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ミクロ経済学 契約曲線について…
ミクロ経済学の契約曲線について質問です。契約曲線についての大体のイメージというのは入門の本でつかめたのですが、具体的にどういうふうに契約曲線を導出すればいいのかがわかりません。具体的にどういった問題でどういうふうに契約曲線を導出するのかを教えてほしいです。よろしくお願いします。
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2財(X財とY財)と2人の主体(消費者)AとBからなるエッジワ―ス・ボックスにおいて、契約曲線とは、主体Aの無差別曲線群と主体Bの無差別曲線群が互いに接する点の軌跡をいうことはご存知のとおり。したがって、各主体の効用関数が簡単な関数で与えられているときは、無差別曲線を描くことも、契約曲線を描くことも、その式を導出することも簡単ですが、効用関数が簡単な関数で与えられていないときは、効用関数から導かれる無差別曲線が、右下がりで、原点に対して凸の曲線としかわからないので、教科書で描かれている図以上には表わすことができません。 しかし、各主体の効用関数が、どちらも、たとえば、UA=xA・yA、UB=xB・yBというふうに簡単な形で与えられているなら、契約曲線の式を導くことは容易です。(UAは主体Aの効用水準であり、xAは主体AのX財の消費量であり、yAは主体AのY財の消費量である。UB、xB,yBについても同じ。)契約曲線上では、主体Aの限界代替率MRSAと主体Bの限界代替率MRSBが相等しいから、 MRSA = MRSB ところが、効用関数が上のように与えられるとき、MRSB=yA/xA、同じくMRSB = yB/xBであるから、 yA/xA = yB/xB となる。ところがエッジワ―ス・ボックス内の点には、xA+xB = X, yA+yB = Y (ただし、Xは両主体のX財の初期保有量合計であり、Yは両主体のY財の初期保有量合計で、いずれも一定値である。)より、 yA/xA = (Y-yA)/(X-xA) よって整理すると yA = (Y/X)xA と原点を通る直線で、この直線の傾きはX財とY財の総初期保有量の比に等しくなることがわかる。つまり、この場合の契約曲線はエッジワ―ス・ボックスの主体Aの原点と主体Bの原点を結んだ直線となるのだ。効用関数がそれぞれコブダグラス型であたえられ、UA = xA^a・yB^(1-a)、UB= xB^b・yB^(1-b)で、aとbが異なるなら、契約曲線は直線でなく、上方に偏るか、偏るかの曲線になることがわかる。このとき、MRSA = (a/(1-a))yA/xA、MRSB = (b/(1-b))yB/xBとなることから、契約曲線の式がどのように表わされるかは自分で導いてごらんなさい!
お礼
回答ありがとうございます! かなり細かいところまで説明していただいたので、とても分かりやすかったです。ありがとうございました!