古典翻訳:ホラティウスの書簡集一の二
You lose no time in taking out a fly,
Or straw, it may be, that torments your eye;
Why, when a thing devours your mind, adjourn
Till this day year all thought of the concern?
Come now, have courage to be wise: begin:
You're halfway over when you once plunge in:
He who puts off the time for mending, stands
A clodpoll by the stream with folded hands,
Waiting till all the water be gone past;
But it runs on, and will, while time shall last.
(著者:Horace. 書名:The Satires, Epistles, and Art of Poetry 英訳者:John Conington。1869年の訳)
試訳:
砂粒一つも、目に入れば、迷惑千万
さっと洗うのが、自然のの摂理。
これに逆らうは、心の澱み
ゴミ屋敷になって初めて、大あわて。
どこから手を付けていいか分からなくとも、
初めの一歩を踏み出せれば、片付の半分は終っています。
川を渡る時に、愚か者が、
川の水が尽きてから渡る、と言う様にならぬように。
川の水は、いつまでも、そしてこれからも、尽きる事はありません。
He who puts off the time for mending, stands
A clodpoll by the stream with folded hands,(改善を先延ばしにして、川縁で手を合す愚か者)の箇所は、あまりよく分からなかったのですが、「川を渡るのを躊躇してそうしているのかな~?」と勝手に想像して訳しました。他にも、今回はYou lose no time in taking out a fly,
Or straw, it may be, that torments your eye;の箇所なども、個人的に現代人は、目に蠅や藁が入るような生活をしていないので、大胆に「砂一粒も目に入れば」と変更し、Till this day year all thought of the concern?も、時間を訳さずに「ゴミ屋敷になって初めて、大あわて。」と実際に一年もなんもしなかったこうかな?とか想像して訳してみました。
そんなこんなんで、なんとかホラティウスの表現した情景を日本語でも表現しようと、大胆に今回は訳してみましたが、これでよかったのか、どうなのか、どうでしょうかね?
やはり、さすがホラティウスだと思う見事な表現ですが、皆様はどのように訳されますか? 翻訳例を教えてくださいませ。
お作品に優劣をつける事はできませんので、BAは選びませんが、よろしくお願い致します。
お礼
お久しぶりです、ご回答ありがとうございます。 ナカイさんとSPSさんが、ちょうど同じ時期に来れなくなっておりますので英語カテが、ちょっと寂しい感じです。(でも、お忙しい時はご無理をなさらないでください。) さて、お訳は流石ですね! >>「私とて一個の人間です。人に関わる事柄で、心引かれないことなどはございません。」 お訳を拝見して、私の訳の一番の問題点が分かりました。なぜ私の訳は『冷たい』のか分からなかったのですが、お訳の「心引かれない」の箇所から暖かい雰囲気を感じまして、「これが私の訳ではなかった!」と気が付きました。私のは「無関心ではない」なんて、上から目線過ぎます。(英語のはそういう文面でなぜか温かみを感じますが、、、。) やっぱりナカイさんの名文は心の栄養剤です。 今回も素晴らしい名文に出会えました。 私も最近どう言うわけかあまり名文に出会ず(実は、「自虐者」もほぼ読み終わっているのですが、第一幕以外に名文に出会いませんでした。)、質問も昔ほどしていませんが、また機会がありましたら名文をよろしくお願い致します。 では、今回もありがとうございました。