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三角点の標石の向き
近くの一等三角点を尋ねました。 標石は一辺20cm四角柱の花崗岩でした。 四角柱の標石は「一定の向き」が定められて埋設されているのでしょうか。 分かりましたら教えてください。よろしくお願いします。
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#2,3です。 tiearuさん、BOTANKOUさん、ありがとうございます。 地磁気の件、BOTANKOUさんありがとうございました。 さて、自分でハードルをかなり上げてしまったような気がしますが…ハードルを棒高跳び並に上げてしまいますと、恐らくBOTANKOUさんが予想されている職に私は就いています。匿名性がなくなるのでこれ以上の発言はできませんが… そこで言い訳なのですが、私は三角点を直接扱う「測地」の部署の人間ではなく、地図を扱う「測図」の部署の人間です。 従いまして、一通り研修は受けて三角点の埋設の経験もあるものの、百戦錬磨のスペシャリストではありません。 それをご承知の上で参考にしていただければ嬉しいな、と思います。 前置きが長くなりましたが、山頂でも柱石はピタリと合わせています。 まず重たい柱石を山頂まで運ぶ作業ですが、「測手(そくて)」という山登りのスペシャリストが存在していまして、その人たちが運んでいきます。 映画「劔岳」なんかにも、うじゃうじゃいらっしゃいましたね。 選点作業ですが、そもそも山ですのでスコップ等で掘ることが可能な土の地面を選ぶのが基本です。 私たちが住んでいるところはアスファルトですので、こちらは金属標を使います。 埋設作業ですが、スコップ等でとにかく掘ります。2~3名で足ります。 盤石を埋めます。気泡により水平を保ち、かつ方位磁針により真北を保ちます。 この作業が意外に大変です。盤石の下に土を少しずつ入れて微調整をしなければなりません。 ここからが本題…この後柱石をすぐに置くのではなく、小さな「やぐら」を立てます。 (セオドライトによる)三角点の目標のための大きなやぐらではなく、人間の腰の高さくらいの簡単なやぐらです。 「コ」の字を反時計回りに90°回転したものを、盤石のある穴の両側の地面(←この地面は穴に被っていない)に刺します。 そしてそのやぐらの中央から糸とオモリを、盤石に刻まれている十字に向けて垂らします。 垂らした状態は「E」を時計回りに90°回転した感じで、真ん中の線が糸とオモリです。 オモリが盤石すれすれになるよう糸を伸ばし、十字に合わさるよう「やぐら自体」を動かします。 ※+――+――+ ※|※※|※※| ※|※※|※※| ※|※※|※※| ■■■※|※■■■地面 ■■■※|※■■■ ■■■※↓※■■■ ■■■―――盤石■ ■■■■■■■■■ ※…空白 オモリが盤石の十字に合えば、この糸を上へ巻き上げます。 ※+――+――+ ※|※※|※※| ※|※※↓※※| ※|※※※※※| ■■■※※※■■■地面 ■■■※※※■■■ ■■■※※※■■■ ■■■―――盤石■ ■■■■■■■■■ そして柱石を置きます。 ※+――+――+ ※|※※|※※| ※|※※↓※※| ※|※※□※※| ■■■※□※■■■地面 ■■■※□※■■■ ■■■※□※■■■ ■■■―――盤石■ ■■■■■■■■■ ここでオモリを柱石の十字スレスレの高さに糸を合わせ、今度は「柱石自体」の十字をオモリに合わせます。 盤石の中心に柱石を合わせるには、盤石の十字そのものを柱石で隠してしまうため、このオモリが必需品なのです。 後は方位磁針やオモリと相談しながら土を埋めます。 ※+――+――+ ※|※※|※※| ※|※※↓※※| ※|※※□※※| ■■■■□■■■■地面 ■■■■□■■■■ ■■■■□■■■■ ■■■―――盤石■ ■■■■■■■■■ BOTANKOUさんは「ここで柱石が回転してしまわないのか」とお思いですが、柱石が動かないように土を慎重に埋めているので、回転ほとんどありません。 土で埋めている最中に回転が発覚すれば掘り起こして再度調整です。 後はやぐらを撤去して、三角点の設置完了です(厳密にはこの時点では「ただの柱石」)。 ご清聴ありがとうございました。 お二方にうまく伝わっていれば幸いです。 三角点に興味をお持ちな方に出会えたことが嬉しいです。 何か疑問等ございましたらお待ちしております(^_^;)
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- imasokari
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#2,3,5,imasokariです。 tiearuさんの質問板なのに、掲示板のように書き込んでしまい、申し訳ありません。 ただ、この「教えて!goo」の「地理」の質問の中に、このようなベタな測地の質問は滅多にありませんので、私も嬉しくなって色々と書いてしまっている有り様です。 そんな私を、どうかご容赦ください。 botankouさんの文章を拝見していて、何かモヤモヤしていることがありました。 先程そのモヤモヤに気付きまして、慌てて調べたところ、お恥ずかしい話ですが私の間違いが発覚いたしました。 真北は「しんぼく」ではなく、「しんぽく」が正しいのですね(*_*) 今までずっと「しんぼく」と読んでいました。私の先生や上司・先輩等のプロ集団が「しんぼく」と口を揃えて言っていたので、今日まで全く気付きませんでした。 「架線」を業界では「がせん」というように、真北を業界では「しんぼく」と呼んでいるということなのかもしれません。 tiearuさんに対しまして、改めて訂正をいたします。 そしてbotankouさんに対しまして、私にこの発見を下さり本当に感謝しています。 自分ではわかっているつもりでも、まだまだ自分の知らないことは沢山あるということを改めて気付かされました。 こうやって皆さんと知識を共有しあえることは、本当に素敵な機会だと思います。 tiearuさん、botankouさん、本当にありがとうございました。また素敵なご質問・ご回答を楽しみにしております(^-^) ということで最後にネタを一つ… 三角点は山頂にあるため、登山者にとっては 「三角点に辿り着く」=「登頂完了」 という意識があります。 ところで、山頂にある三角点、妙に角が丸まっていたりしないでしょうか? 実は、悪質な登山者が登頂の証として三角点を削って持って帰るようでして、そのため角が丸まってしまっています。 メジャーな山で三角点付近の視界が不良な場合、特に顕著に見られます。 ほんの一部の登山者だけの行為なのですが…登山ブームの増す中、三角点の重要性ももう少し浸透してくれないかなぁなんて考えています日曜日の深夜でした(^.^)
- botankou
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imasokari様へ、 詳細な説明、本当にありがとうございました。 私の勝手な質問に対して、ご丁寧な回答、感謝の念に絶えません。 これだけの書き込みに相当なお時間を使われたことと思います。 お礼の言葉をうまく表せません。 またtiearu様には、ご自身の質問板に勝手に便乗させていただき、 厚く御礼申し上げます。 一番下の私の回答など高圧的な文章で、本当にお恥ずかしい限りです。 この場を借りてお詫び申し上げます。 三角点は、先人達のたゆまぬ努力の成果なのですね。 古びた三角点を見ていると、なにか「オレはここでずっと日本を標記し続けているんだ!」との意気込みが感じられます。 それは力強さというよりも優しさを感じさせる意気込みのように思えます。 古びた三角点を見つけると、そんなふうに感じるのは私だけかもしれませんが。 tiearu様へ。 知り合いの測量士の手伝いで、真北(しんぽく)の方位を出すために太陽を観測した時ですが、 太陽って、すごいスピードで動いているんですよ。 地球の自転の早さを感じる瞬間で感動しました。 質問内容とは全く関係ないのですが、御礼の意味もこめまして 僭越ですが私が感動した出来事として書き込ませていただきます。 このたびは、本当にありがとうございました。
お礼
botankouさま 三角点の見方を深めることが出来ました.有難うございました.
- botankou
- ベストアンサー率62% (211/339)
No1です。 imasokari様のように基準点測量の従事者ではありませんが(山好きだったので、独学で測量学も勉強した者ですが)、 補足させていただきます。 三角点の刻文字は原則として、南側に「三角点」、西側に「国地院」、東側に「基本」、北側に6桁の文字が入ります。 しかし三角点の標石も古い物となると、結構、南面がずれているものがあるのも事実です。 私も山に登って何回かそういった標石をみかけたことがあります。 またご指摘の通り、大きな岩盤等とかがあると地磁気の関係で磁北が大きく乱れることがあります。 そのために磁流に影響されない太陽や北極星を観測して、真北(しんぽく)を計算で算出します。 tiearu様に怒られるかもしれませんが、 ただ私がtiearu様の質問に関連して疑問に思っていることは、 逆にimasokari様のような経験者にお聞きしたいのは、 柱石や盤石などを埋設する時は、柱石は60キロと相当に重いですよね。 三角点そのものは、ずれないことは当然ですが、 中心点さえあっていれば、標石の位置ががある程度ずれる(回転している)状態はやむを得ないものなのではないでしょうか? 街中ならば土を掘削するために、いろんな道具や器械を使用できますが、 山の頂上ならばそういった掘削器械を運ぶのも難しいと思います。 人海戦術で手作業となると思われますので、埋設時にどうしてもずれてくる(わずかに回転してくる)のではと思われます。 tiearu様が気分を害されるかもしれませんが、 この点が私がずっと抱いている疑問です。 実際に三角点の標石を埋設した経験があればよいのですが、 机上の勉強だけでは、こういうところが答えられないので申し訳なく思います。 また勝手にtiearu様の質問板に便乗しましたことを、どうかお許しください。
お礼
BOTANKOUさん 有難う ・ 今度太陽で方位を決めてみます。 ・ 往時牧場と思われ、幅の広~い尾根で集落から近間だから 埋設の困難さは考えられない現地です。 ・ 現地はジュラ紀の粘板岩や硅岩の領域だからあまり<大きな岩盤等とかがあると地磁気の関係で磁北が大きく乱れる>30°も乱れるとは一般に考えられないけど(実際は分からない) ・ 一等三角点だから規程に慎重に従っていると考えてしまいました.
- imasokari
- ベストアンサー率30% (25/81)
#2です。 原則、S180°側が「○等三角点」ですが、例外もあるようですね。 私は三角点に携わる仕事をしていますが、私はそういう例外に出会ったことがありませんでした。 三角点の構造ですが、ご存じの通り、柱石の下には盤石が埋められています。 その盤石は方位に沿って設置されていまして、その盤石に合わせて柱石が据えられます。 そのため、柱石の方位は合うのが原則です。 一等三角点ということで、古いものでしょうから、その当時はそういう拘りがなかったのか、地震等でずれたのか…謎が残りますね。 最後に余談ですが… 方位磁針の北は「磁北(じほく)」といい、経線に沿った本当の北を「真北(しんぼく)」といいます。 東京~福岡あたりですと、磁北は真北に対して約マイナス7°(西偏7°)ずれています。 言い換えれば本当の北である真北は、方位磁針ではN7°Eを指します。 質問者さんの「N30°E」は、これで7°分カバーできますので「N23°E」まで頑張れます(^_^;)。 後は樹海と仮定して地磁気の乱れを考慮して…少し強引でしょうか(._.)
お礼
Imasokariさん磁北・真北のことありがとうございます。 なお、「樹海」と仮定・・・の、樹海と地磁気の関連を知りたいです。 そして、地磁気の乱れで真北と±「23°」異なることも考えられるのですね。
- imasokari
- ベストアンサー率30% (25/81)
こんばんは。 向き、というのは方角のことですよね? 標石の「○等三角点」と書かれてある側が「南側」になります。 言い換えれば、標石に向かって「○等三角点」であれば、あなたは「真北」を向いていることになります。
お礼
imasokariさん、回答ありがとうございました。良くわかりました。 ◆私が遭遇した「一等三角点」は北30°東に向いていたのでした。 つまり「標石」に向かって「一等三角点」と書いてある面を見たとき、 僕は「N30°E」(登山用コンパス使用)の方向を向いたのでした。 すると僕の遭遇した「一等三角点」標石埋設のしかたは「例外」と考えられるのでしょうか!
- botankou
- ベストアンサー率62% (211/339)
三角点、多角点、水準点の名称は、その作業方法に基づいてつけられた名称なんですよ。 そして三角測量により水平位置が求められた点のことを三角点といいます。 国家三角点は、原則として花崗岩とその下部に置く花崗岩盤石から構成されています。 このような構成になっているのは、標柱と盤石の中央を一致させることにより、 万一標柱に事故があった場合でも、盤石が不動ならば標柱を容易に再現できるからです。 尚、これら国家基準点標石の大きさ、形状等は測量法によって規定されています(測量法は昭和24年6月に成立)。 その管轄は国土交通省の国土地理院であり、各地方測量部が事務窓口になっています。 名古屋でしたら中部地方測量部、大阪でしたら近畿地方測量部です。 尚、設置基準等は国土交通省公共測量作業規程 測量法作業規程の準則によって定められています。 http://www.noboribetsu-sangakukai.com/sankakuten.pdf#search 尚、測量に関しては、あくまで点(基準点)の位置が重要であり、柱石やまわりの保護石の置き方までは特に定められていません。 埋設する場所の土地形状や地盤の状況によって、保護石などの並び方を臨機応変に変える必要もあります。 剣岳の頂上などを想定していただければ結構です。 (先日の節分ではありませんが、巻き寿司を食べるのに恵方をきめるような考え方とは 根本的に重点の置き方がちがうからです。)
お礼
さっそくのご回答ありがとうございます。 公共測量作業規程など教えていただきました。
お礼
imasokariさん 詳細な作業手順に納得です. 重要なのは盤石で、「柱石」 「おもり」 「糸」 「やぐら」の関連も分かりました. 尾根は基岩が浅い場合が多いから、尾根に「盤石」を埋設される作業はかなり困難だろうと想像しています.