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古典翻訳:G・ブルーノの『愚痴』の翻訳
- 詭弁家としての評判に悩むG・ブルーノの『愚痴』を翻訳する難しさについて考えています。
- 伝統を守るか、新しい派閥を打ち立てるか、愚痴の翻訳における難しい選択肢に迫ります。
- 読者の皆様には、『愚痴』の翻訳についてのアドバイスをいただけると幸いです。
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>On the infinite, the Universe and the Worlds ⇒"Dell' infinito universo e mundi" (Giordano Bruno, 1584) の英訳版ですね。 ブルーノ在英中の1583年、オックスフォードの学者と論戦を交わし、その記録を翌年イタリア語で執筆出版したのがこれで、日本語の訳本としては、『無限宇宙と諸世界』(清水純一訳、現代思潮社、1967)があるそうです。(残念ながら、私は持っていません。) しかし、いつもながら素晴らしい訳文ですね! >拙訳:私はどうやら、詭弁家と評判のようで、真に賢くあるよりもそう見える事に重点を置いているだとか、伝統・正統派を支持するよりも新興の間違った派閥を打ち立てることに熱心だとか言われているようです。 お二人の自然な訳には敵いそうもありませんが、この種の話題に「目がない」私としては、「あ~、どうにも止まらない」といいますか、またぞろ一枚関わりたくなって、首を突っ込ませていただきました。ということで、恒例のことですので、お粗末ながら以下に私の訳を付記いたします。 私訳:感知するところでは、私は「詭弁を弄する輩で、真の知見者であるよりもむしろ賢者風に装うことに関心があるのだ」とか、「古来の真理を支持するのでなく、むしろいかがわしい新興学派を打ち立てることに野望を抱いているのだ」、などと囁かれているようなのであります。 最後に、"Inquisition" の中のG・ブルーノさんと、「職場の変な風習」の中のlived in room13さんに心からエールを送ります! (^v^)/"'
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- Nakay702
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「お礼コメント」をありがとうございました。 >>ブルーノ在英中の1583年、オックスフォードの学者と論戦を交わし、 ⇒何という先見の明:500年も先を見通していた? コペルニクスは太陽系内に限定した地動説を唱えたのに対し、ブルーノは太陽系を飛び出し、宇宙における無数の太陽系(恒星系)を考え、それが常に成長し衰滅するのだとする、現代天文学とほとんど変わらない宇宙像をイメージしていたところがすごいです。 >>日本語の訳本としては、『無限宇宙と諸世界』(残念ながら、私は持っていません。) >私も持っておりません。英訳版が意外と私好みの文章でしたし、(…)、英語版だけで満足しております。 ⇒lived in room13さんの各種英語版からは多大な恩恵をいただき、いつも、ありがたく感謝しています。同時に、「間テキスト性」の妙味を味わい、There is nothing new under the sun.(旧約「伝道の書」)の言うような、「経路」をたどることに喜びを感じます。 >G・ブルーノについて読み始めたばかりなので、日本人だったらどんな愚痴の言い方をするのか、そういえばまだイメージが湧いておりません。(…)、これまで通り、適当にいかせてもらいます。 ⇒はい、私も、Capriccio (Rhapsody) が好きです。豊かな「人間学のようなもの」です。他者との共感と交歓です。ブルーノも、天文学ではコペルニクスに共感しましたが、人間学的にはニコラウス・クザーヌスに傾倒し、彼の「多様性の容認・異分子との共存」の思想を範としたようです。 >好きな英文を翻訳しようとする時に、毎回でてきて欲しい言葉が出てこなくて苦労しています。(…)、とりあえず目標として名文は美しい文章にしたいだとか、分かりやすい文章にしたいだとか、おぼろげながらも目標はあるのですが、、、(…)、難しい物ですね。 ⇒言葉の問題は底が深いですね。その昔、遠藤周作が学生に対して「君たちは楽しみ方を知らない」と言ったそうです。その心は、「本当に楽しむためには、あらかじめ仕入れておかねばならぬことがある(のに、それをしないからだ)」といったところでしょうね。ちょっと耳が痛いです。 以上、あちこち飛びましたが、お礼と戯れまで。 あ、追伸: 前回「ホラティウスの詩の一節を教訓調に訳すには?」のコメントで、 >>ブルーノに対する謝罪は聞いていません。 について、 >一応教会は処刑判決は不当だったと1979年に異端判決を取り消したそうです。 と教えてくださり、ありがとうございました。 >時代の先を行き過ぎた天才は皆苦労してますよね。 それでも、忘れ去られる事なく一応著作が残っているのはありがたい事です。 ⇒まったく同感です。あのデカルトでさえ、教会や神学部の顔色をうかがいながら、当初は偽名を使ったりして活動していたそうですね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >ブルーノは太陽系を飛び出し、宇宙における無数の太陽系(恒星系)を考え、 >それが常に成長し衰滅するのだとする、現代天文学とほとんど変わらない宇宙像 >をイメージしていたところがすごいです。 科学の世界は、意外と簡単な方法で信じられないほど複雑な事を調べられる事が多いので、G・ブルーノが一体どんな方法で気が付くに至ったのか興味が尽きません。 >ブルーノも、天文学ではコペルニクスに共感しましたが、人間学的にはニコラウス・クザーヌスに傾倒し、彼の「多様性の容認・異分子との共存」の思想を範としたようです。 またまた、面白そうな人物のご紹介に感謝致します。 >「君たちは楽しみ方を知らない」と言ったそうです。 確かに、遊び方も奥が深いですよね。 もう少し、言葉の才能があれば翻訳によって名文を日本語でも表現しようとする遊びではなくて、平安貴族が和歌や短歌を「創作」したようにオリジナルの言葉遊びをしたいのですが、仕込み方法すら分かりません。 >あのデカルトでさえ、教会や神学部の顔色をうかがいながら、 >当初は偽名を使ったりして活動していたそうですね。 教会なんかなくたって、宗教なんかなくたって、変な風習がある職場にいる私には、どんなに当たり前の事でも、周りと違う意見を言う事がどれだけ勇気がいて大変な事なのか分かります。 世の中には何も考えないで、分かったような顔で大多数の意見を自分の意見のように言う人達が大多数なのですから、人間の本質が変わらない限り、教会が権力を失おうと苦労する人はいつでもいるのだと思います。 だいぶ脱線してしまいましたが、楽しめました。 また、宜しくお願い致します。
- SPS700
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私は、本当に賢いわけではないくせに、外見が賢そうに見えることに気を使っていて、昔からの真実を支えるというよりは、新しいいい加減な宗派を始めようと腐心している屁理屈屋、とちらほら噂になっているらしいのには気づいている。
お礼
ご回答ありがとうございます。いつもご活躍を拝見しています。 ちょっと質問文の補足をさせてください。 >私自身が、職場の変な風習と、それに誰も疑問を抱かずに過ごしている事にも >驚きつつ過ごしているので、、この愚痴が気に入りました。 私が職場のおかしな風習に疑問を抱きますと、「お前は何十年と続いてきた伝統(風習)よりも、自分の方が賢いとでも言うつもりなのか?」とか言わてしまうんですね。 それで、more ambitious to establish a new and false sect than to support that which is old and true.みたいな扱いになるので、上手い事この愚痴を訳したくなり、質問するに至りました。 そしてG・ブルーノは、ガリレオのように「教会の教えとは違うけど、本当はこうなんです。」と叫んだ科学者でした。 >本当に賢いわけではないくせに、外見が賢そうに見えることに気を使っていて、 この言い方の方が分かりやすいですね! 私の訳よりも日本語が自然だと思いました。 >昔からの真実を支えるというよりは、新しいいい加減な宗派を始めようと腐心している屁理屈屋 sophistの訳には悩みました。 屁理屈屋の方が通じやすいですね。 全体的に翻訳文とは思えないほど自然な日本語の翻訳だと思いました。 ありがとうございます。 また、よろしくお願いいたします。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >"Dell' infinito universo e mundi" (Giordano Bruno, 1584) の英訳版ですね。 >ブルーノ在英中の1583年、オックスフォードの学者と論戦を交わし、 >その記録を翌年イタリア語で執筆出版したのがこれで、 いつもながらお詳しいですね。 初めて知りました。 >日本語の訳本としては、『無限宇宙と諸世界』(清水純一訳、現代思潮社、 >1967)があるそうです。(残念ながら、私は持っていません。) 私も持っておりません。英訳版が意外と私好みの文章でしたし、プロの方の訳も翻訳というもの勉強の為に読んだ方がいいとは思うものの、別に翻訳家じゃないし、、、とか言い訳して、英語版だけで満足しております。 >感知するところでは、私は「詭弁を弄する輩で、真の知見者であるよりもむしろ賢者風に装うことに関心があるのだ」とか、 高貴な雰囲気がする愚痴ですね。 まだまだG・ブルーノについて読み始めたばかりなので、日本人だったらどんな愚痴の言い方をするのか、そういえばまだイメージが湧いておりません。 もう少し、読み進めてから質問すべきだったかと、思いましたが、たとえ本を一、二冊読んでも、作者の人となりまで分かるわけもないので、これまで通り、適当にいかせてもらいます。 >「古来の真理を支持するのでなく、むしろいかがわしい新興学派を打ち立てることに野望を抱いているのだ」、などと囁かれているようなのであります。 「学派」が適語ですね! 知っていても出てきませんでした。 好きな英文を翻訳しようとする時に、毎回でてきて欲しい言葉が出てこなくて苦労しています。 名文を訳すのも難しいのですが、とりあえず目標として名文は美しい文章にしたいだとか、分かりやすい文章にしたいだとか、おぼろげながらも目標はあるのですが、、、愚痴って、、英文で読んでいい愚痴だと思っても、結局どう訳したいのか、、、他人事のように客観的に言うのがいいのか、感情をあらわにすればいいのか、、、英語で読んだ時の感覚をそのまま日本語にすればいいだけなのに、、、難しい物ですね。(私だけですか???) 今回もありがとうございました。 また今後とも宜しくお願い致します。