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「僕」と「わたし」
日本語を勉強中の中国人です。男性一人称の「僕」と「わたし」の使用時の心理はどのように違うのでしょうか。前者は後者の砕けた言い方で、フレンドリーでしょうか。 また、質問文に不自然な日本語の表現がありましたら、それもご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
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こんにちは。 私(わたくし)は東日本の男性ですが、僕(ぼく)という一人称は幼稚園児の幼い頃に使ってただけで、小学生になった頃からは「俺(おれ)」という一人称を使ってました。 その後、社会人になって目上の人に俺では失礼なので私という一人称を使うようになりましたが、私を「わたし」と発音するのは女性に多いので男性は「わたくし」と発音する人が多いです。 私の場合、親しい人や後輩や目下(年下)には俺という一人称を使いますが、目上(年上)の人や親しくない人には私という一人称と使い分けてます。 ですから、僕という一人称を使う男性も同じようにフレンドリーな親しい相手には僕を使いますが、親しくない相手には私という一人称を使い分けてる男性が多いです。 なお、西日本の男性は一人称に儂(わし)を使う人が多いですが、やはり親しくない相手には私という一人称を使い分けてます。
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- kzsIV
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江戸・東京の夫婦間の呼び方はこの150年間に、おおむね次のように変化してきました。 夫 妻 おれ─────てめえ あたし─────おまえ ↓ ↓ おれ─────おまえ あたし─────おまえさん ↓ ↓ ぼく─────きみ わたし─────あなた もともと上下の身分での呼び方からきていますので、男尊女卑の感は否めません。代名詞だけでなく。文体全体にも、男女差が意識されるようになるのは、1890年ころからです。 1950年ころ、小学校で、級友と話すときには、男児は僕・君、女児はわた(く)し・あなた と指導されていたようです(当時の小学国語辞典による) 1980年ころの小学国語辞典では、「ぼく=対等・目下に言う」「きみ=親しい言い方」「おまえ=ぞんざいな言い方」「きさま=卑しめて言う」そして「おれ」の記述はなし。 私は幼いころにも「おれ」「おまえ」という言い方はしませんでした。「おれ・おまえ」は今でも「けんかことば」だと思っています。級友とは「ぼく・きみ」で通しましたが、女子の級友とは話す機会も少なかったので覚えていません。おそらく「です・ます体」を使ったと思います。 代名詞の使い方で、男の級友は3グループに分かれていたようです。 1「おれ・おまえ」を使う。 2「ぼく・きみ」を使う。1が2と話すときは2にあわせます。したがって1のグループがどれほどいるか2にはわかりません。 3「わたし・(苗字+さん)」を使う。1人だけでした。この友にはたいていの級友が「ぼく・(苗字)+さん」で応対しました。 さて、裏通りの長屋のせがれも表通りの「おたな」の息子も「おれ・おまえ」を正し、「ぼく・きみ」を使い、「わたし・あなた」に慣れて社会に育ってゆく。 というぐあいには、なかなかすすまない。「ぼく・きみ」ですら言いにくいのに、「わたし・あなた」などと。 パパ・ママ から おとうさん・おかあさん になかなか進めず、結局は「おやじ」「おふくろ」へ。 おにいちゃん・おねえちゃん といっていたのを おにいさん・おねえさん と呼び変えるのが恥ずかしく、結局「あにき」「あねき」と悪童ぶる。 それにも似た気持ちでしょうか。 「ぼく・きみ」は長州の奇兵隊で出身身分の上下にかかわりなく、兵士に対等に使わせたのが始めだという説があります。 しかし「ぼく・きみ」は未だに対等か対等以下の男子専用の語とされています。これに対する「わたし・あなた」は対等か対等以上の男女共用の語とされています。そうなると男が「ぼく・きみ」を使い、女性が「わたし・あなた」を使うと、その会話の場では、おのずと女性は男と対等以下であり、かつ男は女性と対等以上ということになります。 男女同席の場で安易に「ぼく・きみ」を使う方、ある日突然「なあ、君。君は一体何が言いたいんだね」と同僚女性社員に言われて、ひっくり返らないように注意してください。 それでも、言葉の性差は少しずつ解消しているようです。「女性語」を研究するために、マーカーを選び集計していったところ、2年もしたらマーカーを選びなおさねばならなくなった、という話があります。つまり「女性語」だったのを男性も使うようになったのです。男性も、オネエ言葉などと馬鹿にせず、言語表現の自由を広げましょう。 最後に、少女コミックに登場する「おれ」「ぼく」というヒロインたちを紹介しましょう。 沖倉律子『脱走行進曲』1985、『ケンカ友だち』1990所収 集英社 高校1年の吉田美加、独白「おれはこの街(まち)がキライだ!」とともに登場する出だしは圧巻です。不良少女ではない。それでいて「オレ」がサマになってる。この種の少女としてはピカ一。 くらもちふさこ『いろはにこんぺいと』1982- 長崎君子は小学1年。わき役として登場。「おれ魚きらい。」などと言う。最後の1ページに中1になった君子。将来が期待される。吉野美加に並ぶ「おれと呼ぶ少女」の双璧となるでしょう。」 あいざわ遥『ガラス色のボーイ』1991- 高1の小早川那智は、成績優秀、スポーツ万能。 椎名あゆみ『無敵のヴィーナス』1991- 松下楓(中2) 高橋亮子『つらいぜ! ボクちゃん』1974- 田島望(高2)、 いずれも「男言葉」を駆使することによって、精神の自立を勝ち得た少女たちの物語です。BFとの対話も対等ゆえスムーズで、よくある「もうタメグチはやめよう」といったあとの、女が男についてゆく式の不自然さはありません。
お礼
ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。由来はわかるようになりました。いろいろとても参考になりました。
追記。あなたがスーパー・レベルの日本語話者をめざすなら(笑)。 >男性一人称の「僕」と「わたし」の使用時の心理 女性でも「僕」を使うことが,ごくまれにあります。 1.活発,勝ち気,ボーイッシュな少女。 典型例は,手塚治虫のマンガ『三つ目がとおる』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E3%81%A4%E7%9B%AE%E3%81%8C%E3%81%A8%E3%81%8A%E3%82%8B に登場する「和登千代子」(わと・ちよこ)という女子高校生です。これをまねたかどうかは知りませんが,「僕」という女子中・高校生もいます。 2.女性アイドルグループ,AKB48とその姉妹団体の歌曲の歌詞には,しばしば「僕」という一人称が使われます。たとえばAKB48『僕らは戦わない』,NMB48『僕らのレガッタ』,乃木坂46『僕がいる場所』など。これらは,男性(男子中・高校生~20歳代の青年)の立場にたって男性心理を歌っているものであり,彼女らが自分自身を「僕」と呼んでいるのではありません。 なお,「おれ」も不良少女によって使われることがあります。かなり下品な(それを意図した)言葉遣いです。ただし,江戸時代にはふつうの女性も使いました。
お礼
再びありがとうございます。大変参考になりました。上級を目指しておりますので、今後もたくさん教えてくださいますようによろしくお願いいたします。m(_ _)m
- ichikawa2017
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「僕」という言葉は下僕などと使われるように身分の低いしもべを意味する言葉でした。 これが現在のように男性の一人称として使われるようになったのは明治(1868年)以降のことです。 旧制高校の学生の間で使われていた学生言葉でした。 従って僕はフレンドリーというよりも公式には使われない言葉です。 あくまでも親しい男性間で使われる言葉です。 公式な席で使うと社会性が未熟で礼を欠いた人物と看做されます。 僕にちゃんが付いて「ぼくちゃん」などと男の子を意味する言葉としても使われます。 わたしは「わたくし」を諸略した言葉で男女や公式非公式を問わず広くつかわれている一人称です。 習慣的には女性が一人称として使います。 公式の場で男性が使う場合は「わたくし」が使われます。 このようなことから男性が「わたし」を使う場合はあらたまった印象を与えます。 蛇足 日本語の一人称は歴史的な経緯もあり極めて多種多様です。 長い期間身分で一人称が異なっていたことから現在も人間関係で使い分けることがあります。 これに方言が加わりますので日本人でもその場その場で正確に使い分けるのは至難の業です。 このようなことから「わたし」を使うのが最も無難です。 参考 日本語の一人称代名詞 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/日本語の一人称代名詞
お礼
ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。日本の方の頭の構造は本当に複雑ですね。いい勉強になりました。
ぼくは,ここの回答で一人称に「ぼく」,独白のような心理描写のときに「おれ」,ふざけた表現として「おいら」を使いわけています。ぼくが「ぼく」を使うので,ぼくを若者と誤解した質問者がいましたが,たしかに中年以上で使うのは少数派でしょう。 ぼくが教室で習った中国語よりも,日本語の人称代名詞は圧倒的に豊富です。ぼくが知っている「我 wo」いがいの一人称は,たった1回だけでてきた「吾 wu」のみです。 ぼくは職場でも「ぼく」を使いますが,会議の席上では「私」を使います。また,目下の人を叱るとき, 「ぼくの言うことを聞いてほしいなあ」(それほど怒っていない) 「私の言うことが聞けないのかい」(かなり怒っている) という使い分けもします。「私」を使うときは,相手の目をみすえ,正面きって発言しているのです。
お礼
ご親切に教えていただきありがとうございます。おもしろいですね。大変参考になりました。
- takuranke
- ベストアンサー率31% (3923/12455)
>前者は後者の砕けた言い方で、フレンドリーでしょうか。 違います。 「わたし」は「わたくし」の砕けた言葉。 「僕」は男の「しもべ」と言う意味で このことから謙譲語として使用されてきたのが、 江戸時代後期になると謙譲性が途端に薄れ、 明治になってからは書生(他家に世話になり、家事等を手伝いなら、勉強 をする者)が使うようになり、徐々に広まっていったものです。 >男性一人称の「僕」と「わたし」の使用時の心理はどのように違うのでしょうか。 これはわかりません。
お礼
ありがとうございます。参考になりました。
- f272
- ベストアンサー率46% (8625/18445)
まず,一人称の代名詞は使う頻度が少ないということ。使わないでも違和感のない文章が作れます。 どうしても使うときで最も使用頻度が高いのが「わたし」です。ですます調で話すときの会話レベルとちょうどあっています。もっと畏まっているときは「わたくし」になりますが,めったに使いませんね。 「僕」は小学生くらいまでの子供の使う言葉と思っていますから,使いません。話している相手が「僕」を使っているのを聞くと,子供っぽさが抜けていないと感じます。
お礼
ありがとうございます。いろいろとても参考になりました。
- tzd78886
- ベストアンサー率15% (2590/17104)
「私」は、かしこまった言い方です。男性の「ぼく」に相当するのは、女性では「あたし」だと思われます。地方によっては女性でも「俺」とか、「わい」などというところもあるようです。
お礼
ありがとうございます。大変参考になりました。
- skydaddy
- ベストアンサー率51% (388/749)
「僕」は、男性しか使いませんが、「わたし」は男性でも、女性でも使います。しかし、「僕」の意味では女性の対応する言葉といえます。 どちらがくだけた表現かといわれると、両方を男性が使うなら僕です。男性がわたしと表現するのは儀礼的な一人称として言うとき、例えばビジネス上での自分を表現するときです。
お礼
ご丁寧に教えていただきありがとうございます。いい勉強になりました。
僕 は親しい相手へ使う。 わたし は仕事や親しくない人に使うことが多い。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。とても参考になりました。
お礼
ご親切に教えていただきありがとうございます。いろいろとても参考になりました。