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TIME誌新年号の記事の一節・Thanks to al-Zaidi~
手元に質問が溜まっていますので、決着のついていない質問が前にありますが、同時並行して質問させていただきます。 TIME誌の新年号(年末年始合併号)の Briefing と題するコーナーの小記事からの質問です。 ブッシュ大統領がイラク訪問中に記者のひとりから靴を投げつけられるという前代未聞の暴挙(あるいは快挙)について触れた記事です。 最後の段落の文章で、念のため意味を確認したい文章があるので、質問させていただきます。 ひとつ前の段落から引用します。 In the U.S. a different story is drawing to a close: one that began with Bush standing defiantly atop a heap of rubble at ground zero and started its downward spiral when he stood before an ill-advised banner reading mission accomplished. At home, the pelting of the President led to more merriment than anger. Thus the plight of his Administration in its final days: unpopular at home and unloved even by those for whom it expended American blood and treasure to free from tyranny. Still, al-Zaidi may have done Bush a favor. In an ABC News interview the next day, the President conceded for the first time that al-Qaeda had no presence in Iraq before the U.S. invasion, adding, "So what?" In another news cycle, this admission would have dominated the headlines: that after the debunking of Bush's original excuse for war --- Saddam's weapons of mass destruction --- his argument that Iraq was a crucial nexus in the global war on terrorism also held no water. Thanks to al-Zaidi, nobody heard the other shoe drop. 最後の段落の Thanks to al-Zaidi, nobody heard the other shoe drop. という文章で、筆者の意味するところをご教示ください。 (なお、「the other shoe drop」等、表面的な単語・熟語・構文の意味を長々とご教示くださるには及びません) 参考までに、やや自信のない箇所もありますが、第1段落と第2段落の訳を下に示します。 イラクをめぐる歴史が次回書かれるあかつきには、アメリカがイラクに進攻した時に引き続く疾風怒濤の時代を叙述する章は、象徴的なイメージが初めと終わりで用いられることになるだろう。初めのものは、2003年、フィルドス広場に集まり歓声を挙げるイラク人民のイメージだ。彼らは倒されたフセインの銅像に向かって靴やブーツを投げつけている。終わりの方は、2008年、ブッシュが任期最後のイラク訪問となるバグダッドでの記者会見中、投げつけられた靴を身をかわして避けるイメージである。靴を投げつけることは多くの東洋諸国で重大な侮辱行為とされている。自分の10サイズの靴を投げつけようと決意したおかげで、イラクテレビの記者ムンタゼル・ザイディは多くの人間にとってあっという間に英雄になった。ただし、そういった行為はジャーナリストの客観性の規範に反することはもちろん、人を歓待する際のアラブ世界の掟にもそむくと説く人間もいる。しかし、今回の行為の背後にひそむ感情は広く一般に共通している。つまり、こうだ。イラクは確かにサダム・フセイン治下の時代よりも将来に希望を持てる社会に現在なっているかもしれない。だが、イラク国民は断じて自国が進攻を受けたことに感謝する気はないということだ。(ザイディ記者の扱いがどうなるかは不明である。しかし、イラク首相のヌーリ・マリキ氏がサダムよりも寛容な態度を取ることは明白だ) アメリカ本国ではまた違った話が結末を迎えようとしている。その始まりはブッシュが同時多発テロが起こった場所の瓦礫の上に雄々しく立つところからで、終わりは、側近どものヘマな助言によって「任務完了」と書かれた旗を背景にしてやはりブッシュが立っており、この瞬間からアメリカの急下降が始まるというものだ。ブッシュが靴を投げつけられた話は本国でも米国民の怒りを招くよりむしろ快哉を多く引き起こした。かくしてブッシュ政権末期の惨状は火を見るより明らかだ。本国での人気はさっぱり、と同時に、圧政から解放しようとアメリカ国民が血と貴重な資源を費やした当の国の人々からさえこころよくは思われない有り様なのだ。
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- mickeyzz
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私は好奇心が強いので、ついご質問に釣られました。 “hear the other shoe drop”= “waiting to hear the other shoe drop” はご承知のように、「片足の靴を床にぬいだ音がしたので、周りの人が他の足の靴を脱ぐ音を(聞き耳をたてて)待っている』という意味ですね。 即ち “waiting for a related announcement”のようになります。 例文にありますように Still, al-Zaidi may have done Bush a favor. In an ABC News interview the next day, the President conceded for the first time that al-Qaeda had no presence in Iraq before the U.S. invasion, adding, "So what? に関してはBushは実はアルカイダと関係がなかったことを認めたわけですね In another news cycle, this admission would have dominated the headlines: that after the debunking of Bush's original excuse for war --- Saddam's weapons of mass destruction --- his argument that Iraq was a crucial nexus in the global war on terrorism also held no water 上記の文は、もう一つの開戦の理由として挙げられているweapons of mass destructionとテロの関係がありますが、(即ちBushはこれにも片足の靴をぬいだが、)この間違いに対する返答が(related announcement)がBushから出されていないと言うことになると思います。 これらをふんまえて Thanks to al-Zaidi, nobody heard the other shoe drop. の意味は「al-Zaidiの靴投げのニュースがあまりにも大きく話題になったので、weapons of mass destructionに対するBushの返事がうやむやになった。(聞きそびれた)」ので、Still, al-Zaidi may have done Bush a favor.と述べているのだと考えられます。
お礼
レスありがとうございます。 ご提示の文章を読んで、自分なりに正解と思われるものに到達しました。 自分は、ABCのインタビューが靴投げ事件をテーマにしたものと思い込んでいました。それが先入観となってつまずいたようです。意味的には靴投げ事件と切り離して考えるべきなのですね。 the other shoe とペアになるべき one shoe は「フセインが大量破壊兵器を隠し持っていること」と思われます。 これは原文にも after the debunking of Bush's original excuse for war ~ と、 after と表現されていることからもわかります。 the other shoe が「イラクがアルカイダの重要な拠点であること」でしょう。 結局、Thanks to al-Zaidi, nobody heard the other shoe drop. は、 「ザイディ(の靴投げ騒動)のおかげで、ブッシュの告白(イラクがアルカイダの重要な拠点であるとの主張は誤りであったと認めたこと。すなわち、ブッシュの2度目の誤りの告白)は誰の耳にも入らなかった(話題にならなかった)」 という意味と判断しました。 念のため最後の段落全体を訳してみます。 だが、ザイディ記者はブッシュに恩恵を施したと言えるかもしれない。事件の翌日、ブッシュ大統領はABCニュースのインタビューに答えて、アメリカのイラク進攻前に、アルカイダの拠点がイラクにあった事実はないと初めて認めた。そして「それは大した問題ではない」と口にした。ニュースの時期がずれていたら、ブッシュのこの告白は新聞、雑誌の見出しを大々的に飾ったことだろう。戦争を始めた元々の口実 --- フセインが大量破壊兵器を隠し持っていること --- が無効となった後で、さらにまた、世界的なテロとの戦いにおいてイラクが重要な拠点であるとの主張に根拠がないことがわかったのである。靴投げ騒動のおかげで、ブッシュの2つ目のあやまちの告白は誰の耳にも入らなかったのだ。 寄せられた回答の文章「~靴投げのニュースがあまりにも大きく話題になったので~」が大きなヒントになり、自分なりに納得できる解釈に到達できました。 ありがとうございました。 なお、このブッシュに投げつけられた靴は人気急上昇中。メーカーに同型の靴の注文が殺到しているということです。^^