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境界のある2つの多様体の張り合わせ
- 2つの多様体M1,M2の境界をφで張り合わせた新しい多様体W=M1∪M2をつくることができる。
- 定理の証明では、境界の近傍U1,U2を取り、微分同相写像g1,g2を定義し、J1,J2,gによって座標近傍系が入り、M1∪M2が滑らかな境界を持つことが示される。
- 座標近傍系が定義できる理由は、J1,intM1,J2,intM2が開集合を覆うためであり、境界の張り合わせを滑らかにするためには座標近傍系が必要である。
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>Milnor.J Lectures on the h-Cobordism Theoremで この本を読むくらいだから,数学科のすくなくとも3年生以上でしょ? それなら,もっと考えてみましょう. Milnorの本は扱ってる内容が高度なのに記述が かなり分かりやすくていいのが多いのですよ. #characteristic classesなんかも面白い Milnorが一般的に記述してることを もっと具体的な「見える」多様体で図に描いたりしましたか? 例えば,球面S^2から円板D^1をくり貫いた境界つき多様体を 二個つくって,境界であるS^1どうしをMilnorの記述の通りに 張り合わせてみたり,メビウスの帯でやってみるとか. もっと単純なのだと「二つの線分」を張り合わせてみるとか. 一般論だと,まず M1∪M2 に「自然に位相が入る」のは 理解できてますか?そしてその位相で多様体になることを示すのです. J1(intM1)、J(intM2)、g(∂M1×(0,2))で M1∪M2 が被覆されるのもOKですか? J1(intM1)、J2(intM2)に座標が入るのは当たり前でしょう? これは結局M1とM2の内部に過ぎないのです. 問題なのは g(∂M1×(0,2))の点(pとしよう)での座標系だけ. これもカラーの性質を考えれば, pでの近傍はカラーとM1,M2の境界の近傍で表現できます。 pの近傍はM1側とM2側の近傍が合わさった形です. とにかく絵を描いてみればすぐわかります. intM1 ----------------------------- ここらへんがU1 -----------∂M1-------------- ↑ φで境界が微分同相 ↓ -----------∂M2-------------- ここらへんがU2 ---------------------------- intM2 張り合わせると intM1 ------------------------ ここらへんがU1 ------------------------上と下の間がg(∂M1×(0,2)) ここらへんがU2 ------------------------ intM2 こんな感じ.だから,真ん中の線の上の点の近傍は U1とU2にまたがるもので,座標系はそれぞれのものを合わせたもの. 座標変換もそれぞれのものを合わせて考えれば きちんと成立します. このときはずせない条件は「境界同士が微分同相」であること. まじめに式に書くとかなり煩雑になるのはわかるけど きちんと書いてみるとよいでしょう. この本を読もうってくらいだから,直接でてこなくても 多様体の基礎の議論(微分形式,場,埋め込み)や トポロジー((コ)ホモロジー,ホモトピー,基本群)は 抑えてるでしょうから,そいつらのときと同様に 絵を描いて考えればいいのです. #各種の束や被覆空間や層なんかも絵を描けば理解しやすい.
お礼
丁寧な回答ありがとうございます。 「具体的に見える多様体で実践する」のはいい方法ですね。 一度やってみます。 この回答を参考にしてもう少しじっくり考えてみます。