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R-加群の定義とその性質
- R-加群は行列の集合であり、和、差、実数倍によって元の形の行列になる性質を持つ
- R-加群を満たすためには、4つの法則を満たす必要がある
- 加法演算においての単位元は0行列と考えられる
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質問者が選んだベストアンサー
> 実数体とおっしゃっているのは、行列の成分がすべて実数という意味ですよね? そうではありません。 実数の集合は、加減乗除に閉じており(計算結果が集合からはみ出さない)、結合法則や交換法則や分配法則をもっています。このような代数的構造をもつ集合を体といいます。大雑把に書きましたから正しいところは調べてください。 実数の集合は体ですから、それを実数体といったりします。同じように、有理数体や複素数体があります。 ついでにいっておくと、行列の成分がすべて複素数である行列の集合も、実数体上のベクトル空間とみなすことができます。 もとの質問ですが、R-加群の正体が一般に使われる R-加群でないとわかったのだから、質問の意味が変わってくると思います。それでも私なりに答えますと、 1. よくわかりません。 おそらく先に、実数を成分とする2次正方行列の全体が R 上のベクトル空間であることを示していると思いますが、 | a 0 | | 0 b | の形の行列全体の集合が部分空間であることを示すには、ふつう和と実数倍がもとの形の行列になることを示します。 その部分集合がすでにベクトル空間の一部として演算や実数の作用を引き継いでいるわけですが、それがベクトル空間であるためには、演算と作用に閉じている必要があるのです。そのことを確認するのです。 差について確認する理由は、(加法群の部分集合が)加法群であることを示すためですが、この練習問題では必要ないと思います。しかしこれがあるということは、環上の加群についても本に書いてあるのかもしれません。 和と実数倍のかわりに差と実数倍を確認してもよいと思います。ですが、3つ確認する理由は私にはピンと来ません。 実数の作用と書きましたが、これはスカラーが実数といえばわかるでしょう。 2. 加法演算においての単位元は零行列です。加法群においてはふつう零元というと思います。 --- No.6 の回答の一部 > 蛇足ですが、R-加群と書いた場合、ふつう、回答者の皆さんが書かれている通りの反応が返ってくるでしょう。 を 蛇足ですが、R-加群と書いた場合、ふつう、回答者の皆さんが書かれているような反応が返ってくるでしょう。 に訂正します。
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- alice_44
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行列がベクトル空間をなすことを使うのは過剰で、 R-行列環がR-加群になることを使えば、 加群の部分集合が部分加群であるための条件として 加法とスカラー倍で閉であることを 確認すればよいことが解かる。
お礼
ご回答ありがとうございます。 おかげさまで解決いたしました。
- alice_44
- ベストアンサー率44% (2109/4759)
←A No.5 補足 石谷先生の本は、時代的なこともあり、 用語が今とは違うことがありますね。 名著「ε-δに泣く」も、収束のεδ式が 現在のものとは微妙に違うし。 「加群」の訳語も、当時はまだ 安定していなかったのでしょう。
お礼
はい。 お名前が出てしまいましたね。 そうです。石谷茂先生です。 大学の教養で極限を習ったときに先生がこの「ε-δに泣く」という本を紹介していました。 私は、この本の代わりに数学ワンポイント双書というシリーズの「数学での証明法」という本で ε-δを理解しました。 数学の先生はドクター取り立ての若い先生で、それはそれは深く丁寧に 教えてくれるもんだから 一体自分は何を勉強しているのだろう、という気持ちで数学の授業を 受けておりました。しかしながら一端理解してしまえば、ε-δも意外に簡単と思えたものでした。 まあ、今の気分は、「群、環、体に泣く」といったところでしょうか。(本当に泣く) ところで、石谷先生は、2009年の暮れにお亡くなりになったそうです。 合掌 しかし、ご回答をいただける皆さんは、本当によくこのような抽象的な分野の数学を理解されて おられますね。 尊敬いたします。
- hiccup
- ベストアンサー率27% (12/44)
割り込み失礼。 質問文からの引用ここから-------------------- 回答では、 成すといってよい。 和、差、実数倍もまた元の形の行列になることを言えばよい。 とありました。 --------------------質問文からの引用ここまで 回答とは、本にある解答のことですよね。だとすれば、この R は実数体だと思われます。実際、回答 No.1 に対するお礼から、どうやらそうらしい。 ならば、この R-加群とは、いわゆる実数体 R の上のベクトル空間です。この名前出したら質問1、2は解決するんじゃなかろうか? 蛇足ですが、R-加群と書いた場合、ふつう、回答者の皆さんが書かれている通りの反応が返ってくるでしょう。もし、K が実数体のときの K-加群と書いていたら、すぐに解決していたと期待します。 この回答はすでに出ている回答の成分でできているハズ。ただ疑問の解決に要らないものを除いただけのつもり。こちらの勘違いだったら笑って赦して。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >この R は実数体だと思われます。実際、回答 No.1 に対するお礼から、どうやらそうらしい。 ならば、この R-加群とは、いわゆる実数体 R の上のベクトル空間です はい。そのようです。 本の中に 「成分が実数であるベクトルの集合、すなわちベクトル空間はR-加群である。」 の一節がありました。 実数体とおっしゃっているのは、行列の成分がすべて実数という意味ですよね? そうであれば、そのとおりです。
- alice_44
- ベストアンサー率44% (2109/4759)
←No.2への補足 > 「加群というのは、加法についての可換群のことである。群は > 一般的に可換的ではないが、特に可換的なときに演算を加法であらわし、 > 加群と呼ぶのが慣用。したがって加群はことわりがなくても可換的とみてよい。」 悪い冗談としか思えないのですが、本職の数学者が書いて大手出版社から刊行 されている入門書の中にも、そのような記述がときおり見られます。 無知以外に形容のしようがありません。 もともと、"module" を「加群」と訳してしまったことに問題はあるのですが、これは 既に定訳だし、用語が紛らわしいからといって間違えてよい理由にはならない。 可換群のことを、「ある意味加法的な群」という意図で「加法群」と呼ぶことはあります。 非可換環を考えるときに、加法のほうは可換であることを意識するから、そういう言い方になる のですが、それと「加群」は別のものです。 「加群」の定義は、A No.2 のリンク先にあるとおり。 環 R を係数環に持つことを明示する場合は「R-加群」、係数環を明示しない場合は単に「加群」 と言うのです。黙って「加群」と言った場合にも、通常は「環上の加群」を意味しています。 > 環の理解をすれば、 自ずと、加群の理解(証明も簡単)そうですので 加群の定義には、「環」が登場せざるを得ません。 加群を理解するためには、環を(理解する…というのはオオゴトだとしても)知っておくことは 不可欠です。定義が読めないのでは、話になりませんから。 しかし、環さえ押さえてしまえば「自ずと」理解できるというものでもなさそうです。 今回質問の問題自体は、定義を確認するだけの極めて易しいものですから、 「加群」の定義(を成す公理たち)を眺めて、ゆっくり考えてみてはどうでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >悪い冗談としか思えないのですが、本職の数学者が書いて大手出版社から刊行 されている入門書の中にも、そのような記述がときおり見られます。 無知以外に形容のしようがありません。 筆者名は明かしませんが、筆者は「ε-δに泣く」という本も書かれた人です。大学の教養の極限で お世話になったかたも多いかと存じます。
- graphaffine
- ベストアンサー率23% (55/232)
質問の1行目---加群の定義がわかりません。 質問の5行目---R-加群をなすといっていいか? 質問したいのは、加群なのですか、R-加群なのですか。その辺の区別が曖昧なのが、 根本的な理解不足につながっていると思われます。 群と加群とR-加群は違います。そもそも、定義が違っているから当たり前ですが。 ただ、その違いが認識できていないのですね。なお、加群は群の一種、R-加群は加群の一種です。 No.2のお礼 >>「群」と「加群」は違いますよ。 >そうなのですか。 群の演算のうち、加法を使うもの、かつ可換であるものを 加群と呼ぶのかと思っておりました。 この文章では、質問者様が「群」と「加群」を同じものと思ってるのか、そうでないのか良く分かりません。実際は上に書いたように違います。 「加法を使うもの」と書くと、加法とは何ぞや、という突込みが入る可能性があります。 正確には、可換群であって、演算記号として+を使用しているものを加群と言う場合がある、と言うことで、特に必要がなければ単に群、或いは可換群という言葉で済ませる場合も良くあります。 >「加群というのは、加法についての可換群のことである。 これは、正しいです。ただ、より正確に言えば、「加法について」は上に書きましたように、演算が加法(+)で表されている、と言う意味ですが。 ただ、 >可換的なときに演算を加法であらわし、加群と呼ぶのが慣用。 これは、可換群の演算は加法で表すのが普通のように書いてありますが、実際にはそんなことはありませんので、筆者の単なる思い込みでしょう。 >ご指摘のリンクも参照しておりましたが、 新しく「環」という概念がでてきて よく分からなかったのです。 記号の混乱がありそうですね。一般に、R-加群と言う場合Rは環(と呼ばれる代数的構造)です。因みにRはRing(環の英語)の頭文字です。 これとは別に、実数全体の集合を慣習的にRで表します。ややこしい事に、こちらのRも環の一例となってますので、R-加群と言う場合にこのRが一般の環を表すRか、或いは実数の集合としてのRか、きちんと区別する必要があります。 ご質問は、後者の実数の集合Rについての話と思われます。 従って、 >新しく「環」という概念がでてきて よく分からなかったのです。 は、一般の環Rに対するR-加群の話はどうであれ、実数全体の集合Rに対して、R-加群が分かっていれば、この質問に関しては問題ないでしょう。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >記号の混乱がありそうですね。一般に、R-加群と言う場合Rは環(と呼ばれる代数的構造)です。因みにRはRing(環の英語)の頭文字です。 これとは別に、実数全体の集合を慣習的にRで表します。ややこしい事に、こちらのRも環の一例となってますので、R-加群と言う場合にこのRが一般の環を表すRか、或いは実数の集合としてのRか、きちんと区別する必要があります。 ご質問は、後者の実数の集合Rについての話と思われます。 はい。そのとおりです。質問のR-は実数を表すようです。 R-が環を表すというご指摘ありがとう ございます。R-加群でググると環上の加群ってのがでてくる理由がわかりました。
- fef
- ベストアンサー率64% (16/25)
ANo.1に補足します. > > 和とスカラー倍をどう定義しているかに依ります. > の意味がよく分かりません。 > 和は、単純に 行列の成分どうしの足し算 > スカラー倍というのは、実数と行列のかけ算 > という定義以外に何かございますでしょうか? 2次行列に対してほかの形で和とスカラー倍を定義したというのは私自身聞いたことがないですが, ただ,ほかの定義がないということも証明できないので,ANo.1のように書いた次第です. (別の定義を構成してみようと思ったのですが,すぐには無理でした.)
- alice_44
- ベストアンサー率44% (2109/4759)
質問文中のリンク先 http://www.suriken.com/knowledge/glossary/group.html が 「加群」の説明ではないことが気になります。「群」と「加群」は違いますよ。 R-加群の説明 ↓ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%8A%A0%E7%BE%A4 和、差、実数倍について閉じていることを示せば、 R-加群のそれ以外の要件は、行列環が環であることで既に満たされています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >「群」と「加群」は違いますよ。 そうなのですか。 群の演算のうち、加法を使うもの、かつ可換であるものを 加群と呼ぶのかと思っておりました。 というのは、加群の定義が 前述の本の中で 「加群というのは、加法についての可換群のことである。 群は 一般的に可換的ではないが、特に可換的なときに演算を加法であらわし、加群と呼ぶのが慣用。 したがって加群はことわりがなくても可換的とみてよい。」と書いてあるので、群の中で 加法演算、かつ可換のものを加群と呼ぶと思っていました。 この定義に従えば、 質問に書いた行列を 加群と証明するには、 "加法において可換な群"であると証明する必要があるように思ったのです。 従って 演算を加法に限定して群の公理が成り立つこと 可換であること を証明することが この行列が加群であることの必要十分条件だと思ったのです。 ご指摘のリンクも参照しておりましたが、 新しく「環」という概念がでてきて よく分からなかったのです。 ご回答から、環の理解をすれば、 自ずと、加群の理解(証明も簡単)そうですので、 がんばって環を理解しようとトライしてみます。
- fef
- ベストアンサー率64% (16/25)
その本をもっていないので断言はできませんが, とりあえず,答えられる範囲で述べます. 1. その本の中で定義した和とスカラー倍に対して, 2次行列全体の集合がそもそもR-加群になっているのではありませんか? その場合,部分系である問題の代数系においても, ・加法に関する結合法則 ・加法に関する交換法則 ・スカラー倍に関する結合法則 ・環Rの乗法単位元がスカラー倍の単位元であること ・分配法則 は自動的に満たされます. また,スカラー倍に関して閉じていることがわかれば, スカラー倍を用いて加法単位元や加法逆元を構成することができ, ・加法単位元の存在 ・加法逆元の存在 も言えます. したがって,結局,和とスカラー倍に関して閉じていることさえ言えば, 問題の代数系がR-加群であることは示せたことになるのです. 2. 和とスカラー倍をどう定義しているかに依ります.
お礼
ご回答ありがとうございます。 >2次行列全体の集合がそもそもR-加群になっているのではありませんか? たぶん、そうなのだろうと思います。 2次行列(に限らず、n次行列については) 加法について可換群であり、 実数Rを作用域にもつ(この表現はついさっき勉強しました。)のは (なんとなくですが)成り立つので、R-加群であると言い切ってしまっていいのでは と思います。 すみません、ご回答してもらってもうしわけないのですが、 > 和とスカラー倍をどう定義しているかに依ります. の意味がよく分かりません。 和は、単純に 行列の成分どうしの足し算 スカラー倍というのは、実数と行列のかけ算 という定義以外に何かございますでしょうか?
お礼
ご回答ありがとうございます。 おかげさまで問題が解決いたしました。 他に回答を頂いた皆様にもこの場を借りてお礼申し上げます。 正直この問題がこのようにたくさんの人が投稿するほどの問題とは思っておりませんでした。 それもこれも、私がR-加群の意味をはき違えて質問をしたためだと思います。 お詫びいたします。 他の方のお礼にも書きましたが、私はこの群という分野が非常に苦手です。 抽象的過ぎてイメージがわきにくいのが原因だと思います。 今回の投稿で 世の中には凄い人たちがいるのだと 改めて知った次第です。