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オデッセイア第二章:最高のワインを
- トロイア戦争から20年ほど帰還していないイタカ島の王である父(オデッセウス)を探しに王子テレマコスが旅に出る準備の一部を描いた一場面。
- 乳母に頼み、旅用の壺に最高の葡萄酒を入れるよう命じるが、その葡萄酒は父が帰ってきた時のためにとっておき、旅に持っていくのは二番目の葡萄酒。
- 著者のホメロスによる優れた古典翻訳作品であり、オデッセウスの帰還を待ちわびる家族の心情を描いた場面。
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ねえ、婆や、旅に持って行く小型の酒袋にあの歳を経た、味のいい、のを入れといてよ。哀れな親父が、死神の手をすり抜けてひょっこり帰って来た時のための取っておきのあれ、あの次にいいのをね。
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- Nakay702
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お二人のお訳、いつもながらお見事ですねえ。ということで、私なんぞのつたない訳の出番ではないと思い、投稿は控えるつもりでした。ところが、乳母(エウリュクレイア)が関わることで、より感動的な場面(第19巻)が目につきましたのでそれについて触れたくなりました。 オデュッセウスが、旅人を装って妻ペネロペイアに近づき、自分はかつてよく似たオデュッセウスという人を歓迎したことがあるとの作り話をする。ペネロペイアは夫を慕って泣く(オデュッセウスは彼女の貞節を知る)。オデュッセウスは彼の帰還を予言して慰める。ペネロペイアの命で、老婆エウリュクレイアが旅人の足を洗う。足の傷跡を見て、主人であることを知って驚く。… 以下は、新河出書房新社ばん(田中秀央訳)からの引用です。 《「誠に愛児よ、あなたはオデュッセウスです。わたしはわたしの主人の身体をあちこち触れるまでは、あなたであることが分かりませんでした。」そう言って、彼女は、夫が今や帰還したことを目配せしようとして、ペネロペイアの方を見た(しかし、オデュッセウスに制止される)。》
お礼
ご回答ありがとうございます。 私はナカイさんのお訳を楽しみにしておりますよ。 ところで、ナカイさんもオデッセイアを既読済でしたか!私も20年位前に一度読んだことがあるのですが、再び読み始めてみるとまた違った味わいがあります。 求婚者達が勝手に家畜を食べてしまう事からテレマコスが困っているのですが、何年にもわたって食べられている割には、家畜がいつまでもありますよね、「もしかしかしてすごい搾取してたんでは?」とか思うと、どちらに味方したものか悩むところです。 >>老婆エウリュクレイアが旅人の足を洗う。足の傷跡を見て、主人であることを知って驚く。 イノシシに刺された傷跡ですね。 それにしても、昔の20年は長かったんでしょうねえ、現代の20年だったらそんなに判別がつかないほど見た目も変わらないと思うのですが。 >>「誠に愛児よ、あなたはオデュッセウスです。わたしはわたしの主人の身体をあちこち触れるまでは、あなたであることが分かりませんでした。」そう言って、彼女は、夫が今や帰還したことを目配せしようとして、ペネロペイアの方を見た(しかし、オデュッセウスに制止される)。 ここも感動の場面ですね! 誰かに気づかされるんじゃなくて、自分で気づいて欲しいというオデュッセウスの気持ちも分かります。しかし、思い出話とかじゃなくて「弓」と「寝所の秘密」というのが今思うと、、なんといいますか、「気づくとこ、そこ~!?」とか思ったりもします。 どうも、ご紹介ありがとうございました。また、宜しくお願い致します。
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
#1です。補足です。 ヨーロッパの旅行用にワイン入れは、ルカ伝5。38にある様に、革製の袋です。それで、ここでも「酒袋」としておきました。 https://www.google.co.jp/search?sa=N&source=univ&tbm=isch&q=%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91%E3%81%AE%E6%98%94%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%92%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%97%85%E8%A1%8C%E7%94%A8%E7%9A%AE%E8%A2%8B&ved=2ahUKEwjMq-HU9qnwAhWVGc0KHdwEChkQjJkEegQIBRAB&biw=1920&bih=821#imgrc=SneWScinKiU_vM
お礼
ご回答ありがとうございます。 なるほど、確かに皮袋に飲み物を入れている描写は欧州系の時代劇で見たことはあります。 実際にどの容器だったのかは、ご存じの通り、古典好きだけど歴史弱者の私には分かりません。 ただ、イメージ的にギリシアと言うと壺のイメージがあり私はそこで壺と訳しました。(本当はどっちなのか分かりませんけど。)
お礼
ご回答ありがとうございます。 いつもながらSPSさんは本当に文章が上手ですね! >>ねえ、婆や、 こっちだったなと思いました。 我々一般人はもちろん召使いなんぞ、普段家にいませんので、なんと呼びかけるのかなんともハッキリしません。そこで適当に質問文では書きましたが、「爺や、婆や」という呼びかけを小説かテレビでお金持ちの少年が言っていたのを思い出しました。とっさにでてくるとはさすが、SPSさんですね! >>旅に持って行く小型の酒袋にあの歳を経た、味のいい、のを入れといてよ。 こんな頼まれ方したら、ついつい一番いいのを入れちゃいたくなりますよ。 なんという味わいのある文章!!! >>哀れな親父が、死神の手をすり抜けて 「哀れ」でしたね。 不運、不幸、、など頭の中で思い浮かびながらも、「なんか違う、でもこれでいいのかな?」とか思いつつ私は書いたんですけど、SPSさんは毎回ピッタリの言葉を見つけるのがお上手ですね! the deadly spiritsの訳語については、これもこういう方面に詳しくないもので、分かっていても訳語が出てこないと思っていました。おもえば「死神」が一番ピッタリの表現ですね。 >>ひょっこり帰って来た時のための取っておきのあれ、あの次にいいのをね。 「取っておきのあれ」を見た瞬間にまた、「これだった~~~~~!!!」と思いました!! 本当にSPSさんの文章は味わいがありますね~! 行間からうかがえる優しさのようなものも感じられて、これぞ「名文」と思いました! 本当に好きな文章に出会った時に自力で日本語でも名文にできないので、名文にしていただけて助かります。 また、宜しくお願い致します。