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論語の単語の意味「これ」を行うべき「者」ありや

子貢問うて曰わく、 一言にして以て終身これを行うべき者ありや。 子曰わく、 それ恕か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。 の 一言にして以て終身これを行うべき者ありや。 の部分を直訳したいのですが、 これで正しいでしょうか? ひとことで言って、一生行うべきことはありますか。 (1)「者」は「こと」という意味でしょうか (2)「これを」はどういう意味でしょうか お願いします。

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  • kzsIV
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回答No.3

有一言而可以終身行之者乎  この文は   有A乎  Aがあるか?   A=一言而可以終身行之者 と解析されます。  Aは   (B而C)之者   B=一言   C=可以終身行 と解析されます。  「B而C」は「B」と「C」とが並列状態であることを表します。そこで「C而B」としても同じです。   B而C  BのC BでC BであるC   C而B  CのB CでB CであるB  Cの「終身」は「行」にかかる副詞句です。そこで   C'=可以行 ですが、普通、「可以」の「以」は現代中国語と同様あまり意味がなく「可以」は「可」と同じであると解かれますが、『論語』などの場合は本来の介詞の意味を引きずっていますから、「~を以て」とした方が分かりやすいでしょう。「~」が明記されず、「可」が先行していますが、普通の語順は、主語「人」を補って示せば    人以~可行  人は~を以て行ず可し 「~」は、言うまでもなく C です。    人以C可終身行  人はCを以て終身行ず可し 従って   (C者人之)可以終身行(之者也)  (Cは人の)以て終身行ず可き(者也)   (Cは人が)それによって生涯かけて行ずることのできる(そのもののことである)  さて「B而C」のB、Cはそれぞれに文を構成します。   B それは 一字一音の事柄 である。   C それは 人がそれによって生涯かけて行ずることのできるそのもの である。  BでC それは 一字一音の事柄であって、人がそれによって生涯かけて行ずることのできるそのもの である。  CであるB それは 人が生涯かけて行ずることのできる一字一音の事柄 である。  さて「有A乎」のAは名詞又は名詞句です。Bだけなら「一言」で、Cの「行」だけなら「行者」で済みますが、「B而C」の並列文を名詞句にするには、下に「之者」の2字を添えます。   有一言而可以終身行之者乎 の解訳は  人が生涯かけて行ずることのできる一字一音の事柄がありますか。 となります。  以上の分析と解訳に従ってルール通りに訓読すると、   一言にして以て終身行ず可き者有りや 「而」「之」字は訓読文に明確には現れません。こういう字は「不読字」と言います。もともと漢文の学習では  音読 iu it gen dji kaa ii chiung chin giaung chii chia koo  訓読 イtiゲンニチテ、モッテ チウngチン ギアngヅベキィ モノアリヤ と勉強しているうちは不読字があっても問題はなかったのですが、音読の習慣が薄れ、訓読文が漢文の本文扱いされるようになると、不読字を抜かして記憶する恐れが出たため、なるべく総ての字を読むように訓読法が変わります。   一言にして而して以て終身行ず可きの者有るか  1字1音の事柄、孔子の答えは「恕」です。「思いやりを以て行動せよ」 ここでは「行」は直接目的語を要求しません。不完全自動詞といったところでしょう。しかし日本の訓読文では「行」をとりあえず「おこなふ」という他動詞に置き換えます。そうすると目的語が欲しくなりますが、幸い直後によく代名詞としても使われる「之」字があるので、「べき・の・もの」という日本語としては文法破りの読み方よりは、「これを行なふ」のほうが、意味はともかく、落ち着く、というわけで、   一言にし[而]て以て終身之を行なふ可き者有る[乎]か という読み方が一般的になりました。

anon256
質問者

お礼

ありがとうございます。 参考にさせていただきます。

その他の回答 (2)

  • SPS700
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回答No.2

 #です。訂正です。 >>#1で、「 原文は 子貢問曰有一言而可以終身行之者乎 で、「これを」に当たる文字はありません」と申しました。  後で、学生時代寮で使っていた「身体髪膚、之を父母に受く。敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり。」のもじり「寝台白布、之を父母に受く。敢えて起床せざるは」を思い出しました。  ここでも原文(下記)の「之」が、「これを」に当たる文字ではないかと思います。  身體髮膚受之父母不敢毀傷孝之始也。  このように、先に名詞をあげ、それを代名詞で受ける他の言語にもよくある言い方だと思います。お詫びして訂正します。したがって「これを」は、「一言」と同じ意味でしょう。  

anon256
質問者

お礼

ありがとうございます

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.1

1。これで正しいでしょうか?  はい、正しいです。 2。(1)「者」は「こと」という意味でしょうか  はい、そうです。 3。(2)「これを」はどういう意味でしょうか  原文は 子貢問曰有一言而可以終身行之者乎 で、「これを」に当たる文字はありません。昔、このような漢文を読み下す時、日本語の代名詞を補う慣習が発明されました。  これがそのまま西欧語の斜角の関係代名詞を訳する時に、Is there a pen I can use all my life? (一本にして、もって終身これを使うべきペンありや)式に残ったものです。  いうまでもなく「一本で、一生使えるペンがありますか」同様「一語で一生使える言葉がありますか」で、「これを」の意味はありません。

anon256
質問者

お礼

ありがとうございます

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