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パデ近似の利点について教えて下さい。

パデ近似はテーラー展開を分母と分子にもつようなものですが、 ・これの具体的な計算の仕方を教えて下さい。 ・テーラー展開に対する利点を教えて下さい。 手元にある本には、「有限の級数展開を無限級数に置き換えることが出来る」、と書かれてあります。ネットで検索してみると「有理関数には基礎演算しか使われないので,数値的評価が非常に簡単である.」 と書かれていますが、一体パデ近似の御利益は何なのでしょうか? どういうときにこれを使えば良いのでしょうか?

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  • info22
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回答No.1

・これの具体的な計算の仕方を教えて下さい。 たとえば f(x)=log(x) の(x-1)^6項までTaylor展開で関数近似をする =x-1-(x-1)^2/2+(x-1)^3/3-(x-1)^4/4+(x-1)^5/5-(x-1)^6/6 +... これを使ってwxMaximaを使ってパデ近似すると (%i1) pade(f,6,4); を実行するとパデ近似関数の5通り計算してくれる。その中の分子と分母の次数差が少ない近似関数を選んでやると f(x)=(11*x^3+27*x^2-27*x-11)/(3*x^3+27*x^2+27*x+3) が得られる。 ・テーラー展開に対する利点を教えて下さい。 同じ次数のテーラー展開の項数を使用しても、テーラー展開より広い範囲で近似精度が良い。(log(x)のグラフ、x=1の周りのTaylor展開6次打切りとそれに対するPade近似の比較図参照) > 一体パデ近似の御利益は何なのでしょうか? パデ近似は、ある変数の広い変化範囲で近似度が一定で誤差が少ない。一方。テーラー展開では展開の中心xから離れるほど近似誤差が大きくなり 、パデ近似と同じ精度の数値計算をしようとするとテーラー展開の項数を相当沢山とらないと同じ程度の誤差にできない。つまり展開の中心から離れるとテーラー展開は急速に近似度が落ち収束が悪くなってしまうがパデ近似は近似次数を上げなくても近似度が落ちないという長所を持っている。 より少ない、項数の有理多項式で、高精度の計算が広い変域に渡って可能である。 グラフを参照して貰えば明らかですね。

motarou
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 大体のことは分かったのですが、やはり気になることがあります。 ・wxMaximaを使って計算して下さったようなのですが、一体どういうアルゴリズムというか計算で展開しているのでしょうか?テイラー展開みたいに微分を繰り返していくのでしょうか? ・このグラフを見る限りパデ近似はもとのグラフと完全に重なっており、テイラー展開は用なしに思えてくるのですが、正直パデ近似を使っているものは、いままで2回ほどしか見かけたことがありません。 テイラー展開に対してこれほど有用に思えるのに、それほど利用されないのはなぜなのでしょうか? ・それとできればパデ近似に関して詳述してある書籍などがありましたら教えて下さい。一応学部レベルの物理と数学は勉強したつもりですが、これは習ったことがありません。 よろしくお願いいたします。

その他の回答 (5)

  • arrysthmia
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回答No.6

> テイラー展開は用なしに思えてくるのですが、 > 正直パデ近似を使っているものは、いままで2回ほどしか見かけたことがありません。 > テイラー展開に対してこれほど有用に思えるのに、それほど利用されないのはなぜなのでしょうか? 恐らく、面倒くさいからです。 所詮は、少ない項数で近似精度を上げよう… というミミッちい話ですから、 多項式近似でも目的の精度が得られるなら、式が簡単なほうが好まれる訳です。 その際、テーラー近似を使うよりも、 一般の多項式近似の中から曲線の当てはめを行ったほうが、区間全体での 近似精度は上がります。テーラー近似は、テーラー展開に由来しているために、 どうしても、中心近傍での精度だけが偏重されてしまうのです。

  • info22
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回答No.5

#1、#4です。 >体どういうアルゴリズムというか計算で展開しているのでしょうか? 以下にPade近似の求め方の具体的な手順が載っていますので参考にして下さい。 http://www.finetune.co.jp/~lyuka/technote/fract/pade.html http://amath.colorado.edu/courses/7400/2008fall/003/Pade.pdf http://math.fullerton.edu/mathews/n2003/PadeApproximationMod.html ↑のsolutionのところをクリックすると詳細があります。

  • info22
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回答No.4

#1です。 A#1の補足質問の回答 >・wxMaximaを使って計算して下さったようなのですが、一体どういうアルゴリズムというか計算で展開しているのでしょうか?テイラー展開みたいに微分を繰り返していくのでしょうか? 微分は繰り返さず未定係数法で係数の連立方程式を解くだけでいいですね。 f_n(x)をf(x)のTaylor展開をn次項までで打ち切った多項式とします。 パデ近似関数の計算原理はPade近似の定義に従って、求めたf_n(x)の係数とパデ近似の有理多項式g_n(x)=p_m(x)/q_r(x),(m+r=n)の係数の関係の連立方程式を解くだけです。つまり、q_r(x)を両辺に掛けた多項式方程式 f_n(x)q_r(x)=p_m(x) を恒等式と見做して、未定係数法つまり、xの同じ係数間に成り立つ関係式から全ての係数が整数である有理多項式であるp_m(x),q_r(x)を求めてパデ近似式g_n(x)を決定してやれば良いですね。 >・このグラフを見る限りパデ近似はもとのグラフと完全に重なっており、 拡大すれば完全には重なりません。 >テイラー展開は用なしに思えてくるのですが、 >正直パデ近似を使っているものは、いままで2回ほどしか見かけたことがありません。 >テイラー展開に対してこれほど有用に思えるのに、それほど利用されないのはなぜなのでしょうか? x=aの周りにTaylor展開近似(n次の項までの打ち切ったもの)は|x-a|が大きくなると急速に近似精度が落ちます。近似精度を同じに保つには|x-a|が増加するにつれ、打ち切り項数nを大きくしないといけません。逆に|x-a|が小さいxの範囲(近傍)では打ち切り項数n≦3でも十分実用になります。 つまり,f_3(x)=f(a)+f'(a)(x-a)+f''(a)(x-a)^2/2+f'''(a)(x-a)^3/6 で十分役立ち、手計算でもこの近似式は簡単に出せます。 実際の手計算での関数近似は3項位が限界ですね。 この近似計算は|x-a|<<R(Rは収束半径)という条件が必要です。 その範囲のxにおける近似計算ならTaylor展開近似が有利かと思います。 Pade近似はx=aの近傍でもより広い範囲を対象した近似式のため、その範囲での近似精度を確保するため、分子と分母の多項式の次数を多少多めに捕りますので連立方程式を解く手間がかかります。3次の微係数を求めるより3変数の連立方程式を解く方が手間がかかるかと思いませんか? 計算機で一旦パデ近似関数を求めておいても、有理多項式の分数形式の有理関数のの値を手計算で計算するのも大変ですね。Taylor級数近似式から近似値を計算した方が簡単かと思いますね。 >それとできればパデ近似に関して詳述してある書籍などがありましたら教えて下さい。 書籍でPade近似を勉強していません(多分大学で授業に使う数学や物理の教科書には載っていない)ので紹介できません。数式処理ソフトの関連マニュアルや高度な専門書やそれを取り扱う大学院の授業などでないと詳細には扱っていないでしょう。 内外の大学院の講義資料や数式ソフトの説明や専門家の論文資料などがネットに公開されていますので、#2さんも触れて見えますが「パデ近似」,「pade approximation」、「Pade 近似」などのキーワードでGoogle検索すれば、沢山のサイトが出てきますので、参考になるかと思います。

  • arrysthmia
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回答No.3

御理解戴けなかったようですが、No.2 では、 「テーラー展開」は、一点近傍での無限級数による表示、 「テーラー近似」は、それを有限項で打ち切った近似、 「多項式近似」は、テーラー近似とは限らない一般の多項式による近似 の意味で使い分けています。 そのつもりで読み直して戴いたほうが、内容が伝わると思います。 ローラン展開も、テーラー展開も、近似ではなく、 収束円内ではもとの関数と一致するものですから、 誤差は0であり、「精度」という考えが意味を持ちません。 パデ近似とテーラー近似(を含む多項式近似)の比較については、 No.2 に述べました。

  • arrysthmia
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回答No.2

以前、他の方の質問に沿って、 Pade 近似について調べてみたことのある者です。 http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3885115.html 上記質問内に、参考サイトへのリンクがあります。 まず、 > パデ近似はテーラー展開を分母と分子にもつようなものですが、 というのが、少し違います。 パデ近似は、有理式による近似ですから、分子分母に多項式を持ちますが、 分子分母の多項式は、級数ではなく、「有限次の」多項式です。 この点は、パデ近似の利点と関連して、重要です。 パデ近似は、分子と分母の次数の和が一定以下という条件の下で最良の 有理式近似を与えます。条件内の有理式には、分母が定数式のものも 含まれますから、パデ近似の精度は、(有限次)多項式近似より悪いことは ありえません。 テーラー近似は、数ある多項式近似の中でも、ある区間での最良ではなく、 一点(展開の中心)近傍での近似精度をねらったものですから、 二乗積分誤差など区間での誤差評価をすれば、当然、 テーラー近似の誤差 > 多項式近似の最良誤差 > パデ近似の最良誤差 となります。 では、どういう場合に、有理式近似のほうが真に良いのかというと、 目的の関数が特異点を持つ場合が、顕著に良いです。 テーラー級数の収束半径が、展開中心から一番近い特異点までの距離であること を見ても解るように、べき級数展開は、特異点の近傍で収束が遅くなります。 それは、ベキ級数を有限次で打ち切ったものである多項式近似の誤差が大きくなる ということ。 有理式近似であれば、近似式自体が極を持ちますから、目的関数の極まで 再現することができます。 繰り返しになりますが、有理式近似は、多項式近似をも含むものですから、 有限次の近似を考える限り、多項式近似に劣ることはありません。 多項式近似が最適な場合には、有理式近似を求めた結果が、たまたま 多項式になるだけです。 これに対して、テーラー展開の利点は、式形の単純さにあります。 そのために、理論的な取り扱いがし易い。 次数→∞ の極限を考える際には、有限次近似での精度など関係ありませんからね。

motarou
質問者

お礼

ありがとうございます。 結局はテーラー展開の利点は理論的な取り扱いがし易い、ということだけだということですね。 それと気になったのですが、特異点の持つ場合にテーラー級数が不利だという話ですが、ではパデ近似はローラン展開と比べるとその精度はどうなのでしょうか? テーラー近似の誤差 > 多項式近似の最良誤差 > パデ近似の最良誤差 の関係いくとローラン展開はテーラー近似に入るのでしょうか?

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