意訳した結果「笛をいただきたい」みたいな訳になるのではないでしょうか? 主語は「相手」となるのがポイントでした。 全体的に解説すると、こんな感じですかね? 『漢竹の笛の事“よろしく”侍ら“ん”一つ“召し”て“給ふ”“らん”』 文法解説を加えると、「よろしく」は「まぁまぁ良い」。 「ん」は「む」でここでは「婉曲」の意味になります。「~のような」 「召し」、終止形「召す」はほとんど「す」と同じような「代動詞」の役割をすることもありますが・・・ここでは「奉る・差し上げる」という意味になります。 そして「らむ」は現在推量「~だろうか」の意味。 つまり直訳すると、こんな感じ。 「中国産の竹笛で、まぁまぁ良いものでありますような笛を(あなたは私に)一つ差し上げなさるでしょうか?」 それを少し日本語っぽく直してみると。 「中国産の竹笛で、まぁまぁ良いものでありますような笛を一つ私にいただけませんでしょうか?」 そしてそれをさらに意訳すると・・・ 『中国産の竹の笛で、ほどよいものを一つ取り寄せていただきたい』 となるわけです。
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- kine-ore
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出典が「発心集」であれば、やや文言に差異があるのでないでしょうか。 「筑紫に御領おほく侍れば、漢竹の笛のことよろしく侍らん、一つ召してたまはらん。」 (物などを)取り寄せる意の尊敬の動詞「召す」の連用形+補助動詞に続ける接続助詞「て」+動作を受ける自分が謙ることで動作の主を尊敬する意(していただく)を添えた「たまはる」の未然形+相手について促しを表わす助動詞「む」終止形 http://gagaku.blog.ocn.ne.jp/gagaku/2005/08/__374c.html 「(あなたは)筑紫に御領地が多くおありですので、漢竹の笛の出来のよろしくございますのを一つお取り寄せになっていただきたく思います。」
NO.1のやつです。 ちょっとアドバイスを付け加えます。 謙譲の「給ふ」なんですが・・・実はこんなポイントがあります。どん! <「思ふ」の下に「給ふ」があったら、「謙譲」。> もちろん、すべてがあてはまるわけではありませんが、意外と数的に多いよ。ってことです。主語が明らかにほかの人をさしていたら「尊敬」になりますが、地の文、つまり筆者の感情が描かれている部分で「思ふ」があったらまず間違いなく「謙譲」だということをちょっと覚えておきましょう。 あと、未然形接続なのに「給へむ」や、連用形接続なのに「給へける」の場合だと、これもまず間違いなく「謙譲」です。というのは、尊敬ならばこれは「ハ行四段活用」なので「は・ひ・ふ・ふ・へ・へ」となるから「給はむ」とか「給ひける」にならなければならないからです。 謙譲の場合は「ハ行下二段活用」になりますね。「へ・へ・ふ・ふる・ふれ・へよ」ですから。しっかり覚えておきましょう。
- caesar-x2
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違います。 「たまふ」(補動ハ行四)は、尊敬の意味です。「召して(連用形)」が(上一段)動詞で、これも尊敬語です。 動作が自分ではなく、相手なので、謙譲にはなりません。 二番目の「らむ」は助動詞ですが、婉曲の意味。 あと「さぶらふ」がありの丁寧語で最初の「らむ」は推量。「よろし」が適当、程よいの意味なので、よろしそうなものということになります。 で、全体では、 「中国産の竹の笛の事ですが、程よさそうなものを、一つお取り寄せてください」 だと思います。
お礼
みなさまありがとうございます。 もう一度「給ふ」「給はる」の用法を確認して、助言をもとに再度考えてみたいと思います。