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愛(あい)という言葉について
愛(あい)という言葉は音読みでしょうか? 訓読みでしょうか? また、日本では愛(あい)という言葉はいつ頃から使われたのでしょうか?
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【質問:愛という言葉】への私の回答をまとめました。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1457040 愛の漢音は「ai4」。ですから音読みは「アイ」。訓読みは「いと・しい」「お・しむ」「かな・しい」「め・でる」「まな」などです。 「愛(ai4)」という単語自体は、仏教経典・論語などの漢籍で日本には早くから伝えられていたでしょう。ただし用例としては儒教では主に「仁愛」などの用例で「いつくしむ」の意で。仏教では「渇愛」などの用例で「おしむ・むさぼる」の意で使用されることが多いです。 日本で「愛す」という他動詞的用語は、平安末期から広く用いられています。以下は古典にみられる「愛」という表現の一例です。 1 親子の情愛 ・『今昔物語』一-二十一(平安期) 「母、愛によりて悲しみて〔子ノ出家ヲ〕許さずして」 ・『太平記』二十九(室町期) 「親にも超えてむつましきは同気兄弟の愛なり」 2 人間、生物に対する思いやり ・『続日本紀』養老五年七月二十五日 (注養老五年=721年) 「仁、動植に及び(中略)孔周の風、尤も仁と愛とを先にし、李釈の教、深く殺生を禁ず」 ・『保元物語』(鎌倉期) 「その君の(中略)勝つことを求むる時は愛を兵にいたす」 3 愛着、執着、愛執 『菅家文草』四(平安期) 「愛を移されたる妾(こなみ)の、人前に哭くに似たり」 ・『性霊集』一(平安期) 「愛に纏はるること葛(かづら)の施(はびこ)るが如し」 4 愛欲、色欲 ・『今昔物語』二-十五(平安期) 「〔女の〕形端正なるを見て、たちまちに愛の心をおこして妻(め)とせむと思ひて」 5 気に入って大切にする ・『醒酔笑』八(江戸初期) 「慈照院殿愛に思し召さる壷あり」 6 人あしらいのよいこと ・『伊豆日記』(江戸期) 「若君は何時もの愛と思するにや」 また、キリスト教で解かれる「愛」と翻訳される言葉は「agape<長音>」であって、性愛や精神的な愛・情熱を意味する「love」や「eros」とは異なります。 なお、No.3の「『愛染明王』を日本に伝えたのは弘法大師」ですが、弘法大師の著作や『請来目録』(唐より持ち帰った仏典・仏具などの一覧)をひもといても、「愛染明王」に関する記述は見られません。日本における愛染信仰は空海以降に隆盛し、それも真言ではなく天台を中心に発展しますから、“空海が愛染明王を伝えた”というのは歴史的に見ると根拠は薄いです。 『佛教辭典』(大東出版社) 『岩波 古語辞典』(岩波書店) 『弘法大師 空海全集』第二巻(筑摩書房)
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- char2nd
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「愛染明王」を日本に伝えたのは弘法大師ですから、そのころにはすでにこの字があったということになりますね。 http://www.sakai.zaq.ne.jp/piicats/aizennZ.htm
お礼
早速の回答をありがとうございます。
- 2199
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恋愛という意味での愛ならば、明治時代に北村透谷がLoveを翻訳する際に造り出した言葉ではなかったでしょうか。
- silpheed7
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あいは音読み。訓読みはめでる、いとしい。
お礼
早速の回答をありがとうございます。
お礼
とてもくわしくありがとうございました。