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現象主義における自由意志について
現象のみを唯一の実在とするような現象主義の場合、自由意志があるか否かの結論(答え)は現象としてすでに現れていると考えていいのでしょうか?? ※ここでは自由意志を 行為選択権 の意味で定義し、捉えるとします。
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現象というのは、その向こうに何ものかがあって初めて現象なので、何も無かったら、それを現象とは言いません。 「現象のみを唯一の実在とするような現象主義」と言っていますが、現象は何ものかがあって現象なので、現象だけでは、それを唯一の実在とは言えないと思います。 それではまるで、幽霊が唯一の実在と言っているようなものではないですか? たしかに幽霊は実在の現われではないですから、幽霊ならば、現象だけあって現象のみと言えるかもしれませんが、だけど幽霊を唯一の実在とは言いませんよね? それに「現象主義」と言っていますが、現象を主義にするってどういう意味でしょうか? 現象だけあって、その向こうには何もないということ? だけど現象の向こうには何もなかったら、そもそも現象とは言えないのではないかと思います。 現象は背後に実在があるから現象と言われるので、現象と実在はワン・セットです。 現象の一方だけあって、他の実在がないとしたら、そもそも現象という言葉もないでしょう。 だから現象主義とは形容矛盾と言わねばなりません。 そして自由意志は背後に実在が控えていて、その現象ではありませんから、「現象としてすでに現われている」という言い方はおかしいです。 自由意志は現象するものではありません。 いったい何が現象するのですか? 自由意志の向こうに、何か現象するものがあるのでしょうか? 自由意志があるかないか、という答えは、何か現象の背後の、現象の向こうの何かを参照する必要はありません。 私は直接的に、それを直観できるのですから、現象を必要としません。 私がそれをしようと願えば、それは私に自由がある証拠です。 他人にそれをしろと指図されたら、自由はないかもしれませんが、他人にそれをしろと指図されず、自分でそれをしようとしたら、自由はあるものと考えざるを得ません。 たとえそれが錯覚で、実際は自由でないのに、それを私が自由によるものと勘違いしたとしてもです。 スピノザは人間に自由なんかない、自由があるという人間はすべてが因果によって決定されているのを洞察できないだけだと言いました。 だから自由は錯覚かもしれませんが、それでも私がそれを自由と考えている限り、自由はあると思っています。
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- yuniko99
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私は大学で現象主義を勉強した訳ではないので 提案のみをしますが。 現象と実在は両方あるに決まってるわけです ただ人間には現象しか分からないから 現象主義とか言ってますが 私は「現実」と捉えることをお勧めします。現実は分かる部分と分からない部分と 両方を指します。その上で現象、実在という言葉を使うのは結構なことだと思います。 現実はそれが全てです。分かることも(認識できること)分からないことも含めて 存在するものを現実といいますから。現実は真実であり事実であり真理に貫かれています そう考えていくと見通しが良くなると思います。どうでしょうか?如何ですか?
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皆さん丁寧で分りやすいご解説有難うございました。 大変参考になりました。
- 雪中庵(@psytex)
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人は認識できないものを意志できない。 存在における不確定性原理、認識における不完全性定理 において、全ての本質を完全に認識する事はできない。 ゆえに、完全な自由意志はあり得ず、有限な存在仮説の 限りにおいて、任意性はあり得る。
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- trytobe
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「自由意志」も現象ではなく、「行為選択権」も現象ではない(選択する行為の前の状態)であるから、 「自由意志」という表現でも「行為選択権」という表現でも、『現象としてすでに現れている』はずがない。
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あるならば現れてなきゃいけないはずだってことです。 だって、現象として現れていない=意識下にないってことですよね? 意識下なきゃ、自分が支配可能な自由意志能力とはいえませんよね? 無意識や現象を超えた範囲に自由意志があるなんて、自由意志の定義に矛盾してると思いますもん。
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皆さん丁寧で分りやすいご解説有難うございました。 大変参考になりました。
補足
つまらぬ質問に何度も丁寧にお答えいただいて、本当に感謝いたします。 今回のご指摘も大変参考になりました。