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経済学 総需要曲線(AD曲線)の導出と右シフト
経済学の総需要曲線(AD曲線)の導出と右シフトについての質問です。 経済学のテキストで、総需要曲線(AD曲線)の導出方法の説明として、 「1)物価水準が低下したとする。 2)実質貨幣供給量は増加するので,LM 曲線は右下方にシフトする。 3)利子率が低下し、民間投資が増加する。 4)国民所得が増加する。 5)AD曲線が右下がりになる。」 とありました。 また、金融緩和政策によって、総需要曲線(AD曲線)が右シフトする説明として、 「金融緩和政策が行われると、LM曲線が右にシフトする。この場合、利子率が低下し民間投資が増加し、経済の総需要が増加する。その結果、AD曲線も右にシフトする。」 とありました。 なぜ前者ではAD曲線が右にシフトしないのに、後者ではAD曲線が右にシフトするのでしょうか。 なかなかイメージが伝わりづらいと思いますので、画像を添付します。 非常に基本的な質問なのですが、どうしてもすっきりしないので、ご回答よろしくお願いします。
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- statecollege
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あなたは、ミクロ経済学の需要供給分析を学ぶとき、「需要曲線に沿う動きと需要曲線のシフト」との違い、あるいは同じことですが「需要量の変化と需要の変化」の違いについて勉強しませんでしたか?まずこちらを復習することからはじめましょう。ある財Xの需要量をQx、価格をPx、その他の財(とくに代替財、補完財が重要!)をYとし、したがってPyはその他の財の価格、Iを所得とすると、ある財Xの市場需要関数をDで表わすと、QxをPx, Py, I等の関数として (*) Qx = D(Px, Py, I, ・・・) と書ける。財Xに対する(市場)需要曲線とは、(*)をPxを縦軸に、Qxを横軸にとって表わした曲線で、通常の条件のもとでは右下がりの曲線となります。このとき、Py,I等の他の要因・変数(「他の事情」と呼ばれる)は一定とします(つまり、Pxが動いてもPyやIは変化しないと仮定する)。Pxが高くなる(低くなる)と、需要量Qxは需要曲線はそのままで、この曲線上を移動し、小さい(大きい)値をとる。しかし、PyあるいはIなどの「他の事情」が変化するとどうなるか?関数Dには変化はないが、PxとQxの関係を示した需要曲線はもちろん影響を受ける。たとえば、財Xがリンゴで、財Yがオレンジだとすると、オレンジの価格Pyが上昇すると、リンゴの価格Pxは以前と同じでも、高くなったオレンジからリンゴへ買い替える人が増えるので、Qxは増加する。Pxのどの値についてもいまやQxは大きな値をとることになるので、PxとQxの関係を示す財Xの需要曲線は右に(かつ上方へ)シフトするのです。このように、Pxが動いても需要曲線はシフトしないが、Py、Iなどのその他の変数が動くと需要曲線はシフトするのです。 同じことは、マクロの総需要量と物価との関係を示すAD曲線にもいえる。総需要量ADは物価P、貨幣供給量M、・・・等いろいろの変数・要因の影響を受けますが、AD曲線とは、M等のその他の変数は一定として、PとADとの関係(Pを縦軸に、ADを横軸にとる)を描いた曲線です。Pが変化しても、AD曲線上を移動するだけで、PとADとの関係を示すAD曲線は変わらない。しかし、AD曲線にとってはその他の要因であるMが増えたり(金融緩和)、Mが減ったり(金融引き締め)すると、PとADとの関係を示すAD曲線は影響を受け、曲線自体がシフトすることになる、ということです。
お礼
詳しいご説明ありがとうございました!!