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遺伝と環境

心理学において、遺伝か環境か(生まれつきなのか、経験によるものか)の論争は、ずっと行われてきたことと思います。 私は遺伝の影響があって、環境がそれに肉付けしていったり、逆に削ぎ落としていったり、ということになると思うので、例えば知能にしても、どんなに環境が整っていようと本人が努力しようと、その遺伝子がなければ優秀な知能を手に入れることはできない気がします。 いろんな本を読んでも相互作用説が今の流れのようですが、私は人間の発達や性格形成において遺伝の影響が一番大きいと思います。 皆様はどうお考えですか?

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  • vzb04330
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回答No.3

No.1です。 こういう遺伝と環境の問題の際には、誤解されやすいので、補足させてもらいます。 最初の説明は、あくまでも集団のデータを集団として統計学的に分析した場合に得られる結果です。 つまり、個々のケースにおいて、AさんとBさんの間にできた子どもC君のIQについて、そのうち、必ず50%が遺伝的要因で決まっているということを言っているわけではありません。 この点は、勘違いをなさらないようにお願いします。 一般向けの行動遺伝学の本としては、少し古いものですが、次のものがよろしいかと思います: 安藤寿康(2002):心はどのように遺伝するか-双生児が語る新しい遺伝観-.講談社ブルーバックス,\945.

kana0318
質問者

お礼

統計的に、と言うことですね。心理学を学びはじめたばかりで解らないことだらけです。 とても丁寧でわかりやすいご回答をありがとうございました!

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その他の回答 (2)

  • backs
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回答No.2

例えば「性格」という概念を扱う場合には、結局のところ「行動」を対象にして議論するしかありません。そして、その行動の多くはやはり過去の経験から生起すると考えることが正しいという部分が多いわけです。 しかし、どうしても過去の経験から得られたものではないだろうという行動、例えば「睡眠」とかですが、それを議論するためにはやはり「遺伝」ということを引き合いに出さなければならないでしょう。「食べる」という行動は遺伝的に備わっている行動と考えるのが妥当ですが、それでも摂食行動をコントロールすることはできますでしょ? 私の印象としては、環境によって説明できない行動を「とりあえず遺伝的である」と主張するしかないから、遺伝をある行動が生起する要因だと考える方針が強いように思います。

kana0318
質問者

お礼

ご回答、ありがとうございます。 性格などは数値化することができないゆえ、遺伝か環境かと言うのは証明が難しいのでしょうね。 実験するにしても、人格を破壊する可能性のある非人道的な実験をする訳にはいかないですものね… ご意見が聞けて、とても参考になりました!ありがとうございます。

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  • vzb04330
  • ベストアンサー率74% (577/778)
回答No.1

>皆様はどうお考えですか? こういう文章になっていますので、必ずしも「回答」を求めていらっしゃるわけではないかも知れませんが、定説を簡単にご説明しておきます。 以下は、有斐閣「心理学辞典」の遺伝/環境の説明からの抜粋です: 「個人差の遺伝」の問題,つまり心理的・行動的形質の表現型(知能指数 IQ,パーソナリティなど実際に発現された測定可能な特性)の個人差に,遺伝子型(環境と相互作用しあって表現型を導きその特性を規定する一人一人の遺伝子構成)の個人差と環境の個人差がそれぞれどの程度,またどのように寄与しているかを,行動遺伝学のモデルと方法で解明してゆくものである。すなわち双生児,親子,養子などの血縁関係の違いを遺伝子型の変数とし,表現型の類似性との相関関係を手がかりに,相加的遺伝,非相加的遺伝(遺伝子間交互作用),共有環境(家族の成員を類似させるように働く環境),非共有環境(同じ家族でも異ならせるように働く一人一人に固有な環境)などの効果を統計的に解析する。たとえばIQは遺伝分散が50% 程度と推定され,そのほとんどは相加的遺伝分散で,児童期までは共有環境の効果も大きいが,以後老年に至るまで遺伝規定性も非共有環境の影響も増加する。一方,外向性や情緒的安定性などパーソナリティでは,非相加的遺伝効果も含む遺伝の影響が50% 程度,残る環境の影響はほとんど非共有環境であることなどが示唆されている。 要約すれば、個人差の遺伝・環境各要因の作用は、知能に関して、IQを指標とすれば、50%程度は遺伝によって説明されるといえます。 しかも、単一遺伝子の影響ではなくいくつかの遺伝子の影響が考えられます。 児童期までは、家庭環境など家族に共通の環境の影響が大きいのですが、それ以降は、遺伝の影響とともに、個人個人の個々の環境(つまり、経験や学習など,個人によって異なる環境)の影響が大きくなる、と考えられています。

kana0318
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。遺伝・環境は50%と言われているんですね。 ということは、例えば知能優秀でなくい両親を持つ子が、遺伝的に不利であることを認めつつも努力した場合と、知能優秀な両親を持つ子がさらに努力した場合、やはり前者には勝ち目はないのでしょうかね?

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