• ベストアンサー

「こころ」の「上二十六」

 日本語を勉強中の中国人です。夏目漱石の「こころ」の中国語版を読み終えました。いま日本語版を読んでいるところです。「上二十六」の中に理解できないところがありますので、お伺いしたいと思います。原文が載っているサイトは次の通りです。ご参考になさってください。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html 1、実際その時の私は、自分のなすべきすべての仕事がすでに結了(けつりょう)して、これから先は威張って遊んでいても構わないような晴やかな心持でいた。  ここの「威張る」はどういう意味でしょうか。 2、それでもその日私の気力は、因循(いんじゅん)らしく見える先生の態度に逆襲を試みるほどに生々(いきいき)していた。  「因循(いんじゅん)らしく見える先生の態度」はどういうことでしょうか。 3、やがて若葉に鎖(と)ざされたように蓊欝(こんもり)した小高い一構(ひとかま)えの下に細い路(みち)が開(ひら)けた。  「一構(ひとかま)え」という言葉は現代でも使われるのでしょうか。 4、植込(うえこみ)の中を一(ひと)うねりして奥へ上(のぼ)ると左側に家(うち)があった。  「一(ひと)うねりして」はどういう意味でしょうか。 5、 (1)芍薬(しゃくやく)も十坪(とつぼ)あまり一面に植え付けられていたが、まだ季節が来ないので花を着けているのは一本もなかった。 (2)同じ楓(かえで)の樹(き)でも同じ色を枝に着けているものは一つもなかった。  この二つの「着ける」はどういう意味でしょうか。  また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • hakobulu
  • ベストアンサー率46% (1655/3578)
回答No.2

1、実際その時の私は、自分のなすべきすべての仕事がすでに結了(けつりょう)して、これから先は威張って遊んでいても構わないような晴やかな心持でいた。  ここの「威張る」はどういう意味でしょうか。 : 「威張る」はご承知のように、「強そうに、または、偉そうに振る舞う。 」という意味です。 やることをやらないで「遊ぶ」のは非難を浴びますが 卒業論文を仕上げるという自分の義務を果たした後なので、たとえ遊んでいても「私はやるべきことはちゃんとやり終えたんだから、遊んでもいいのだ」と偉そうに言える立場にある。 ということでしょう。 2、それでもその日私の気力は、因循(いんじゅん)らしく見える先生の態度に逆襲を試みるほどに生々(いきいき)していた。  「因循(いんじゅん)らしく見える先生の態度」はどういうことでしょうか。 : 「因循」は、 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/13656/m1u/%E5%9B%A0%E5%BE%AA/の、 (2)ぐずぐずして煮えきらないこと(さま)。 でしょう。 直前の 「先生はいつもの調子で、「なるほど」とか、「そうですか」とかいってくれたが、それ以上の批評は少しも加えなかった。私は物足りないというよりも、聊(いささ)か拍子抜けの気味であった。」 という部分を受けた言葉です。 「私」としては、自分の書いた卒業論文について、「○○は良いね」とか「△△の部分は良くないね」など、はっきりした批評を先生にして欲しかったわけです。 しかし、「なるほど」とか「そうですか」とか言うだけで、「先生がどう思っているのか」が一向にわからない。 自分の考えをはっきり言わない先生の態度を「煮え切らない」と感じた。 ということです。 3、やがて若葉に鎖(と)ざされたように蓊欝(こんもり)した小高い一構(ひとかま)えの下に細い路(みち)が開(ひら)けた。  「一構(ひとかま)え」という言葉は現代でも使われるのでしょうか。 : 使われることは使われるでしょうが、一般的に使う人はあまり多くはないでしょう。 (1)一軒の家。(2)ひとかたまり。 という意味らしいですが、 いわゆる「難しい言葉」「かしこまった言葉」のひとつぬ分類されるように思われます。 ただ、日常の場面で使用しても特に違和感があるわけではないと思います。 4、植込(うえこみ)の中を一(ひと)うねりして奥へ上(のぼ)ると左側に家(うち)があった。  「一(ひと)うねりして」はどういう意味でしょうか。 : 2人は「若葉に鎖(と)ざされたように蓊欝(こんもり)した小高い一構(ひとかま)え」の中にある細い道を登っていったわけですが、その道が蛇行しながら(うねるように)上のほうに上がるようになっていたのでしょう。 一度蛇行したあたりの地点で家があった。 ということだと思います。   5、 (1)芍薬(しゃくやく)も十坪(とつぼ)あまり一面に植え付けられていたが、まだ季節が来ないので花を着けているのは一本もなかった。 (2)同じ楓(かえで)の樹(き)でも同じ色を枝に着けているものは一つもなかった。  この二つの「着ける」はどういう意味でしょうか。 : おそらく、正式には「付く」だろうと思われます。 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/129484/m1u/%E4%BB%98%E3%81%8F/の1の (4)主たる物に付随的なものが添えられる。 (ウ)草木の芽が出る。実がなる。 「今年は桃のつぼみが—・かない」「梅の実がいっぱい—・く」 でしょう。 漱石には当て字が多いのですが、これもそのひとつだろうと思います。 (ここは自信がありません。もしかすると間違っているかもしれません) ただ、「花を着ける」「色を枝に着ける」といった表現は、 「木々が美しい花を纏っている(=着ている)」という感覚で捉えていることになり、むしろこちらの漢字のほうが適切なような気もしてきますね。  

1mizuumi
質問者

お礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。よくわかりました。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

その他の回答 (1)

回答No.1

1、「威張る」  「威張る(いばる)」は本来、「強そうに、または、偉そうに振る舞う。」の意味ですが、 (国語辞典より引用) ここでは「遠慮なく」とか「堂々と」の意味で使っているのではないかと思います。 1mizuumi さんも、何かご自分にとって重い仕事を片付けられた後、晴れ晴れとした気分になり、しばし解放感に浸られた経験がおありだと思いますが、この時の「自分をほめてあげたいような」気持ちを想像していただいたら良いのではないかと思います。 2、「因循(いんじゅん)らしく見える先生の態度」  辞書的な意味合いは以下のとおりです。 申し訳ありませんが、原文を確認していませんので(1)のいわゆる「頑固者(がんこもの)」の意味で使われているのか、(2)の煮え切らない性格の意味で使われているのか、判断がつきません。 (「逆襲を試みる」とあるので、(1)の方でしょうか) 「(1)古い方法・習慣に従って改めようとしない・こと(さま)。 (2)ぐずぐずして煮えきらないこと(さま)。」 3、「一構え」  よくわかりません。少なくとも私の今までの人生の中でこの言葉を人が発するのを聞いた記憶はありません。 ただ、意味合いは何となくわかりますので、ちょっと年配の方でしたら使われそうな気もします。 4、「一(ひと)うねりして」  「波がうねる」という表現は良く使いますが、私はこの文のような使い方は見たことがありません。 意味としてはおそらく、植込みの中(草木が高密度に植え込まれた所)を、草木を避(よ)けて回り込むような形で歩いている様子を表しているのではないかと思いますが、自信がありません。 5、 (1)「花を着ける」  これは、「花を咲かせる」(「花が咲いている」)の意味で良いと思います。 (2)「枝に着ける」  これも自信なしですが、「同じ色を枝に着けているものは一つもなかった。」=「同じ色をした枝は一つもなかった。」の意味でご理解いただいて良いと思います。擬人法(ぎじんほう)的な使い方なのでしょうかね。

1mizuumi
質問者

お礼

 早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

関連するQ&A