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古典翻訳:オデッセイア第四巻 「旅は情け人は心」

感情豊かな古代ギリシア人達は、「怒りながら、心温まるセリフ」を言うのですが、どうも私にはそれを日本語で表現ができません。皆様の翻訳例を教えて頂けませんか? 場面としては、父オデッセウスを探しにでたテレマコスがスパルタ王メネラウスなら何か知っているのではないかと、訪ねようとするのですが、それを見たメネラウスの使いの者は(まさかイタカ島の王子であるテレマコスとは知らず)「どこの馬の骨とも知れんやつらをが来ましたけど、どうしますか?」となんともでメネラウスに伺いを立てます。 それを聞いたメネラウスの反応が以下のセリフです。怒りながらも、なんかホッとするセリフがいいなあと思います。 “Never a fool before, Eteoneus, son of Boëthous, now I see you’re babbling like a child! Just think of all the hospitality we enjoyed at the hands of other men before we made it home, and god save us from such hard treks in years to come. Quick, unhitch their team. And bring them in, strangers, guests, to share our flowing feast.” (出典:Homer. 書名: The Odyssey (Penguin Classics Deluxe Edition) 出版:Penguin Publishing Group. ) 一応私の試訳:「ボエトスの子、エテオネウスよ、いまだかつて愚かな事を言ったことがないそなたが、年端もいかぬ子供のように浅はかな事を言うとは、なんたることか! トロイアからの帰路に人々からどれだけの親切をから受けたか忘れたのか!おお神よ、我らが二度とあの苦難に満ちた旅路を味わう事がありませぬように。今すぐ行って、繋いであるその旅人らの馬を解き連れて参れ、そして我らが宴に招くのだ。」 皆様の翻訳例を教えていただけますか? よろしくお願い致します。

みんなの回答

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.6

 #1です。お礼です。  皆さんいいい勉強をさせていただいてなんとか風邪も一時忘れた思いです。今後ともよろしくお願いします。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 こちらこそ、いつもSPSさんには教わっています。特にあのSPSさんの名文にはいつも「どうやったら自分も書けるようになるのか?」といつも考えさせられています。 お風邪をひかれていましたか、お早い回復をお祈り申し上げます。 また、よろしくお願い致します。

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.5

 #1です。注です。  何しろスパルタの王様のお住まいですから、見晴らしのいい高台にあったのではないかと思います。だと、その上り坂を鼻息荒くあがってくるのが見えたのでしょう、  しかも team ですから一頭だはなく、すくなくとも二頭です、さらに unhitch で軛をつけて何か(たぶん馬車)を引っパッているようですから、独り歩きの旅人ではないことが、一目で分かったのではないかと思います。  ですから、メネラウスには、この旅人が「只者ではない、由緒あるお方」とまでは見当がついて、半分は「お前、馬の骨なんて言ってるけどすぐ後ろにお立ちのその方の耳には入ってるよ」と半分は旅人に聞かせるつもりで、わざときびしく叱ったとも考えられます。  何しろギリシャ文化と英訳を読むイギリス文化の、どちらも知らない僕が勝手に二重の文化フィルターを通しての愚訳ですみません。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >>何しろスパルタの王様のお住まいですから、見晴らしのいい高台にあったのではないかと思います。だと、その上り坂を鼻息荒くあがってくるのが見えたのでしょう、 なんという分析力!!! 私もスパルタ文化には詳しくないので、本当の所は知らないのですが、そういう所に住んでいる気がすごいします。 >>しかも team ですから一頭だはなく、すくなくとも二頭です、さらに unhitch で軛をつけて何か(たぶん馬車)を引っパッているようですから、独り歩きの旅人ではないことが、一目で分かったのではないかと思います。 な、なるほど!!! そう考えた方が納得できます。 私は、文章を味わうばかりでそこまで推理しつつ読んでいませんでした。分かった上でのメネラウスの言葉と考えると、また一味違った味わいがあります。 お陰様で、ありがとうございます。 >>ですから、メネラウスには、この旅人が「只者ではない、由緒あるお方」とまでは見当がついて、半分は「お前、馬の骨なんて言ってるけどすぐ後ろにお立ちのその方の耳には入ってるよ」と半分は旅人に聞かせるつもりで、わざときびしく叱ったとも考えられます。 確かに考えてみれば、自分の使用人に言ったにしてはちょっと説明調ですね。可能性として十分に実際はテレマコスに聞かせるつもりで言った可能性はありますね。 そう考えると、「なぜ怒りながら、温かいセリフを言ったのか?」と言う点も納得できます。 名推理ですね!!!  本当にSPSさんのお陰で一層味わいが深まりました。ありがとうございます。 私も、ギリシア文化にもイギリス文化にも詳しくないのですが、全人類に共感される美しさが古典にはあって好きです。それを、ここで質問して様々な名訳で何度も味わうのが最高です。 しばらく不定期になりますが、またよろしくお願い致します。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10007/12518)
回答No.4

お礼のコメント、ありがとうございます。 >≫ここに至るまでの苦難からどんな救いを神に賜ったか、思うてみるがよい。 >ここでは意見が別れましたね。私としては、仮定法現在でgod save us と言っているわけですし、in years to come(この先何年も)と言っているので「神様、この先帰路のような苦しみにはもう会いませんように」の意味と解釈しました。 ⇒いやあ、うかつでした! おっしゃるとおりです。 and god save us from such hard treks in years to comeの部分、よく見ずに気分だけで訳していたことを思い知らされました。いやはや、恥ずかしい。ご指摘ありがとうございました。 ここを訂正させていただき、私訳第2弾です。 「ボエトスの息子、エテオネウスよ、生まれてこのかた愚かであったためしのないお前としたことが、何たるたわごとを! 我らとて家路をたどる途上、他者からいかなる知遇を受けたかを思うてみるがよい。ああ、こののちも末永く、かくなる苦難から神の救いを賜らんことを! さあ、ぼやぼやするな。見知らぬ方々とて大事な客人と思うて、ここにお連れするのだ。我らが饗宴にお招きするのだ。」 >今回もありがとうございました! >しばらく不定期になりますが、またよろしくお願い致します。 ⇒今の特殊状況下、コロナ禍の中、さぞかし、ご講義がお忙しいことでしょうね。 どうぞ、御身ご自愛のほど。そして、お暇でご都合のよろしい時にはぜひまたロートルとおつき合いくだされたく、願いあげます。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >>ああ、こののちも末永く、かくなる苦難から神の救いを賜らんことを! やっぱりナカイさんの語彙力には、かないません。「末永く」、「かくなる」、「賜らんことを」等、美しい日本語の数々にはいつも堪能させていただいています。 ナカイさんが、短くても美しい日本語をつかってカルタでも作ったら大人でも楽しめるんじゃないかと思います。 >>今の特殊状況下、コロナ禍の中、さぞかし、ご講義がお忙しいことでしょうね。 そうなんですよ。 さんざん苦労しているのに、「それが仕事でしょ?」と言わんばかしに学生からは全然お礼の言葉もなく、本当に大変ですよ。(夜中の何時まで準備に時間がかかったと思っているんだと言いたい。) すいません、つい愚痴を、、。 こうやって古典翻訳の話題で交流するのが楽しいものですから、また時間があります時にはお邪魔します。その時は、またよろしくお願い致します。

  • citizen_S
  • ベストアンサー率41% (272/649)
回答No.3

はじめまして、こんにちは。 おそらくスタイルがごっちゃと思いますが、試作です。 エテオネウス、ボエトスの息子よ。おぬしはこれまで決して愚者ではなかったのに、この場に限ってなに子供のようなばかげたことを言っておる。我々が故郷に辿りつくまで各地で受けた厚遇を思い返してみよ。あのような苦難の道をもう一度歩むことがないよう、神々に祈ろうではないか。 さあ早く参れ、そのお方たちの馬を解きに。そして、この地に不慣れな客人を我らが饗宴にご案内するのだ。

lived_in_room13
質問者

お礼

はじめまして、ご回答ありがとうございます。 すいません読み返してみましたら質問文で打ち間違いがありましたが、 X:となんともでメネラウスに伺いを立てます。 〇:とメネラウスに伺いを立てます。 お気になさらずにご回答していただけたようでありがとうございます。 >>おぬしはこれまで決して愚者ではなかったのに、この場に限ってなに子供のようなばかげたことを言っておる。 そうなんですよ! 本当になんでこの場にかぎってこんな事言っちゃったんでしょうね! >>我々が故郷に辿りつくまで各地で受けた厚遇を思い返してみよ。 本当に「旅は情け」って大切だとこのセリフで思いますね。 >>さあ早く参れ、そのお方たちの馬を解きに。そして、この地に不慣れな客人を我らが饗宴にご案内するのだ。 この最後のラインは、回答者さんのお訳でもやはり涙がでてきそうな程感動的ですね! 不定期ですが、古典で気に入った文章を訳す英語遊びをしております。また、気が向いたらお気楽にご回答ください。 そして、すいませんが質問文に書き忘れたのですが、基本的に私はお作品に優劣をつけるのが質問者として苦痛でしかないので(といいますか、私が優劣をつけるという行為がおこがましいすぎて嫌なので)BAは基本的に選びません。それでもよろしければ、またよろしくお願い致します。

  • Nakay702
  • ベストアンサー率79% (10007/12518)
回答No.2

楽しい話題をありがとうございます。 N私訳です。: 「ボエトスの息子、エテオネウスよ、生まれてこのかた愚かであったためしのないお前としたことが、何たるたわごとを! 我らとて家路をたどる途上、他者からいかなる知遇を受けたか、ここに至るまでの苦難からどんな救いを神に賜ったか、思うてみるがよい。さあ、ぼやぼやするな。見知らぬ方々とて大事な客人と思うて、ここにお連れするのだ。我らが饗宴にお招きするのだ。」

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 すいません読み返してみましたら質問文で打ち間違いがありましたが、 X:となんともでメネラウスに伺いを立てます。 〇:とメネラウスに伺いを立てます。 お気になさらずにご回答していただけたようでありがとうございます。 >>ボエトスの息子、エテオネウスよ、生まれてこのかた愚かであったためしのないお前としたことが、何たるたわごとを! 相変わらずの「言葉選びの天才」ですね! 「~としたことが」、「たわごと」等、なんとなく小説で見かけ「使う機会があったら使ってみたいフレーズ」のオンパレードですね! 小説を読んでいると使いたくなるのですが、実際に使う機会には恵まれず、ここぞという機会に私の脳みそは使ってくれませんでした。 >>我らとて家路をたどる途上、他者からいかなる知遇を受けたか、 確かに「我らとて」ですね! またまた、小説で見かけ、使いたいけど私には使いこなせない表現です。どうも、私は名文を味わうのは大好きなんですが、自分からは書けないようです。 >>ここに至るまでの苦難からどんな救いを神に賜ったか、思うてみるがよい。 ここでは意見が別れましたね。私としては、仮定法現在でgod save us と言っているわけですし、in years to come(この先何年も)と言っているので「神様、この先帰路のような苦しみにはもう会いませんように」の意味と解釈しました。 日本語訳でどうなっているのか気になるところですが、日本語訳を持っていないので、ハッキリとは分からないのですが。 >>さあ、ぼやぼやするな。見知らぬ方々とて大事な客人と思うて、 私は strangers, guests, の箇所をなんとなく読んでしまいましたが、なるほど確かにこれは同格ですね。細かい所にお気づきありがとうございます。  >>我らが饗宴にお招きするのだ。 SPSさんといい、Nakayさんといい、キメ台詞で殺しにかかっていますね!私だったら、イチコロですよ。 やっぱり人情物のセリフはいいですね~! しかも、様々な名訳で味わうとなると格別味わいが広がります。 今回もありがとうございました! しばらく不定期になりますが、またよろしくお願い致します。

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.1

 ボエちゃんの息子の、今までアホではなかった、エテオネウス君、今何をくだらないことガキみたいにペラペラ喋ってるんだ。家に借りつくまで、よそのみんなのお世話になったのを忘れたのかい。この先しばらくはあんな辛い旅はしたくないものだ。ほら、馬を外してこちらへお通しするんだ、どこのお方か存じませんが、旅のお方々、食べ物はどっさりありますから、ご一緒にいかがです。

lived_in_room13
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 すいません読み返してみましたら質問文で打ち間違いがありましたが、 X:となんともでメネラウスに伺いを立てます。 〇:とメネラウスに伺いを立てます。 お気になさらずにご回答していただけたようでありがとうございます。 お訳に関しては、相変わらずの神作ですね! >>ボエちゃんの息子の、今までアホではなかった、エテオネウス君、 この手がありましたか!!! 私には、英語で「怒りながら、優しい言葉」を読みました時に、「こんなの日本語表現であったかな~?」と思いつつなんとなく訳しましたが、 この感じの表現なら確かに使う人いるし、おこりつつも温かみがあります。まさにピッタリの表現ではないですか!!! >>今何をくだらないことガキみたいにペラペラ喋ってるんだ。 この表現も「ボエちゃんの息子の~、」という前置きがあるからこそ、逆にこのちょっとキツ目の表現が、「相手に対する親しみ」を表しているように感じていい味だしてますね~! >>家に借りつくまで、よそのみんなのお世話になったのを忘れたのかい。 そしてまた、優しい言葉が出てくる。この塩梅がいいですね! 微妙なバランスが素晴らしいです! >>この先しばらくはあんな辛い旅はしたくないものだ。 こっちの方がいいですね、SPSさんの場合はたまたまでしょうが、私は「神」という曖昧な存在の使い方が今一わからなくて、使わずに済むのなら使わない道を選びたいです。 また、それにかけても、言葉選びの天才ですね。 >>ほら、馬を外してこちらへお通しするんだ、どこのお方か存じませんが、旅のお方々、食べ物はどっさりありますから、ご一緒にいかがです。 最後に、なんという、温かい言葉で締めるんですか!長旅をしたテレマコスじゃなくても感動して泣いちゃいますよ!! やっぱりSPSさんの人情物の訳文はいつ読んでも心に響きますし、心の栄養源です。 今回もありがとうございました! しばらく不定期になると思いますが、またよろしくお願い致します。

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