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ISLM分析 傾きについて

証券アナリストの勉強を始めました。ISLM分析で質問させてください。それぞれの傾きについてです。IS曲線は政府支出や輸出の増加等でGDPが増えて利子率が上昇して右シフトする、LM曲線は金融緩和で右下にシフトするとか少し理解できるところがあるのですが、それぞれどのような時に傾きが急になったり緩やかになるのでしょうか?「不景気なときは限界貯蓄性向が増加しISの傾きは急になる」とかなかなか理解が進みません。助けていだけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

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回答No.2

つぎに、ISの傾きがどのようにあらわされるか考えてみましょう。 いま、外国部門を省略した簡単なマクロの体系を考えると Y=C+I+G C=C(Y-T) I=I(r) M/p=m(r,Y) となるが、IS曲線とは財市場の均衡を示す最初の3つの方程式を Y=C(Y-T)+I(r)+G という一本の式にまとめ、それをrを縦軸に、Yを横軸にとって描いたいう曲線をいう。IS曲線の傾きは上の式を微分して dr/dY= (1-C')/I' として得られる(導出できますか?)分母1-C'は限界貯蓄性向で、通常限界消費性向C'は、0<C'<1(限界消費性向は正だが、1より小さい)と仮定されるので、限界貯蓄性向1-C'も0<1-C'<1となる。そして、投資関数I=I(r)の傾きは負、つまりI'<0である(投資は利子率が上がると、減少する)ので、IS曲線の傾き(1-C')/I'は負、つまり、IS曲線は右下がりの曲線となる。よって、限界貯蓄性向の値が大きいほど、また投資関数I=I(r)の傾きI'(r)が(絶対値で)で小さいほど、(絶対値で)大きくなる。したがって、引用されたステートメントのように「不況期」、つまり所得Yが低いとき、限界貯蓄性向が大きくなるなら、IS曲線の傾きは所得が低いとき(「不況期」)に(絶対値で)大きくなる。(ただし、分母のI'(r)はrがどうなるかわかっていないので、I'(r)の値が変わらないとしてという条件がつく)。しかし、回答#1で書いたように、限界貯蓄性向が所得が低いときに大きくなるという根拠はとぼしい。

回答No.1

>不景気なときは限界貯蓄性向が増加しISの傾きは急になる」とかなかなか理解が進みません。 というあなたの疑問もっともだと思います。私はこのステートメントはおかしいと思います。マクロの教科書で説明のためによく使われる簡単な、リニアの消費関数で C = a + b(Y-T) と表わされる。したがって 貯蓄Sは S = (Y-T) - C = (Y-T) - a - b(Y-T) = - a + (1-b)(Y-T) となる。ここで、C=消費支出、Y=所得、T=税。a, bは定数でa>0, 0<b<1に従う。このとき、限界消費性向はdC/d(Y-T)=b、限界貯蓄性向はdS/d(Y-T)=1-bとなる。消費関数がリニアの場合はどちらの限界性向も一定となることがわかる。不景気のときとは、所得(GDP)が低いときを指すが、これらの式からわかるように、Yが低くても、高くても限界貯蓄性向は1-bで変わらない! ではもう少し違った、消費関数が非線形のときはどうなるか? C = a + b√(Y-T) を考えてみる。消費Cを縦軸に、可処分所得YーTを横軸にとると、縦軸のaから出発し、Y-Tが大きくなると、Cも大きくなるが、所得の上昇ほど増えない、上に凸のグラフとなる。この場合、消費関数のグラフの傾きを表す限界消費性向は dC/d(Y-T) = b/[2√(Y-T)] によって与えられ、可処分所得の増加とともに減少することがわかる。貯蓄関数 は S = (Y-T) - a - b√(Y-T) よって、この貯蓄関数のグラフの傾きを表わす限界貯蓄性向 dS/d(Y-T) = 1 - b/[2√(Y-T)] となる。可処分所得が上昇するほど、限界貯蓄性向の値は大きくなる。つまり、上の引用とは逆に所得の低い「不景気」の時期には限界貯蓄性向は低くなることになる。所得が低いときに、限界貯蓄性向が大きな値をとるためには、消費関数は、たとえば、 C = a + b(Y-T)^2 のような不自然なかたちをしていなくてはならない!

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