もっともな疑問だと思います。
>シャープやフラットが五つも六つもついてる曲は何が目的でそうしているのでしょうか。
これは僕が思うに、西洋音楽の楽譜が主にピアニストのためにあるからだと思います。
ピアノの鍵盤はハ長調の音列でならんでいます。
これを例えばヘ長調に移調しようとすると、B(シ)の音を半音下げる、という作業をするわけです。
だから調号はフラットが一つというわけですね。
ああややこしい…
だから、楽譜はそのままで、違うキーに移調して演奏するのは、それなりの訓練がいります。
こんなやり方をするのは西洋音楽だけです。
歌っている分には、ほとんどの場合、どこが♭だろうが♯だろうが、まったく関係ないのですからね。
例えば中国の数字譜の場合、ドが1、レが2、ということで数字になっており、最初にキーが指定してあります。そしてどんなキーでも即座に移調可能です。
でもいかんせん、西洋音楽がグローバルスタンダードになってしまっているので…
昔は今のような平均律(オクターブを12等分する、純な響きではないが移調がたやすい)ではなく、純正律(主要3和音が美しく響くが、他は濁るので移調は困難)でした。
ですからその頃は調が変われば著しく印象も変わったでしょうが、今は半音の音程が一定なので、「調性」はほとんど各々のイメージの世界ではないかと思います。
ちなみに僕は割と絶対音感がありますので、キーを聞き分けられますが、それぞれの固定のイメージはありません。僕がこだわるのは、曲、歌い方、音色などで、その後にキーが来ます。
日本でも以前、すべてのキーを同じ指使いで弾けるピアノが発売されました。でも普及しませんでした。
そりゃそうですよね、何百年もこれでやってきたんだから…
僕は五線譜を読むとき、調号はただのキーの表示ととらえています。
そう考えると、なんとも複雑で不便な記譜法ですよ。
よく仕事で書きますが、キーを変えると書き直さなければならないんですからね。
まあ、今はソフトで簡単にトランスポーズできますが(笑)
>極端な話、曲は全て長調だったらハ長調、短調だったらイ短調というわけにはいかないのでしょうか。
大賛成(笑)
それで楽譜の最初にキーを指定する。
でも多くのミュージシャンは対応できないでしょう。
お礼
ご回答ありがとうございます。 歌い手の声域に合わせている 演奏のしやすさを考えている いずれも納得です。 クラシックの音楽家のこだわりというのは私には難しくてよく理解できませんでしたが…。 大変参考になりました。ありがとうございました。