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古典文章中の「る」の識別

とある古典の中にある 「やぶにかうの者といへる児女子がたとへ」 という文章に対する訳が 『藪の中に豪傑がいるという子女の使うたとえ』 となっていました。 原文の「いへる」なのですが、これはハ行四段活用動詞「いふ」の已然形に存続の助動詞「り」の連体形がくっついたものと解釈しましたが。これは正しいでしょうか? それともこの「る」は他の意味を持つ単語なのでしょうか? 訳から推測すると婉曲の意味が適当なのかな?とも思ったのですが、「る」に婉曲を意味する用法はあるのですか?

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noname#126371
noname#126371
回答No.1

ほうほう・・・にゃるほど~(~3~)・・・ おっしゃるとおり、これは「存続・完了」助動詞「り」の連体形ですね。うん! 「り」に婉曲の意味などないですよ。婉曲というのは「~のような~」というように訳しますので、訳文を見ても、そのような意味はとれません。 さて、ここでこんなポイントを教えておきましょう。この下のとおりに覚えておけば、例外を除けばまず大丈夫です! 「る」・「らる」には受身、尊敬、自発、可能とあります。 ポイントをそれぞれ説明していきます。 ポイント(1) 「る」・「らる」の上に対象をあらわす格助詞「に」がある、または「に」が補えたら「受身」。 例文:姑“に”思は“るる”嫁の君 今でも、受身のときって「人に~される」という形をとりますよね。この「に」が肝です。 ポイント(2) 高貴な人物がいる場合の「る・らる」は「尊敬」 かの“大納言”、いづれの船にか乗ら“る”べき。 当然、尊敬は「高貴な人物」を対象とします。 ポイント(3) 「る」「らる」の上に感情・心中を表す動詞があったら、「自発」 (自分の)感情・心中+「る・らる」⇒自発 (自分の)動作行動+「る・らる」⇒自発 『時の間に“思い”まどは“るる”心のうちは、せむかたもおぼえず。』 ポイント(4) 「る」・「らる」が可能のときは打消しの助動詞が伴う。(これは平安時代の文では絶対!逆に鎌倉・室町の文だったら、打消しがなくても可能をとる場合がある!) 「る・らる」+打ち消し⇒可能 例文:おそろしくて寝も寝“られ”「ず」 というふうのを抑えましょうね。 ポイント(5) e―――らりるれ(存続 or 完了) そもそも「存続・完了」をとる助動詞は「り」です。「る・らる」とは別物です。でも、それの区別として、伸ばした音が「~えー」と続いたら間違いなく「り」の助動詞です。 例文:“立て”「る」人どもは装束の清らなること、物に似ず 「立て」の部分を延ばすと「えー」となるでしょ? 例文:宮の御前、母北の方も続きたち“給へ”「れ」ば 「給へ」を伸ばすと「え」の音になる。これらは全部、「り」の助動詞で「存続・完了」の意味になる。 どうでしょうか?結構、これがかなり重要だったりするので、特に「る」の意味判別、そして「る・らる」と「り」の識別をちゃんと覚えておきましょう!

raionzumanshon
質問者

お礼

丁寧に説明いただき、ありがとうございます。 読んでいて非常に理解が深まりました。 「に」の識別と「る」の識別が未だに苦手ですが、演習を積み実力を向上させていきたいと思います。

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