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嬰と変
音楽で#は嬰記号、♭は変記号というのはもちろん知っています。しかしなぜそういうのでしょうか?別にどうでもいいことですが、考え出すと夜も眠れません(ごめんなさい嘘です)。そもそもシャープ、フラットもどうしてそういう名前なのでしょうか?下らない質問ですが知っている方がおられましたらよろしくおねがします。
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- alien55
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いやあ、なかなか回答が出ないですねえ。それもそもはず、この質問はけっこう「難問級」でした!daboさんから質問があってか ら私はこれについてずっと調べていて夜も眠れませんでした(半分ウソです)。実は100パーセント解ったわけではないのですが、 とりあえず判明したことのみ述べさせて頂きます。 まず、「嬰と変」および「フラットとシャープ」の話の前に、そもそもこれらの変化記号の起源から話したいと思います。 まず、11世紀イタリアの音楽理論家グイード・ダレッツォにより、中世音楽の基本となるヘクサコード(6音階)が体系化されました。 すなわち、『ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ』の6音ですが、これを「自然なヘクサコード」といい、『ソ,ラ,シ,ド,レ,ミ』を「堅いヘクサコ ード」、『ファ,ソ,ラ,♭シ,ド,レ』を「柔かいヘクサコード」と呼びました。「堅いヘクサコード」と「柔かいヘクサコード」の 違いは、シと♭シが異なること。この2つのうち高い音であるシをもつヘクサコードを「堅い」、低い音である♭シをもつ方を「柔か い」と表現したことがまず最初の段階です。つまり、「高い=堅い」「低い=柔かい」が「高める=シャープ」「低める=フラット」 に転じたのだろうと思われます。このような主観的な表現は、きっと音階の主音との微妙な音程のずれ(周波数比の相違)を表してい るのかもしれません。音波の振動数の概念が無かった昔では、このように表現するしかなかったのでしょう。 ちなみに「自然な」という表現から「ナチュラル(本位記号)」が生まれました。 フラット、シャープは英語ですが、イタリア語では、それぞれbemolle, diesisと言います。フラットの「bemolle」は、独語ではBe、 仏語ではbemolです。「moll」は、柔かいという意味のラテン語を語源としています。 以上のことから英語のflat,・sharpは、柔かい・堅いの表現が元となって、平たい・鋭いになったのでしょう。 ♭の記号はbemollあるいはbeの略記ではないでしょうか?(←注意:この1行は私の想像です) ところで、日本語の嬰と変は、もともと古代中国の音階「七声(しちせい)」が起源となっていることが解りました。七声は、 宮(ド)、商(レ)、角(ミ)、変徴(♭ソ)、徴(ソ)、羽(ラ)、変宮(シ) という風に現代の音と対応しているそうですが、変徴(♭ソ)が徴を低めたものであるところから、♭を「変」と言うようになったの では? 「嬰」はこの中国の七声から派生した日本の七声、 宮(ド)、商(レ)、嬰商(#レ)、角(ファ)、徴(ソ)、羽(ラ)、嬰羽(#ラ) が元となっています。もちろんこの音階が使われだした大昔には、今の12平均律など無いわけですし、例えば嬰商が商と半音の関係 にあることなどの認識は無かったはずです。西洋音楽を輸入するようになった最近になって、♭=変、#=嬰と決めたのでしょう。 結局、何故「変」「嬰」の漢字を用いるようになったのかは解りませんでした。(「変」の方は何となくうなずけますが、「嬰」はチ ンプンカンプンです。ごめんなさい。ちなみに「嬰」自体には生まれたばかりの子供とか、守るなどの意味があるそうです。) ♭と#、嬰と変・・・・いずれにしても、それらは古い音楽の習慣が残ったものであることは間違いないです。
お礼
回答ありがとうございます。気楽にお願いしたのが実はとても奥深い内容だったというのがわかりました。回答が私の音楽知識から非常に高級なレベルになってびっくりしています。古い音楽の習慣ですか・・・。まだまだ眠れない日々が・・・。