- ベストアンサー
ラテン語辞書の読み方 名詞の変化の種類を調べる方法
ラテン語辞書の読み方についてお伺いします。 seriesという単語を辞書で調べると http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?doc=Perseus%3Atext%3A1999.04.0059%3Aentry%3D%2343861 series (no gen. or dat.), em, ē, f. [2. sero] , a row, succession, series .... I. In gen. A. Lit. ...(略)... B. Trop. ...(略).. となっていますが、これからどのようにして第5変化名詞であることがわかるのでしょうか。 また、Lit. Trop. は何を意味するのでしょうか。 辞書の略語一覧を見てもわかりませんでした。 よろしくお願いします。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
どの変化なのか知りたいのに属格形が載っていないというのは確かに不親切な気もします。*(推定形を表す)をつけてseieiという属格形をあげてもいいかもしれません。ラテン語の辞書としてもっとも権威があるOxford Latin Dictionaryはseieiという属格形を挙げています。挙げるのが問題であれば、松平・国原「新ラテン文法」の巻末語彙集のように(5)と書いて、第五変化であることを明示するのが親切でしょうね。同書の第五変化の説明のところを見ましたが、やはりこの変化をする名詞の例の中にseriesも挙げられていますね(p.147)。近代のラテン語を調べるのであれば研究社の「羅和辞典」が役に立つかもしれません。seriesを引くと、この辞書にも属格形serieiが載っていました。 ラテン語には活用の点で変な名詞がいろいろあります。vicisなんていう語は何と主格形がありません。 Perseusの辞書で引くと vicis (as a gen.; the nom. does not occur), vicem, vice; と出ています。主格形がなく、vicisが属格で、vicemが対格、viceが奪格です。
その他の回答 (3)
- melechjapani
- ベストアンサー率57% (31/54)
「一般に辞書などで、名詞の種類を示すには、見出しの次に属格単数形をあげることになっている」 そのとおりです。ただしseriesに関しては、単数属格が文献に残っていないのであげることができないというのがペルセウスでリンクした辞書の主張です。 主格以外に属格も表示する理由は2つあります。ラテン語の場合属格だけが、5つの名詞変化がそれぞれ異なる形を持っているので、属格を表示すればその名詞の変化パターンがわかるのです。また、主格とそれ以外の格で語幹が異なる場合、主格と並んで主格以外の語幹を示す必要があるからです。 例えば道のりを表すラテン語はiter(中性名詞:単数主格)ですが、単数属格はitineris、複数主格はitineraです。つまり他の活用形がitiner-という語幹を持つことになります。辞書のこの語を記載する場合、単数形主格と名詞の性のほかに単数形属格を示せば、iterの全活用を知ることができます。
お礼
大変よくわかりました。ありがとうございます。 (no gen. or dat.) が属格と与格がないという意味なのですね。活用の見分け方も理解できました。
補足
皆様のご回答すべてが役に立ちましたので、良回答と次点をつけるのが不可能ですので、放置したままになっていましたが、一応締め切らないといけないシステムのようですので、ポイントをつけさせていただきます。私としましては回答をいただいた全ての方に感謝しております。ありがとうございました。
- Big-Baby
- ベストアンサー率58% (277/475)
文法書には第五変化名詞の例としてよくseriesが載っているのですが、確かにおっしゃられるように、辞書を引いただけではこの語が第三変化か第五変化かの区別がつきにくいですね。ただ、対格が-em、奪格が-e^(長音のe)となっているので、多分第五変化だろうと推測はできます。なぜなら第三変化名詞の奪格語尾はたいてい単音のeなので、長音のe^(エー)で終っていれば、第五変化の可能性が高いのです。(第三変化名詞でも奪格が長音のeになることもたまにはあります)
お礼
どうもありがとうございました。大変よくわかりました。-emが対格で-e^が奪格なのですね。これは常識なのでしょうか。 私がもっている文法書「新ラテン文法(松平、国原著)」には 「一般に辞書などで、名詞の種類を示すには、見出しの次に属格単数形をあげることになっている」 と書いてあるのですが、この情報は誤りでしょうか。 お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いします。
補足
皆様のご回答すべてが役に立ちましたので、良回答と次点をつけるのが不可能ですので、放置したままになっていましたが、一応締め切らないといけないシステムのようですので、ポイントをつけさせていただきます。私としましては回答をいただいた全ての方に感謝しております。ありがとうございました。
属格、与格を欠く名詞の場合第3変化i幹(例えばnubes)か第5変化か迷うところですね。文献に複数奪格で*seriibusという形が現れず、seriebusの形のみ見られる、だから第5変化という判断をするしかありません。 また略語はLit.=Litteral(y)(字義通りの、本来の意味の) Trop.=Tropological(y)(比喩的な)です。 設問の引用中、(略)となさっておられますが、A. Lit.の項には series vinculorum(一本の紐) structurae dentium(歯並び)などの実体のある「もの」を表す名詞の属格がseriesを修飾する場合の用例が挙げられており、B. Trop.の項にはA.より抽象的な意味の語句を伴った用例が区別して列挙されています。
お礼
どうもありがとうございました。大変よく理解できました。seriesという単語が第5変化かどうかは文献から判断するしかないと思うのですが、素人の私としては辞書に5とか3とか変化の種類が書いてあるはずだと思ってました。
補足
皆様のご回答すべてが役に立ちましたので、良回答と次点をつけるのが不可能ですので、放置したままになっていましたが、一応締め切らないといけないシステムのようですので、ポイントをつけさせていただきます。私としましては回答をいただいた全ての方に感謝しております。ありがとうございました。
お礼
再度、ご回答をいただきありがとうございます。 「やはりこの変化をする名詞の例の中にseriesも挙げられていますね(p.147)」 すみません、思いきり書いてありますね。私の勉強不足でした。まだ松平・国原「新ラテン文法」は拾い読みしかしておりませんでした。別の文法書(河底著「ラテン語入門」)を通読したのですがそれだけでは辞書の引き方がわからず、辞書の引き方が載っている松平・国原「新ラテン文法」を見つけてきたというわけです。言い訳を長々と書いてすみません。 ラテン語の活用や他の辞書との比較なども教えていただき、大変勉強になりました。 ここでアドバイスをくれた皆様のおかげで先に進めそうな気がしてきました。本当にどうもありがとうございました。