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二項係数の入った数列
「A,B,…のn人がそれぞれ a,b,… という 異なるカードを持っていたとする。 カードをシャッフルして再び配ったとき 始め持っていたカードと同じカードを持っている人が 一人もいないときの場合の数はいくつか?」 という問題を最近考えています。 n人のときの場合の数を a[n] としたとき a[1] = 0、a[2] = 1、a[3] = 2、… といった具合で、自分なりに漸化式 a[n] = (n!) - ( Σa[k]*nC(n-k) ) - 1 …(※) (Σは k=1 から k = n-1 までの和、nC(n-k) はCombination) にたどり着きました。 そこで、一般項を求めようとしましたがうまくいかず、 (※)からの類推で a[n] = n*a[n-1] - 1 n:odd …(1) a[n] = n*a[n-1] + 1 n:even …(2) らしいことがわかりました。 ■質問1■(※)式と(1),(2)式は同じものでしょうか? ■質問2■この数列の一般項はどのようになりますか? また、a[n] を n! で割ったものは 誰一人もとと同じカードを持っていない確率になりますが、 これが n→∞ で 1/e に収束しているようなのです。 ■質問3■この命題は正しいでしょうか? 暇なときで構いませんので、よろしくお願いします。
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すでにNo.1で参考URLが出ているのですが、おもしろい問題だなと思ったので、自分でも考えてみました。参考URLに載っていた漸化式a[n]=(n-1)(a[n-1]+a[n-2])についてはいまのところよくわからないのですが、rynさんのやり方ならわかったので回答してみます。 まず(※)の式ですが、便宜上a[0]=1としますと、 n!=ΣnCk*a[k] (Σはk=0~nについての和) と書くと意味がよくわかります。その意味は、 1からnまでの自然数の並び替えの総数はn!だが、 これは、n個の中からk個の数字を選んで、それらのみを完全に並び替えるような並び替えの総数 nCk*a[k] を、kが0からnまですべてについて和をとったものと同じである、ということです。この等式をE(n)と書くことにします。 n!=ΣnCk*a[k]・・・E(n) 質問1の回答: (1)、(2)の式はまとめると、 a[n]=n*a[n-1]+(-1)^n と書けることに注意してください。それを計算の都合上、 a[n]-n*a[n-1]=(-1)^n・・・(3) と書いておきます。 E(n) から(3)が導かれることを示します。 E(n)-n*E(n-1) を辺々計算すると、 n!-n*(n-1)!=Σ^{n}nCk*a[k]-n(Σ^{n-1}(n-1)Ck*a[k]) 0 = Σ^{n}nCk*a[k]-Σ^{n-1}(n*(n-1)Ck)*a[k] 0 = Σ^{n}nCk*a[k]-Σ^{n-1}(nC(k+1))*(k+1)*a[k] 0 = Σ^{n}nCk*a[k]-Σ^{n}(nCk)*k*a[k-1] 0 = Σ^{n}nCk*(a[k]-k*a[k-1]) を得ます。和はk=0~nです。ここで、簡単のため、x[k]=a[k]-k*a[k-1] とおきますと、この式は、 0 = Σ^{n}nCk*x[k] となります。これをnが0からnまでに渡って考えて、次のように全部で n+1個の等式を用意する。 Σ^{0}0Ck*x[k] = 0 Σ^{1}1Ck*x[k] = 0 ・・・・・・・ ・・・・・・・ Σ^{n}nCk*x[k] = 0 これは、未知数が、x[0],x[1],x[2],...,x[n]、の連立1次方程式で、上から順に未知数の数が1個、2個、3個、…と増えて行ってます。係数はすべて0ではないので、この連立方程式は、ただ一つの解しか持ちません。さて、ここで、2項展開の公式から次の式が成り立つのはご存知だと思います。 Σ^{n}nCk*(-1)^k = (1-1)^n = 0 これはどんなnについても成り立ちますから、(-1)^kが上の連立方程式の解であることがわかります。よって、 x[k]=(-1)^k、すなわち、a[k]-k*a[k-1]=(-1)^k が成り立ちます。これで(3)が導かれました。 質問2の回答: a[n]-n*a[n-1]=(-1)^n の両辺を n! で割ります。 (a[n]/n!)-(a[n-1]/(n-1)!) = ((-1)^n)/n! が得られます。これは階差数列の形なので、 a[n]/n! = a[0]/0! + Σ_{1}^{n}(-1)^k/k! a[0]=1 だったので、 a[n]/n! = Σ_{0}^{n}(-1)^k/k! と書き直せます。よって、求める一般項は、 a[n]=n!Σ_{0}^{n}(-1)^k/k! となります。 No.1の参考URLでも書いてあるように、a[n]/n!は、指数関数e^{x}のべき級数展開のn次の項までの式にx=-1を代入したものになっています。したがって、nが無限に大きくなると、e^{-1}=1/e に近づきます。 あとは、No.1の参考URLに出てきた漸化式a[n]=(n-1)*(a[n-1]+a[n-2])がどうして出てくるのかがわかれば完璧なのですが、ちょっとすぐにはわからなかったので、No.1の方教えてください^^;。ちなみに、a[n]=(n-1)*(a[n-1]+a*[n-2])から、(3)の漸化式はつぎのように導きます。 a[n]=(n-1)*(a[n-1]+a[n-2]) a[n]-n*a[n-1]=-a[n-1]+(n-1)*a[n-2] a[n]-n*a[n-1]=-{a[n-1]-(n-1)*a[n-2]} =・・・・・・=(-1)^{n-1}(a[1]-a[0])=(-1)^n
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- kony0
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すでにみなさん解釈が終わっているそうですが、漸化式の導き方は以下のとおり。 数列x[i]: i=1~nは、1~nまでの数字を“a[i]≠i for all i”として並べたものとします。(=「完全順列」という) x[1]=jとします。(j=2~n) 各jに対して 1) x[j]=1の場合→x[1],x[j]を除いたn-2個が完全順列をなす。 2) x[j]≠1の場合→x[k]=1となるkを考える(当然k≠j) →x[1]とx[k]を置換すると、x[1]=1, x[k]=j →x[1]を除いたn-1個が完全順列をなす。 という考え方です。
お礼
再度回答ありがとうございます。 少し悩みましたがこの考え方にも何とかたどり着きました。 それにしても、自然対数がこんなとこに出てくるとは面白いですね^^
- sokamone
- ベストアンサー率34% (11/32)
a[n]=(n-1)(a[n-1]+a[n-2]) の解釈やっとできました。もう理解されているということなので、もう書かないことにします^^。 なかなかおもしろい問題ですね。また、おもしろい問題があれば投稿してください。すごく勉強になりました^^。
お礼
先ほど回答を拝見させていただきました。 (n+1)本の連立方程式との比較に持ち込むあたり 全く思いつきませんでした。 kony0 さん、sokamone さんどうもありがとうございました。
補足
この問題関連で、n人がカードをシャッフルした後 何人がもとと同じカードを持ってるかの期待値はnにはよらず1人という結果になりました。 なかなか面白いですね。 ということは、全く勉強せずに臨んだテストで n個の空欄にn個の選択肢の中から選んで答える問題があって、 同じ選択肢は1度しか使えないようなときは ・全ての空欄に同じ選択肢を書く ・全ての空欄に異なる選択肢を書く の2つは期待値としては同じになりますね。 この数列は収束が早くて n = 5 くらいであれば 0点の確率はほぼ 1/e なので 6割のギャンブルに乗れる人は2点以上を目指すのもいいかも^^
- sokamone
- ベストアンサー率34% (11/32)
すみません。ひとつ書き間違えしてました。 No.2の文章中の Σ^{n}nCk*x[k] = 0 は、n>0の場合で、n=0のときは、 Σ^{0}0Ck*x[k] = 1 にしないといけません。
- kony0
- ベストアンサー率36% (175/474)
私も同じ問題を質問したことがあります。^^
お礼
回答ありがとうございます。 一応検索をかけてみたのですが、 見つからずに質問してしまいました。 名刺順列とかいう名前があったんですね。
お礼
回答ありがとうございます。 今、時間がありませんので後でじっくり読ませていただきますね。 それから、 a[n]=(n-1)*(a[n-1]+a*[n-2]) のほうの解釈も何とか理解できましたので、 あとで補足にでも書かせていただきます。 kony0 さんのほうが早いかな?