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ローレンツ変換を簡単におしえてください!

ローレンツ変換を授業でならったのですが具体的なことが言われてなく世界長など言われてもなにがなんだかわかりません。どなたか優しく教えてください!

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noname#175206
noname#175206
回答No.1

 アインシュタインが特殊相対論の論文を発表したとき、彼は自分の理論が幾何学で表せることに気が付かず、数式をぎこちなく操っていました。その論文を読んでも、どうもピンとこなかった人が多かったようです。  アインシュタインの数学の恩師のミンコフスキーが、すっきりと幾何学に書き直してくれました。現在の特殊相対論は、ミンコフスキーが書き直した、いわば「原作:アインシュタイン 作画:ミンコフスキー」といったものなんですね。  さて、水平にx軸、それと垂直に直交して交わるy軸の平面図はよく使いますね。  これの原点(0, 0)から、点(x, y)までの距離sは(「^2」は2乗の意味、2でなくてもこう書いて、エクセルでも使えますよ)、   s^2=x^2+y^2 ですね。平面を扱うユークリッド幾何学ではこうなります。三角形ではピタゴラスの定理でもありますね。  ミンコフスキーはアインシュタインの理論が、時間も距離とすれば幾何学で表せると気が付きました。時間も距離に含めた距離が「世界長」です。  光速度をc、時間をtとして、ct(←速さ×時間で、長さの単位です)とすれば、アインシュタインの理論をすっきり表せます。y軸の代わりに時間軸ctとして、空間を1次元のx方向だけに省略して書くと、世界距離sは、  s^2=x^2-(ct)^2 となります。ここで、時間軸がマイナスになっているところがポイントです。  もし、他の空間2次元分、y軸とz軸も考慮すると、その二つはユークリッド幾何学通り、2乗を足します。  つまり、時間も距離だけど、空間の距離と、2乗したときの符号が逆ということです。  s=0として見ると、±x=±ctです。つまり、直交するct軸とx軸の原点だけでなく、そこから斜め45度の線上はどこでも0、つまり時間と空間を含めたら、距離が0になります。  実は、これが光だけが通れる道筋です。  さて、s≠0のときを考えます。慣性系では、その慣性系にいる観測者は自分が静止と見做して世界を観測します。  別の慣性系も、当然あり得ます。たとえば、駅と等速直線で走る新幹線ですね。  新幹線の速度が駅から見て300km/hとして、新幹線の車内の人が100km/hでボールをレール方向に投げたら、駅からみたら300+100=400km(逆方向なら300-100=200km)です。  これが、ニュートン理論の結論です。こうした計算をするのが、ガリレイ変換です。  でも、地球から光速度の99%で飛ぶ宇宙船が、宇宙船基準で光速の99%で何か物体を発射したらどうなるか。ニュートン理論では、最大で99%+99%=198%で、光速度を超えます。  でも、もし宇宙船で物体を発射するのと同時に光を放ったらどうか。宇宙船基準では、物体は光速度の99%ですから、光のほうが速く、前方に何か壁があれば、物体より光が先に届きます。  これを、地球の観測者が見て、その物体が光より先に壁に届くことがあるのかというと、そういうことはあり得ないとするのが物理学です。壁という同じ場所で起こった物理現象は同じです。光が先に来て、物体が後なのは、地球の観測者にとっても同じです。  光速度はどんな慣性系の観測者にとっても同じ30万km/secです。そうならば、物体は光速度より遅い。つまり光速度の198%ではなく、光速度より遅い速度です。  そういうことを考慮したのが、ガリレイ変換を改良したローレンツ変換です。ローレンツ変換で計算すると、上記のようなことを行っても、光速度より速い速度にはなりません。さらに、どんな速い慣性系から発した光も光速度になるという、これも観測結果と一致する速度となります。  このローレンツ変換から、速いほど時間が遅く進む(時計の遅れ)、速いほど長さが(空間ごと)縮む(ローレンツ収縮)、ある慣性系で時計合わせしてある離れた位置の時計は別の慣性系からみると時刻が合っていない(同時刻の相対性)ということが出てきます。  そういう、ローレンツ変換で計算すると、ある慣性系での世界長s^2=x^2-(ct)^2というのは、どんな慣性系からでも、s^2の値は変わらないということです。  たとえローレンツ収縮という空間ごと長さが縮むということがあっても変わらないんですね。  ただし、xとctは違ってきます。しかし、それを2乗して引き算した結果、つまり世界長は変わらないということです。

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