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文脈がわかりません
「行動心理学(行動主義心理学)とは、心理学のアプローチの1つです。全く合理的に見えない人間の行動の背景には環境や遺伝が隠れている、つまり「意志」は錯覚である、というのが行動心理学の主張の1つです。」 という風な文を見かけたのですが、この文脈がいまいちわかりません。 なぜ人間の行動の背景には環境や遺伝が隠れているということ=意思の錯覚となるのでしょうか?
専門家の回答 ( 1 )
- 専門家吉田 修(@osamucom0409) 産業カウンセラー
こんにちは。 読ませていただきました。 行動主義心理学は、フロイトやユングなどの無意識を前提とする精神分析学の流れに対して、環境や遺伝を前提としているとお考えください。 この前提に立つと以下の通りのプログラムが成立するといわれています。 1.行動の観察が心的過程を研究する最高・最善の方法である。 2.行動の観察が心的過程を研究する唯一の方法である。 3.行動それのみが心理学の研究対象である。 例えば「信念」や「性格」といった心的概念を表す一般的語彙は、単に行動への傾向性を主題とするための方便にすぎず、指示対象として何らかの心的実体を伴う訳ではない。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E5%8B%95%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6 これが行動主義心理学の思想=哲学なんですね。 ですから、この思想=哲学は、ある種の仮説であり、このような立場=主義ということになります。 大変面白い考え方で、きわめて科学的です。 科学的という際に何を指しているのかといえば、こころを心的過程として観察可能なものに限定している点において、実験対象としてこころをとらえている点です。 これによって、実験データとして心的過程をとらえることが出来るようになりましたし、心理学を再現可能なものとしました。 例えば、マウスに強い電気刺激を与え続けると、マウスは強いストレス反応を起こし、うつ状態になります。 これを人間に当てはめると、電気刺激の代わりに様々なライフイベントが生じた際でも、人間は強いストレス反応を起こしてうつ状態になると考えることが出来ます。 ということは、逆に考えると、ある人がうつになったという場合、電気刺激に匹敵するくらいのストレスを伴うライフイベントが生じたのだということが考えられます。 これは大変画期的な考え方で、どのようなライフイベントがどれくらいのストレスを人に与えるかという指数表を作ることが出来ますし、うつ状態を生じさせたストレスを算出することもできます。 しかし、これには批判があって、人の心的過程はマウスのように単純ではなく、複雑な過程を経るので、マウスに当てはまることが人間には当てはまらないのではないかという批判が古くからあります。 またこれに関係して、そもそもマウスに対して与えられる電気刺激を人間のライフイベントの当てはめるとすると、きわめて特殊な場合のみを説明できるだけで、人の日常生活全般を説明するには極端すぎるという考え方もあります。 というのは、家族の死など深刻な外的ストレスを受けた際に、一般にはストレスによる死亡率は43パーセント上昇するのですが、逆にまったくストレスの無かった人より死亡率が低かった一群もいたりします。 これはいったい何なのか、人間にはマウスとは異なる社会的なストレス防御機能が備わっていると考えられると考えられています。 考えてみれば当たり前の話ですが、つい3-4年前までこのようなことがまともに批判されてはいなかったといわれています。 しかし、こころの存在を認めない心理学というのを心理学と呼ぶのにはそもそも無理があるのではないかと思いますので、人間行動学とか、神経行動科学とか生理行動学とでもいっそのこと言ってくれた方がすっきりするのにと、常々思っています。 こういう考え方もあるということです。
吉田 修(@osamucom0409) プロフィール
産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会) 吉田修(株式会社Dream・Giver) ■ご質問者・みなさまへ■ コーチング最新メソッドを使い、自分でできる、気持ちの切り替え方法をご提案しま...
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