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対称行列 固有値 実根
n次実対称行列の固有方程式の解(固有値)がn個の実数となるのは、なぜでしょうか。 参考書など見てみましたが、記載されていないようで困っています。 簡単な証明や理論など、どなたかご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいです。
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- kup3kup3
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回答させていただきます。 (1) 実対称行列の固有値は全て実数です。 (2) n次実行列の固有値は複素数の範囲では重複度もこめてn個ある。 (1)は裳華房の佐武一郎著「線型代数入門」p152に証明があります。 次の様に証明できます。(x ,y)で普通の「内積」(x ,y)=Σxiyi を表すとする。 すると、(x ,y)=(y^t)x となります。^tは行列の転置を示しています。 ◎ Aが対称行列 ⇔ (Ax,y)=(x,Ay) for any x,y を使います。 今必要なのは → だけなので Aを3行3列位の 対称行列などとしてみて確認すればよいと思いますが、一応この本に したがい、「→」 だけ証明します。 ◎の「証明」は 「Aが対称行列 ⇔ A^t=A」だから (x,Ay)=((Ay)^t)x=(y^t)(A^t)x=((A^t)x,y)=(Ax,y) さて、(1)を証明します。 「証明」 Aは実対称行列とする。複素数βの「共役な複素数」をここでは ~βで表すことにする(例 ~(3+2i)=3-2iなど)と、行列 ~Aが考えられるが、 Aは実行列なので、 ~A=A ・・・(ア) Aの固有値をαとし、Ax=αx ,x≠0 としたとき両辺のバー(複素共役)をとれば ~A(~x)=~α(~x) (ア)から → A(~x)=(~α)(~x) ゆえに、(x,A(~x))=(x,(~α)(~x))=~α(x,~x) ・・・(イ) 一方 (Ax,~x)=(αx,~x)=α(x,~x) ・・・(ウ) ところがAは 実対称行列 なので、◎ から (Ax,~x)=(x,A(~x)) ・・・(エ) (イ)(ウ)(エ)から ~α(x,~x)=α(x,~x) ・・・(オ)となる。ここで、x≠0から (x,~x)=Σxi(~xi)=Σ|xi|^2>0 ゆえに(オ)から ~α=α ⇔ α は実数となる。 (ただし、xiはxの第i成分で 一般には複素数であって、 |xi|はその絶対値です。) (2) n次実行列Aの固有値は 行列式 |A-λI|=0 というλのn次方程式の 解なので複素数の範囲で重複度も含めてn個あります。(ガウスの定理) ゆえにAがn次の実対称行列ならばその固有値は(1)から実数なので 実対称行列Aの固有値は重複度も含めてn個あり全て実数となります。