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群っていったい・・
ここのところ、「群」について勉強しています。 初っぱなから面食らっているのですが、 「集合Gが群をなすとは、任意のGの元 a,b,cについて (1)結合法則:(a・b)・c = a・(b・c) (2)単位元:e・a = a・e = e (3)逆元:a-1・a=e が成り立つこと」 とあります。 漠然とした質問で申し訳ないのですが、 (1) なぜ、こんなことを定義するのでしょうか!? (2) 導入なしにいきなり定義がきて面食らっているのですが、最初に群を考えた数学者はどういう必要性があって(実用問題?)こういうことを考えたのでしょうか?
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- tatsumi01
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皆さん回答なさっていますが、肝腎なことが抜けているようですので。 > (1) なぜ、こんなことを定義するのでしょうか!? これが現代数学の特徴です。 乗算や加算は誰でも知っていますが、その性質の本体を突き詰めて考えると、質問にある三つの性質に帰着します。 (4)交換法則: ab = ba が含まれていないことに気付かれたでしょうか。乗算では交換法則は本質的なものではないんです。ただし、加算も群を作りますが交換法則が成り立ちます。交換法則が成立する群を加群と呼びます。 誰でもしっている乗算の本質を突き詰めて、三つの法則に集約する。そして、今度は具体的な対象から離れて、この定義だけから何が言えるかを考える。何かの命題が導けたら、今度はその命題を具体的な対象に当てはめて考えてみる。これが現代数学の方法論だと思います。 似たような例でベクトル空間があります。高校では「ベクトルとは長さと方向がある量である」と習います。一方、大学の線形代数では、 「集合 V に属する任意の元 α,βと実数 c について、加法と実数倍が定義されており (1) α + β ∈ V (2) cα ∈ V が成立するなら V をベクトル空間と呼び、その要素をベクトルと呼ぶ」 と定義します。 そうすると、全ての実数の集合 R もベクトル空間です。こう説明すると学生は「ベクトルって方向のある量なんじゃないんですか。実数がベクトルだなんて納得できません」と言ってきます。 このように、ある対象から一旦離れて、その対象について成立する性質をできるだけ一般的に考えるのが現代数学の特徴の一つです。
- ojisan7
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「群」は数学のあらゆる分野で基本概念として必要になります。「群」の概念の成立の歴史については、下記URLに詳しく説明されています。「群」の概念は、19世紀初頭の幾何学、18世紀末の数論、18世紀末の代数方程式論が起源になります。Galoisの理論の意味を最初に正確に理解したのはBettiだそうですが、Bettiは「群」概念の重要性までは理解していなかったようです。抽象的な群の定義はJordanやHoelderなど多くの数学者の業績を受けて、最終的にCayleyによって定式化されたようです。
- HANANOKEIJ
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こんにちは、asa-hさん。大学の数学科(数理科学科)の学生以外で、群論を学習しようと決心されたことに驚きました。書店で群論の入門書、教科書を購入しても、ひとりで読んでいくのは、大変な作業です。ご苦労、想像できます。No.1さんの御紹介のページを読んでみたり、群論の話題をさがしてみてください。どんな数学の理論や概念も、現実の自然や社会に出発点があるものです。群の説明に、対称性をあげる人は多いでしょう。中学1年で学習する、線対称、点対称などです。図形の平行移動、回転移動などを使って、正多角形をその図形自身に動かす移動(変換)を考えると、群が目に見えてきます。掛け算九九の表のような、乗積表はでてきましたか? 「代数学のレッスン」雪田修一著サイエンティスト社という本に書いてありました。手許にもう1冊、「群論入門」国吉秀夫著サイエンス社があります。 大学2,3年の代数学の教科書でしょう。3単位分、しっかり内容があります。 学問は、なにごとも最初が難しいものです。お励みください。
- kabaokaba
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>(1) なぜ、こんなことを定義するのでしょうか!? なんで考えるのか?というのは 「便利だから」の一言につきます. よく知られている「実数の四則」というのは 計算の規則としてはかなり複雑なものです. したがって,ある演算が「実数の四則」と 同様に振舞うというのを示すのはかなりしんどいんです. それで,群というのは四則のうち「掛け算」を抽象化し, 「掛け算」というのが最低限どれくらいの 性質を持っていればよいのかを抽出したものです. 実際はもっと抽象化した「半群」なんてものもありますが 群を知ってれば半群の理解もそんなに困難ではないです. 群の定義の条件は3つしかないのでチェックするのが 普通は簡単なんです. ------------- 本当はもう一個,ある意味自明な条件,「演算の存在」 集合Gに対し,写像 f:G x G -> G が存在し f(a,b)をa・bと表記する というのが必要です. ------------- どんな演算でも群の定義の条件さえクリアしてれば 同時に処理できるというのがこの考え方の利点です. 何かの集合で「演算」を定義して,それが群の条件を 満たしていれば,それまで「一般の群」で成立していたものは 一気に成立するわけです. また,抽象化することで具体的なものの直観を廃して, 思いもよらない性質がわかることもあります. 逆に,わけがわからない演算に群の構造があることで 「普通の掛け算」の類推で話が進められるというケースもあります. 最初の定義の抽象さをぐっと乗り越えて 具体例をいじりながら,いろいろやってるうちに だんだん見えてくると思います. 一種のパズルみたいな雰囲気の中から すごい勢いで理論が展開していって圧巻ですよ. 数学ではこういう風に大上段にいきなり定義がきて, それからいろいろごそごそやるという論法が大変多いので 「懇切丁寧な導入なんてものはない」と考えるほうがいいです. 具体例は定義のあと,教科書になければ自分で作るか, (独学でなければ)先生に聞くかする必要があります. 群のあと「環」(と「加群」)「体」と進むのが普通ですが, この手の抽象的議論は延々と続きます. 群のうちに抽象性になれて,自分で手を動かせるように 練習しておくと代数系以外の数学でも役立ちます. >(2) 導入なしにいきなり定義がきて面食らっているのですが、最初に群を考えた数学者はどういう必要性があって(実用問題?)こういうことを考えたのでしょうか? で,最初に群を考えたのは誰か?とか必要性ですけど, 多分,言いだしっぺは「Galois」でしょうけども, この人,決闘で若くして亡くなってるので 「まとまった発表」となると誰なんでしょうね. 群論の研究は 「代数方程式の解の公式の探求」がスタートだというのは 多分間違いないです. 「解の公式」は2次,3次,4次までは存在します. ところが5次以上であるかというのが大きな問題でした. また「解の公式」というのは 「加減乗除とベキ根以外のものは使ってはいけない」 というルールがあります (このルールを外すと問題そのものの意味が希薄になります). で,どう考えたというと(以下,Galoisではなく Artinという人の枠組みに従ってます), n次代数方程式の解は とにかく「n個」あるので それをs1,s2,・・・snと書こう この「s1からsnをお互いに移しあう写像」の集合というのを 考えると,これが実はかなりいい性質をもった群になります. この群(Galois群っていいますが), この群の「構造」と「解の公式の存在」が密接に対応してるんです. #このあたりの話をGalois理論というのですが #これは「群論」ではなく「体論」のお話です. #Artinが線形代数の言葉で書きなおしてくれたので #非常に簡明に入門することができるので大変面白いです 群そのものは方程式の問題が故郷でしょうが, 実際の応用は,方程式だけではなく, 数学のほぼ全分野に及んでますよ. #数学だけじゃなかったりもします.
私は使いませんでしたが、量子化学に応用されています。
- N64
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私は、最近、市民大学で群とか体などを教わって、面白いな、と思ったのですが。普通の算術では、足し算と掛け算ができますが、群はそういった演算の種類が、一つしかできない場合、どうなるか、と言うことを、考えてみたのではないかと、想像します。当時、数学者の間では、いろいろな高次の方程式を解くことが、問題になっていたのではないかと、かってに想像するのですが、方程式を解くということは、結局、式の足し算や掛け算、移項、因数分解、極限値を求める、というようなこと、をすることであって、どういう操作を許せば、どれだけのことが可能なのだろうか、と考えたのだと、これもかってに想像しました。でもその結果、ガロアでしたっけ、その人が、解析的な方法では、何次以上の方程式は、解けないよ、と言うことを、論理的に証明してしまった、当時は、そういう意義があったのではないかと。大変いいかげんな、説明ですが。
- kakkysan
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