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「こころ」の「上十九」
日本語を勉強中の中国人です。夏目漱石の「こころ」の中国語版を読み終えました。いま日本語版を読んでいるところです。「上十九」の中に理解できないところがありますので、お伺いしたいと思います。原文を載せるサイトは次のようになります。ご参考になってください。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html 1、「あなた判断して下すって。いうから」 「下すって」はどういう意味でしょうか。 2、 (1)「けれどもその事があってから後(のち)なんです。先生の性質が段々変って来たのは。」 (2)「その人の墓ですか、雑司ヶ谷(ぞうしがや)にあるのは」 上記二文のもともとの順番は「けれども先生の性質が段々変って来たのは、その事があってから後(のち)なんです」と「雑司ヶ谷(ぞうしがや)にあるのは、その人の墓ですか」でしょうか。なぜ倒置するでしょうか。 3、しかし人間は親友を一人亡くしただけで、そんなに変化できるものでしょうか。 文末の「もの」の役割がよくわかりません。この文と「しかし人間は親友を一人亡くしただけで、そんなに変化できるでしょうか」の違いは何でしょうか。 また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
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殆ど#1さんのご回答どおりと思いますが、少し補足してみます。 1、「あなた判断して下すって。いうから」 「下すって」はどういう意味でしょうか。 : 「あなた判断して下すって。」は、 「あなた、判断して下さいます(か)?」という依頼の内容です。 語尾は上がります。 昔の女性言葉だと思います。 現在では殆ど使われないでしょう。 2、 (1)「けれどもその事があってから後(のち)なんです。先生の性質が段々変って来たのは。」 (2)「その人の墓ですか、雑司ヶ谷(ぞうしがや)にあるのは」 上記二文のもともとの順番は「けれども先生の性質が段々変って来たのは、その事があってから後(のち)なんです」と「雑司ヶ谷(ぞうしがや)にあるのは、その人の墓ですか」でしょうか。なぜ倒置するでしょうか。 : なぜ倒置するかというと、「要点(=最も言いたいこと)を真っ先に言うため」です。 (ex) ・彼です。ガラスを割ったのは。私じゃありません。 3、しかし人間は親友を一人亡くしただけで、そんなに変化できるものでしょうか。 文末の「もの」の役割がよくわかりません。この文と「しかし人間は親友を一人亡くしただけで、そんなに変化できるでしょうか」の違いは何でしょうか。 : a. http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/192614/m1u/%E3%82%82%E3%81%AE/の 四](形式名詞) (1)(「…ものだ(である)」などの形で) (ア)普遍的な傾向。 「どんな人もお世辞には弱い—だ」「人間はとかく過去を美化したがる—らしい」 でしょう。 #1さんの「そのような存在」というのがわかりやすい表現だと思いますが、殆ど同じ意味になります。 b. >この文と「しかし人間は親友を一人亡くしただけで、そんなに変化できるでしょうか」の違いは何でしょうか。 : 「しかし人間は親友を一人亡くしただけで、そんなに変化できるでしょうか」は、 「変化できるだろうか?」と問う単純な疑問文としても成立します。 「しかし人間は親友を一人亡くしただけで、そんなに変化できるものでしょうか」は、 「変化できるという普遍的な傾向を持っているだろうか?」という意味になります。 「普遍的な傾向」「本来性」といったような根本的性質に関する疑問を敢えて発することで、 「いや、そんなことは無いだろう」という否定的な考え方を前提とした疑問文である、と言えるように思います。
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- garamond
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1.「くだすって」は「くださって」のバリエーションです。 2.おっしゃる通りの倒置です。 まず“ぜひ言わなければならないこと”、“強調したいこと”を言った後、完全な文ではないのを補正するために、通常の語順では前にあるはずの“相手にとっては既知の事柄”を附け加えるのだと思います。 3.この「もの」は本来は「者」「物」「存在」です。 “人間は……変化できる(類の、そのような)存在でしょうか” というのがもとの意味です。 ですから、 “人間は……できる【ものである】か否か”を問うのであって、 “人間は……【できる】か否か”を問う場合とは異なるのです。 >なぜ倒置するでしょうか。 「なぜ倒置するのでしょうか。」と言うほうが自然です。 >原文を載せるサイトは次のようになります。ご参考になってください。 「原文を載せるサイトは次の【通りです】。ご参考に【なさって】ください。」 昔は普通に「参考する」と言いましたし、今でも 「諸説を参考して、是と思われるものを採った。」 のように言われることもなくはありませんが、一般には「参考【に】する」と言います。 参考する→御参考になる (△) 参考にする→御参考になさる (○)
お礼
ご親切に回答していただきありがとうございます。よくわかりました。質問文の添削にも感謝いたします。とても参考になりました。本当にありがとうございました。
お礼
ご親切に回答していただきありがとうございます。疑問が解けました。わかりやすく説明していただき、大変助かりました。非常に参考になりました。本当にありがとうございました。