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古典翻訳:ホラティウスの書簡集一の一

To fly from vice is virtue: to be free From foolishness is wisdom's first degree. Think of some ill you feel a real disgrace, The loss of money or the loss of place; To keep yourself from these, how keen the strain! How dire the sweat of body and of brain! Through tropic heat, o'er rocks and seas you run To furthest India, poverty to shun, Yet scorn the sage who offers you release From vagrant wishes that disturb your peace. ((HoraceのEpistlesの1の1より) 拙訳: 善行とは、悪を行わぬこと。 至高の知恵とは、愚かさを離れること。 しかるに人が心底恥ずべき事態と言えば、 住居の喪失、財産の喪失が思い浮かぶ。 そんな事態を避けるため、尻に火が付いた時の人間の力ときたら! 海を越え、山を越え、艱難辛苦もなんのその、 たとえ地の果てインドまで、そうしてまでも貧乏だけは避けたがる。 しかし、愚かしい栄誉を諫める賢者の格言は、 鼻で笑って、気にもせぬのは困ったものだ。 自分で訳してみたものの、どうも初めの2行の表題から、3行目に移るために説明口調になってしまい、終わりの2行の愚痴(?)につなげる必要からまた説明調になってしまいます。どうも、ホラティウスの気持ちのいいテンポを保てずに訳してしまいました。 折角のホラティウスの格言を日本語でも味わえるように皆様の翻訳例を教えていただけませんか? BAは、いつものように選びませんが、よろしくお願い致します。

みんなの回答

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.4

「質問者からのお礼」ありがとうございます。 >体調を崩していまして、お礼が遅れて申し訳ありません。 ⇒お体優先です。お互い気をつけましょう! まして、このご時世、私など「コロナで死者何名」などと聞くたびに、「明日はわが身」と思われてなりません。 >≫Think of some ill you feel a real disgrace, 恥ずべき悪徳の業あまたあり、 The loss of money or the loss of place; 財貨の損失、地位の喪失、懺悔せり。 >ここは、解釈が割れましたね!(…)私はホラティウスは、「お金や家もしくは地位のことで思い悩むなど(美徳にを極める事に比べたら)くだらない事、」だと考えているように感じました。(ゆえに賢者はそれから解放させてあげようとしているのに、あくせく金の奴隷になりおって、、みたいな感覚かなと、、。) ⇒お説のとおりと思います。ありがとうございました。(私訳第2弾で訂正考えます。) >≫To keep yourself from these, how keen the strain! 脱却を願いて張るは気力! How dire the sweat of body and of brain! 込めるは身力、働かす知力! >ホラティウスのリズム感と見事な芯をついた物言いが好きなんです ⇒それに、片言隻句に円満な人間性みたいなものを感じさせますよね(と私は、多くを知りませんが、思います)。さすが、桂冠詩人。ホラティウス自身も立派だと思いますが、父親が偉かったようですね。(奴隷から解放されたというみじめな思いから、息子には同じ思いをさせるまいと、教養教育に力を入れて育てたようで…)。 >≫Through tropic heat, o'er rocks and seas you run酷暑、岩山、海原越えて To furthest India, poverty to shun,貧窮捨てんとインドを目指して、 >リズム感を出しつつ、味わいがある言葉も選び ⇒原文が、翻訳であるにも関わらず実に見事な脚韻を踏んでいることに驚嘆しましたので、何とか同じ伝の押韻で訳したいと思いました。 >≫Yet scorn the sage who offers you release汝、解放の手をさし延ぶる賢者を拒むや From vagrant wishes that disturb your peace.安寧を乱す彷徨の妄執に留まるや。 >説明調にならなくてもこうつなげられるとは考えもしませんでした! ⇒ちょっと、言葉か硬すぎるように思っています。改善できますでしょうか? 私訳第2弾(微調整)です。ご指摘いただいたところ以外は変わりありませんが、一応全体をまとめて下記いたします。 悪徳を去りて美徳に入るは自由のはじめ 愚行を去りて善行に入るは智慧のはじめ。 恥ずべき、悪徳の業を思わん、 財貨の損失、地位の喪失何かせん。 脱却を願いて張るは気力! 込めるは身力、動かすは知力! 酷暑、岩山、海原越えて 貧窮捨てんとインドを目指して、 汝、解放の手さし延ぶる賢者を拒むや 安寧を乱す、彷徨の妄執に留まるや。 おかげ様で、今回も心が「おいしい」を言ってます! ありがとうございます。 また、よろしくお願いいたします。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >>お体優先です。お互い気をつけましょう! ありがとうございます。 >>それに、片言隻句に円満な人間性みたいなものを感じさせますよね そうなんですよ! 短く、リズムも考え、深い味わいがある詩を書くとは、本当にすごいもんですよね。 >>原文が、翻訳であるにも関わらず実に見事な脚韻を踏んでいることに驚嘆しましたので、何とか同じ伝の押韻で訳したいと思いました。 私も理想はそうなんですけど、日本語で再現は難しくて、さすがナカイさんです。 >>私訳第2弾(微調整)です。(…) 恥ずべき、悪徳の業を思わん、 財貨の損失、地位の喪失何かせん。 今回もまた、なんという奥の手を!!! 私は絶対に、説明調にならずに訳すのは無理だと思っていましたのに、このような言葉選びさえすれば、なんと、「脚韻を踏みつつ」、「説明調」にもならずに、心地よい響きを維持したままで、訳す事ができるのですね!!! 今までお世話になっておりますし、ナカイさんの文章の技術力は、何度も拝見しておりますが、まだまだ「引き出し」を沢山持っていらっしゃるようですね! 流石ですね、今回も勉強になりました! 美しい文章で、心が綺麗になる名文を味わう事ができました!  また、よろしくお願い致します。

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.3

 #1です。補足です。 >>>>全く恥ずかしい悪いことを考えて。  金や位をなくしたりさ。 >>ところで、解釈に関してはこの箇所は意見が割れましたね。私は、冒頭のThink は、命令文としての動詞の原形。 a real disgrace(面目を保てない事態),の同格としてThe loss of money or the loss of placeでした。  僕も命令文と思ったのです。そこで、「考えてみろ」とか「考えて見てください」とか後で決めようと「考えて」まで書いて、先へ行ってしまい、そのまま送ってしまいました。御免なさい。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >>後で決めようと「考えて」まで書いて、先へ行ってしまい、そのまま送ってしまいました。 英語力自体はSPSさんの方が上ですので、どうしたのかなと思っておりました。納得です! ちなみに、私もよくしちゃいます。 #1でのお礼の際にも申しましたが、Through tropic heat, o'er rocksを後回しにして、後で訳を考えるつもりで忘れて質問文を投稿しちゃいましたし、、、。 いつもSPSさんのご回答は勉強になりますので、今後ともよろしくお願い致します。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10005/12514)
回答No.2

 楽しい話題をありがとうございます。以下のとおりお答えします。 私試訳: To fly from vice is virtue: to be free 悪徳を去りて美徳に入るは自由のはじめ From foolishness is wisdom's first degree. 愚行を去りて善行に入るは智慧のはじめ。 Think of some ill you feel a real disgrace, 恥ずべき悪徳の業あまたあり、 The loss of money or the loss of place; 財貨の損失、地位の喪失、懺悔せり。 To keep yourself from these, how keen the strain! 脱却を願いて張るは気力! How dire the sweat of body and of brain! 込めるは身力、働かす知力! Through tropic heat, o'er rocks and seas you run酷暑、岩山、海原越えて To furthest India, poverty to shun,貧窮捨てんとインドを目指して、 Yet scorn the sage who offers you release汝、解放の手をさし延ぶる賢者を拒むや From vagrant wishes that disturb your peace.安寧を乱す彷徨の妄執に留まるや。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 体調を崩していまして、お礼が遅れて申し訳ありません。 >>To fly from vice is virtue: to be free 悪徳を去りて美徳に入るは自由のはじめ From foolishness is wisdom's first degree. 愚行を去りて善行に入るは智慧のはじめ。 むむむ、なんという引き寄せられる冒頭文! そういえば最近、吉田松陰全集をチラッと読んだのですが、なんとなくナカイさんの文章と似ていました。 >>Think of some ill you feel a real disgrace, 恥ずべき悪徳の業あまたあり、 The loss of money or the loss of place; 財貨の損失、地位の喪失、懺悔せり。 ここは、解釈が割れましたね! と言っても、ご存じの通り「私は、古典を愛す、歴史弱者。」なので、本当の所は知りません。しかし、私はホラティウスは、「お金や家もしくは地位のことで思い悩むなど(美徳にを極める事に比べたら)くだらない事、」だと考えているように感じました。(ゆえに賢者はそれから解放させてあげようとしているのに、あくせく金の奴隷になりおって、、みたいな感覚かなと、、。) >>To keep yourself from these, how keen the strain! 脱却を願いて張るは気力! How dire the sweat of body and of brain! 込めるは身力、働かす知力! 英文のリズム感をそのままに和文でも再現できてしまう技術力はあいかわらず流石だと思いました。 私も、ホラティウスのリズム感と見事な芯をついた物言いが好きなんですが、日本語でリズムを再現するのは難しくて、、、。お手本のような、お作品をありがとうございます。 >>Through tropic heat, o'er rocks and seas you run酷暑、岩山、海原越えて To furthest India, poverty to shun,貧窮捨てんとインドを目指して、 ナカイさんもお見事にrocks を訳しましたね!SPSさんのお訳もお見事だと思いました。私は、出てきそうで訳語が出てこず、推敲しつつ、あとでこの行を訳そうと思っていたのですが、忘れて投稿してしまいました。 個人的には、一番難しかった箇所です。(「海、岩、暑さ」をうまい事一行にまとめられなくて、、、。) それをナカイさんは、ここまでリズム感を出しつつ、味わいがある言葉も選び流石だと思いました。 >>Yet scorn the sage who offers you release汝、解放の手をさし延ぶる賢者を拒むや From vagrant wishes that disturb your peace.安寧を乱す彷徨の妄執に留まるや。 私がこの前の行からここに繋ぐのに苦労したこの難関箇所をあえてこう訳しましたか! 「拒むや」でつなげるとは考えましたね! 説明調にならなくてもこうつなげられるとは考えもしませんでした! さすがナカイさんですね! いくつもの奥の手を持っていらっしゃいます! 言葉選びもいつも流石だな、と思っております。 今回も、勉強になりました。 また、よろしくお願い致します。

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.1

 悪いことから逃げるのは、いいこと。  くだらないことをしないのは知恵の始まり。  全く恥ずかしい悪いことを考えて。  金や位をなくしたりさ。  こんなことならないようにするにはいつも気を張るし、  体は汗びっしょり、頭はこき使う。  南の方の暑さの中を岩や海を超えて遥か遠くの天竺へ、  貧しさを逃れようと行っても  煩わしさから解き放してくれる方々を拒むことになる。  あなたの静かな心を破るさまよえる願いより。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >>悪いことから逃げるのは、いいこと。  くだらないことをしないのは知恵の始まり。 冒頭から、SPSさん特有の温かみがある言い回しですね!やはり、格言とは誰かの人生の役に立ってほしくて言うものであって、「自分の方が賢いぞ!」と自慢げに言うものではないのですから、こういう温かみが欲しいものだと感じました。私も理想はこんな文章を書けるようになることです。 >>全く恥ずかしい悪いことを考えて。  金や位をなくしたりさ。 やはり、絶対的にSPSさんの文章は、やさしいですね。 私も、目指すものはこのように、そよ風のように響く格言なのですが、まだまだ私の中に煩悩があるのか、今思えば、残念ながら、私の訳はちょっと上から目線でしたね。 ところで、解釈に関してはこの箇所は意見が割れましたね。私は、冒頭のThink は、命令文としての動詞の原形。 a real disgrace(面目を保てない事態),の同格としてThe loss of money or the loss of placeでした。 >>こんなことならないようにするにはいつも気を張るし、  体は汗びっしょり、頭はこき使う。 やはりSPSさんは、言葉選びの天才ですね。私は英文を読んで思い描いている情景があるのですが、毎回私の訳はその情景とはかけ離れた情景になぜかなってしまい、、、歯がゆい思いをしているのですが、SPSさんの訳のお陰で、「これだった!」と幾度も正解を見つけられて、嬉しい気持ちです。 今回も「これだった!」と、思いました。 >>南の方の暑さの中を岩や海を超えて遥か遠くの天竺へ、  貧しさを逃れようと行っても きっと世界の果てのような意味合いでインドと言われているんでしょうけど、現在のインドはそうでもないので、どうしたものかと思っていました。 「天竺」という言葉を聞いた途端に、「そういえば昔は日本でもインドは遥かかなたの世界の果てのような国だった。」と思い出しました。「天竺」とはこの文脈でピッタリの表現ですね。「岩や海を超えて」の箇所も本当に日本語で原文と同じ感覚に読めるようにする言葉選びが流石だと思いました。(ちなみに、私の訳に岩等の箇所がないのは推敲している最中に誤ってその行を消してしまったようです、、、。とは、いえもともとその箇所は自然な文章に訳せなかったので、よいのですけど。) ただSPSさんは、poverty to shunを最後の2行につなげたのですね。私はそこで区切っていました。 >>煩わしさから解き放してくれる方々を拒むことになる。  あなたの静かな心を破るさまよえる願いより。 releaseの訳語が私はどうにも出てこなくてあのように訳しましたが「解き放す」がピッタリですね。 やはりこちらでも、言葉選びがお上手ですね。「煩わしさ」もまさにこの言葉なら情景が英文と同じになると思いました。your peaceも、「静かな心」と訳すとはなんというヒラメキだと思いました。(ごらんの通り、私は適語が出てきませんでした。) ところで、最後の箇所ですが、私はrelease From vagrant wishes that disturb your peace.と、つなげて読みました。 本当にSPSさんのお作品にはいつも癒されます。そして、お訳では一つ一つの言葉がもっとも輝ける場所に配置されているようで、いつもさすがだなと思いました。 今回も勉強になりました。 また、よろしくお願い致します。

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