- 締切済み
「とうえん」の意味
萩原朔太郎の黒い風琴という詩の中に やさしく とうえんに しめやかに という箇所がありますが、 この、とうえんに、というのはどういう意味なのか ご存じの方いらっしゃいましたら、教えていただけると非常に助かります。 よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
みんなの回答
- kine-ore
- ベストアンサー率54% (808/1481)
岩波文庫版「萩原朔太郎詩集」の選者三好達治は「本書の校訂について、卑見にやや錯綜した点がある」とし、「テキストについては初版初出の原形」を「最も尊重して第一の準拠とした」・・・「萩原さん自身の改訂をそれらの点では僭越のようだが姑らく卑見に従ってお預かりとしておいた」旨を明言しています。 ですから、「とうえん」は次のような二種の漢語を併せ持たせた仮名表現なのだと受け取っています。 1)魂の奥処の哀愁(ペーソス)、陰鬱なる感情のけいれん・・・詩集の通底和音 恫怨…かなしみうらむ。「国大乱、百姓恫怨」(史記・燕召公世家) 2)まつ黒な憂鬱の闇、(洞窟のような)巨大な風琴、れくいえむ、暗闇の壁の中 洞烟…洞窟より立ちのぼるもや又は烟。「洞烟谷雲の内よりも瀑布の瀧の白妙に」(謡曲・三笑) 出所:「大辞典」(平凡社)
- Kittynote
- ベストアンサー率84% (32/38)
青空文庫を含めネット上では「とうえんに」一色の様子ですね。 例えば『萩原朔太郎詩集II靑猫/小學館/1947(昭和22)年11月20日再版』には、 〇「黑い風琴」<33-34/102>(53-55頁) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1128875/34 <34/102>(54頁9行目) やさしく ようえんに しめやかに <34/102>(54頁3行目) おそろしい巨大な風琴を彈くのはだれですか などと記されています。「ようえんに」ならばすんなり意味が通りますが、 一例に過ぎませんので断定は出来ないものの、 何らかの時点での誤写、誤植により「とうえんに」が拡散した可能性も 否定出来ないように思います。 以上 少しでも疑問解消の糸口に繋がれば幸いです^^
お礼
なんと、予想もしなかったお答えでした! しかしかなり信憑性があるように感じます。 直筆原稿がどこかにあれば一番すっきりするのでしょうが、、 回答ありがとうございます!
お礼
専門的なご意見ありがとうございます。 こんなに奥深いものだとはしりませんでした。 勉強になりました。