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北原白秋の童謡あめふりについて
北原白秋の童謡に「あめふり」という懐かしい童謡があります。 その歌詞の中で「じゃのめでおむかいうれしいな」という個所があります。 普通「おむかい」より「おむかえ」だと思うのですが、「い」になった理由を教えてください。 もともとは「オムカヱ」とカタカナで表記されていたようですが、「ヱ」はひらがなに直すと「い」になるのでしょうか。よろしくお願いします。
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1925年の発表時は「ジャノメ デ オムカヒ ウレシイナ」であり、それから四半世紀経った1958年の小学校教科書版では「じゃのめ で おむかえ うれしいな」に変ったものです。 「御迎」は「オムカヘ」「オムカエ」それに「オムカヒ」と訓じられますが、「オモカヱ」というワ行活用は考えられません。 その元となる「迎フ」という動詞について見直してみます。 1.ムカヘ…待ち受ける、招く 自動詞「迎フ」ハ行下二段の連用形「ムカヘ」が名詞形となる。 2.ムカエ…迎えに出る、立ち向かう 室町期より、他動詞「迎フ/邀フ」として、ヤ行下二段での連用形「ムカエ」の名詞形。 3.ムカヒ…向き合う、出向く 自動詞「向カフ/対フ」ハ行四段の連用形「ムカヒ」の名詞形。 4.ムカハル…向き合う、対応する 自動詞「向カハル/迎ハル」ラ行四段の連用形「ムカハリ」の名詞形。 このように、もともと「迎え受ける・招く」自動詞「ムカへ」から、「出迎え」他動詞「ムカエ」が付け加わった形だが、これは狭い意味で見ればお母さん側に適用される動詞であり、学校まで迎えに来てもらった子供側の視線から歌われている今回のケースの場合には、 「対応してもらう・迎わってもらう」意味での、「対フ+迎フ」の両方のニュアンスでの自動詞としてイメージすると「ムカヒ」に来て貰ったからウレシイナとなるとも考えらえます。 したがって、一部でまことしやかに説明される小田原地方の方言でも、単純な「迎フ」と「向フ」の混同でもなく、迎えに出る方と迎えに来て貰う方との自他動詞の区別意識が忍んでいるように思われます。 ですから、多くの辞書にある「「ムカヒ」は「ムカヘ」の変化」が無難に思われます。 むしろ、江戸期には「ムカヒ」の用法が勝っていたケースもあるのかも知れません。 「オムカイブネ(お迎い船) 天神祭船渡御に神輿を迎える各氏子町中の船で、お迎い人形を飾って…」(「大阪ことば事典」講談社学術文庫) 「むかえざけ(ムカへ…)訛って「むかいざけ(ムカヒ…)ということが多い」(「江戸語の辞典」講談社学術文庫) 第二期国定国語読本の出された明治43年(1910年)以降は完全に歴史的仮名遣いに統一されたと見られていますが、それより15年遅れのこの作品の発表時期でも、当時の日常会話レベルでは未だ用語の混在やブレがあったればこそ、どこからも苦情が寄せられるということではなかったのでしょう。 もちろん、現代でも「御迎」には(1)おむかい(オムカヒ)と(2)おむかえ(オムカヘ)の両項が立てられていますから(小学館「国語大辞典」)、「変化」もしくは「訛」ではあっても、古い言い回しや単なる方言ではなく、今も一般語として通用する範疇ではあるといえるでしょう。
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- cyototu
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栃木の親類は、「いんぴつ(えんぴつ)」「いいが(えいが)」と言っていました。 ところで、貴方は飲み物や眼鏡のグラスと葉っぱのグラスの発音の区別が付きますか。そう言えば、イノシシは正確にはヰノシシ、すなわちヰ(ウィ)と鳴くシシ(四つ足動物)のことなのですが、イノシシとヰノシシの区別が付きますか。また、栄華(鼻音)と映画の区別が付きますか。
- born1960
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「迎い」をネット辞書で調べてみると、「迎え」と同じってなってました。 個人的に思うことは「い」と「え」が混在している人が今もたくさんいます。 蠅のことを「はい」威張るを「えばる」お姉さんを「おねいさん」ってかんじでです。 関東にそういう発音をする人が多いと思いますが、北原白秋は熊本の人なので、方言は関係ないかもしれません。 ヱは、ひらがなになおすと ゑ です。エは え です(笑) ヱはどちらかといえば we と発音します。ゥエって感じですね。 余談になりますがウィスキーは社名にもなってますがウヰスキーって書きます。 このヰ は ゐ で wi と発音します。
お礼
つまらないことで、ご丁寧な回答ありがとうございました。迎えと迎いが同じだということに、気が付きませんでした。勉強になりました。
お礼
詳しく教えていただきありがとうございました。