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小説の中でわからない文
英語の小説と、その日本語版をあわせて読んでいます。 次の一文が、どうしてそのような日本語訳になったのかわかりません。 わかりやすく説明していただける方、おられましたら、ご教授願います。 I used to have a name. It can't be named anymore. わからないのは、後半です。 日本語訳では「もう、そうは呼ばれたくない名前なのだ」となっているのですが、 なぜそうなるのかがわかりません・・・ よろしくお願いいたします。
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#1にいただいた補足を拝見しました。また、概ね、#2さんにも賛成です。 加えて申しますと、この一節の直訳は「その名前は名付けには、もう使われることができないのだ」ですから、解釈としては例えば「その名前は(何かの事情で使用が禁止になったので)もう使えないのだ」とか「その名前は(使いたいのだが、自分は身分を隠しているので)もう名乗れないのだ」など、いろいろな解釈が可能なわけです。 したがって、「もう、そうは呼ばれたくない名前なのだ」は、いわゆる“訳しすぎ”であると言うこともできます。つまり、ここでこう訳してしまうと、「呼ばれたいのに使えない」という選択肢を切り捨ててしまうわけで、場合によっては物語の先が見えてしまいます。 ただ、小説やドラマは、意味を伝えるだけでなく、感動を伝えるものです。むしろそっちのほうが重要です。したがって、小説全体の雰囲気から判断して、訳者はここで読者に『ああ、話者自ら、その名前を拒否しているのだなあ』と感じさせたほうがいいと思ったのかもしれません。あるいは、すでに、この一節の前に、「呼ばれたくない」旨が読者に伝わっていると判断して、こう訳したほうが自然だと感じたのかもしれません。
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>I used to have a name. It can't be named anymore. ●後半の"It"="the name [昔つけられていた名前]" ●動詞の"name"="specify" [(S)(V)(O)で使われます。] 〈価格・日時などを〉指定する(specify), はっきり決める: name a price 値段をつける name a date for the meeting 会議の日取りを決める. ★上の例を"generalize":"specify"の関係で示すと "generalize":"specify"="a price":"\10,000" "generalize":"specify"="a date for the meeting":"November15, 2011" という関係です。 ●すると、"It can't be named anymore."="The name can't be named anymore." ="The name can't be specified anymore." つまり「(名前というものは星の数ほどあるが)その名前がどんな名前だったかもう特定することは出来ないよ。」というのが原意です。 ★「(名前というものは星の数ほどあるが)その名前がどんな名前だったかもう特定することは出来ないよ。」 =「もう、そうは呼ばれたくない名前なのだ」 訳者が"specify"の意味をしっかり把握していたかどうかは不明ですが、簡単に訳せば、 「その名前はもうわかりっこないよ。」という感じです。 ●Adam named his wife Eve. アダムは妻をイブと呼んだ。 (S)=Adam (V)=named (O)=his wife (C)=Eve この場合は受身は一つしかできません。→"His wife was named Eve by Adam." 補語の「名前」である"Eve"は主語には出来ません。→"Eve was named (his wife) (by Adam)"は間違いです。したがって、当該の"It can't be named anymore."の文型は[(S)(V)(O)(C)]の受身ではありません。 ●翻訳と言うのは難しく、私も主に日本語から英訳された英文をじっくり比較するのが趣味の一つです。 エドワード・サイデンステッカー(Edward Seidensticker)氏は、立派な日本文学研究者ですが、川端康成の日本語らしい日本語がどうしてこのような英文になるのかな?と思う箇所はたくさんあります。川端康成も、自分がノーベル文学賞をもらったのは、サイデンステッカー氏のおかげが半分あると言って、賞金の半分をサイデンステッカー氏に挙げたそうです。つまり、川端康成の日本文「雪国」もサイデンステッカー氏の"Snow Country"ももはや別々の芸術作品と見なければならないと最近思うようになりました。 ●「その名前はもうわかりっこないよ。」と「もう、そうは呼ばれたくない名前なのだ。」という意味は少し違いますが、英語の勉強として考えるとおかしいと思われるのも当然です。私は日英語の文学・経済学・仏教学・哲学などを比較したりしていますが、私だったらこういう英語にするよとメモしております。 ★draconettieさんも、私ならこう訳すよ、とメモされたらいかがですか?あまり誤訳だとか訳者を責めないことも大切です。誰しも間違えます。
お礼
あれ?お礼を書いたのに消えてる・・・・ というわけで、再度お礼を書きこませていただきます。 詳細に説明していただき、ありがとうございます!! ここまで文法的に文章を分析出来るお力がうらやましいです・・・・ 誤訳を指摘したいのではなくて、 読んでいて自分の解釈と違うと、自分の理解のどこが間違っていたのかな?と 気になったので、質問させていただきました。 ベストアンサーを差し上げたいのですが、 一番初めに回答くださり、そのごフォローをしていただいた方がおられますので、 この度はそちらに差し上げたいと思います。 ですが、詳細な説明、本当にありがとうございました!
- ucok
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もう少し文脈かあらすじを補足していただかないと何とも言えませんが、直訳すると「私は、かつて、名前を持っていた。もう名付けられることはない」ですから、事実関係としては「前に使っていた名前が使われることはない」ということになろうかと思います。これを、筋書きに沿ってわかりやすく訳すと、そういうことになるのでしょう。
お礼
さっそく回答ありがとうございます。
補足
さっそく回答ありがとうございます。 捕捉させていただきますね。 主人公が名前を聞かれて、「ぼくは“だれでもない”」と答えた後につづくセリフです。 以下のようなやり取りの中の一文です。 「おまえはだれだ?」 「ぼくはだれでもない。かつて名前はあったけれど、It can not be named anymore. だからぼくは“なにものでもない”んだ」 というラインです。
お礼
フォローいただきまして、ありがとうございます。 >「その名前は(使いたいのだが、自分は身分を隠しているので)もう名乗れないのだ」 という解釈が、一番自分の中ではすっきりと落ち着く感じがしました。 主人公は“皆の子”の意味の名前を持っていますが、 皆の期待を裏切ることになったので、自分はもうそう呼ばれる価値はないのだ、 というようなことを言いたいのかな?という理解に至りました。 ありがとうございました!