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「こころ」の「上三十一」
日本語を勉強中の中国人です。夏目漱石の「こころ」の中国語版を読み終えました。いま日本語版を読んでいるところです。「上三十一」の中に理解できないところがありますので、お伺いしたいと思います。原文が載っているサイトは次の通りです。ご参考になさってください。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html 1.常よりは晴やかな調子で、「これから六月までは一番気楽な時ですね。ことによると生涯で一番気楽かも知れない。精出して遊びたまえ」といった。 「ことによると」は現代でも使われるのでしょうか。 2.私は思想上の問題について、大いなる利益を先生から受けた事を自白する。しかし同じ問題について、利益を受けようとしても、受けられない事が間々(まま)あったといわなければならない。 「同じ問題」の「問題」は何を指すのでしょうか。直前の文に言及した「思想上の問題」ということでしょうか。 3.「別問題とは思われません。」 「別問題とは思いません」との違いは何でしょうか。 4.あなたは疑るにはあまりに単純すぎるようだ。 (1)ここの「には」はどういう意味でしょうか。 (2)「疑る」は現代でも使われるのでしょうか。 5.「もし私の命が真面目なものなら、私の今いった事も真面目です」 この文はどのように理解するのでしょうか。 また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。
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1,2は#1さんに同じ。 3.「別問題とは思われません。」 「別問題とは思いません」との違いは何でしょうか。 : 文法には弱いので自信はありませんが、この「思われる」は自発動詞とお考えになってよいと思います。 『「別問題とは思われない」ということは自然に(=個人の思惑に関係なく自発的に)導かれる道理である』 ということを「私」は言ったわけです。 そして、その道理の内容について、 「先生の過去が生み出した思想だから、私は重きを置くのです。」 と述べています。 『私だけが「別問題だとは思わない」と言っているのではなく、誰が考えても当然導かれる論理でしょう。』 と言っていることになります。 「別問題とは思いません」の場合は、あくまで 「(他の方がどう思うかわかりませんが、私は)別問題とは思いません」というニュアンスになるでしょう。 4.あなたは疑るにはあまりに単純すぎるようだ。 (1)ここの「には」はどういう意味でしょうか。 : http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/148057/m1u/%E3%81%AB%E3%81%AF/の、 (4)「…する時には」「…の場合には」「…したら」などの意の、軽い仮定条件を表す でしょうね。 「あなたはあまりに単純すぎるようだ。(私=先生が)疑るには」 と書き換えることができます。 ここでの「単純」は「純粋」という意味の褒め言葉と考えて良いでしょう。 直訳的に解釈すると、 『(私=先生)が仮にあなたを疑うとしたら、「あなたが単純(純粋)であるという事実」がそれ(疑うこと)を邪魔するだろう』 となります。 「あなたは単純(純粋)すぎて人をだませる程の知恵(悪知恵[わるじえ])は働かないだろうから、私があなたを疑うことはできない(疑う必要はない)ようだ」 という意味です。 (2)「疑る」は現代でも使われるのでしょうか。 : はい。今でも使われます。 5.「もし私の命が真面目なものなら、私の今いった事も真面目です」 この文はどのように理解するのでしょうか。 : 命は自分の意志で存在しているわけではありません。 あくまで与えられたものです。 しかし、人は自ら生み出す意志というものも持っています。 そういった2面的な事実を前提にして、 『私が今言ったことは自分の真面目な意志から出たものです。 私の命というものが何か不真面目な目的のために与えられて存在しているのでなければ、 私が今言ったことは、真理としても真面目だということは間違いないでしょう』 という意味のことを表現したのでしょう。 「戦争をするために作られたロボット」が人を殺したとします。 そのために作られたので、ロボットは当然良いことをしたと思っています。 それを見ていた人が、 「あなたは本当に良いことをしたと思っているのですか?」 と尋ねます。 ロボットは、 「もし私が良いことのために作られたものなら、私の今やった事も良いことです」 と答えるでしょう。 「私が良いことのために作られたのかどうか」はロボット本人には知る術が無いからです。 「本当に真面目であるかどうか」という点について、「絶対的にそうだ」とは言い切れないが、しかし、自分の意志の及ぶ範囲においては「絶対的に真面目だ」ということには責任を持つ、ということを強調的に述べる一種の語法と言えるでしょう。
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- hakobulu
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#3です > しかし、bという理由もあるので、「~と思われる」は「ものだ」より語気が弱いような気もします。 : おっしゃるとおりですね。 aの場合は「ものだ」と同義になるとお考えになって差し支えないと思われます。(→この「思われます」はbです^^)
お礼
よくわかりました^^。何度もありがとうございました。
- hakobulu
- ベストアンサー率46% (1655/3578)
>自分の意見を述べる時に、「~と思います」という文型を使いますね。でも、「~と思われます」という表現も時々見かけます。どんな時に、「~と思います」を使うのか、どんな時に、「~と思われます」を選ぶのでしょうか。 : 基本的には、おっしゃるように、 『>自分の意見を述べる時に、「~と思います」という文型』 を使います。 自分の判断や感覚に基づいて「~と思います」 と述べていることになりますから、自分の発言に責任・確信を持っている表現ということが言えるでしょう。 (実際にそうであるかどうかは別にして、意味的にそうなります) これに対して 「~と思われます」は基本的には、 自分の判断や感覚をあまり強く前面に出そうとしない表現と言えるでしょう。 その理由には2通りあるように思います。 まず、 a.「こころ」の例のように、自分の判断や感覚というよりは、むしろ一般的な道理や理屈で「~である」と考える(感じる)から。 もうひとつは、 b.自分の発言に責任・確信を持てない、と考える(感じる)から。 つまり、「たぶん~だろう」というニュアンスにしたい場合です。 場合によって違いますが、良く言えば正確を期すため、悪く言えば責任逃れ、という要素は含まれるでしょう。 尤も、個人的な感覚が介入してくるので、a と b との区分は曖昧であるということは言えるかもしれません。 >また、「~と思われます」は「~ものです」のニュアンスに近いでしょうか。 : ご質問の意味が把握し切れていないので、 「~ものです」の具体例をあげていただけないでしょうか。
お礼
ご親切に教えていただきありがとうございます。わかるようになりました。補足させていただきましたので、もう一度お願いいたします。
補足
>ご質問の意味が把握し切れていないので、 「~ものです」の具体例をあげていただけないでしょうか。 aは次の用例の中の「ものだ」に似ているでしょうか。 1.年をとると、体力が衰えるものだ。 2.良薬は口に苦いものだ。 3.人のお宅へ伺う時は、電話をしてからいくものだ。 しかし、bという理由もあるので、「~と思われる」は「ものだ」より語気が弱いような気もします。
- mozofunk
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1.常よりは晴やかな調子で、「これから六月までは一番気楽な時ですね。ことによると生涯で一番気楽かも知れない。精出して遊びたまえ」といった。 「ことによると」は現代でも使われるのでしょうか。 「ことによると」とは「もしかすると」と読み替えることも可能ですが、もちろん今でも使うことがあります。 ただ最近の口語(会話)の中での使用頻度は、ことによると減っているやもしれず。 2.私は思想上の問題について、大いなる利益を先生から受けた事を自白する。しかし同じ問題について、利益を受けようとしても、受けられない事が間々(まま)あったといわなければならない。 「同じ問題」の「問題」は何を指すのでしょうか。直前の文に言及した「思想上の問題」ということでしょうか。 対とお国ではいうんでしたっけ?その通りです。 3.「別問題とは思われません。」 「別問題とは思いません」との違いは何でしょうか。 「思われません」考えることができないということですから、 考えないということより考えたくないという意志が働いていると思います。 4.あなたは疑るにはあまりに単純すぎるようだ。 (1)ここの「には」はどういう意味でしょうか。 疑るということは難しいことなのに、あなたは 簡単に考えている。 あなたには、この作業が向いていない。等というふうに使っています。 (2)「疑る」は現代でも使われるのでしょうか。 今でも使ってますよー! 疑っているんですか? 疑り深い人はいつの世にもいます。 5.「もし私の命が真面目なものなら、私の今いった事も真面目です」 命と同じ 真剣に考えていっている と解釈できませんか? 以上 多分そういうことです。 あなたの日本語は、素晴らしく かつ自然です。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。参考になりました。本当にありがとうございました。
お礼
ご親切に教えていただきありがとうございます。大変参考になりました。まだよくわからないところがありますが、もう一度教えていただけないでしょうか。
補足
3をきっかけにもう少しお聞きしたいことがあります。自分の意見を述べる時に、「~と思います」という文型を使いますね。でも、「~と思われます」という表現も時々見かけます。どんな時に、「~と思います」を使うのか、どんな時に、「~と思われます」を選ぶのでしょうか。また、「~と思われます」は「~ものです」のニュアンスに近いでしょうか。