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フェルミエネルギーE_Fの値
- フェルミエネルギーの値を求める近似式として、E_F=E_F0[1-π^2/12(kT/E_F0)^2]が成り立ちます。
- フェルミエネルギーを導く過程で、近似的にE_F^(3/2)[1+π^2/8(kT/E_F)2]=E_F0^(3/2)という式が得られました。
- 質問者はこの式を導く最終過程で近似を使用しましたが、その近似が合理的ではないと疑問を持っています。
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誰でもこの類の計算を初めて見たときには,「?」と思うんでしょうね. 何も疑問に思わなかったとしたら, よっぽどよくできるか,それとも何も考えていないか,どちらかです. 朝永振一郎先生の先生の本(だったと思う)に, 「すぐ前のところはハイゼンベルク(だったかな)がさんざん苦労したところです. あなたは何でもなく通り過ぎてしまいましたか. そうなら,ハイゼンベルクよりはるかに優秀か, それとも何も考えていないノンキ坊主かのどちらかです」 というような記述があって(うろ覚えです),グサリと来たことがありました. さて,雑談はおいといて, (1) (E_F/E_F0)=1-(π^2/12)(kT/E_F)^2 で,右辺第2項は既に補正項ですから, E_F に対する最低次の補正を求める際には E_F の代わりに E_F0 として 構わないというのが理由です. もっと具体的にやるなら, (2) E_F = E_F0 (1 + aT^2) とおいて,(1)を T^2 のべきで展開してみればいいでしょう. (3) (1)の左辺 = 1 + aT^2 (4) (1)の右辺 = 1 - (π^2/12)(kT/E_F0)^2 {1 - 2aT^2 + (T^4 以上の項)} ですから,T^2 までの精度で (5) aT^2 = - (π^2/12)(kT/E_F0)^2 になります. (4)の右辺で,「既に補正項」は第2項に T^2 がついているところに 具体的に現れています. つまり,E_F か E_F0 かの違いは,(4) (あるいは(1)) の右辺では T^4 オーダーの違いしかもたらしません. この種の話は,別にフェルミエネルギーの話だけではなくて, あちらこちらで出てきます. 本当のことを言うなら, > この式を導く最終過程で、近似的に や > 次にx≪1のとき、(1+x)^y≒1+xy > の近似式をつかって上式は のところが,T^2 の項に影響を与えないかどうかのチェックは必要です (実は大丈夫です). ただし,T^4 の補正まで求めようとすると, (※)の式から出発してはいけません. (※)で T^4 まで取り込んでおく必要があります.
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- siegmund
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siegmund です. No.1 の回答で,朝永先生関係の余談は, フェルミエネルギーの話ではなくて量子力学の対応原理あたりのところの 話(だったと思う)です. ちょっと誤解を招きそうな書き方をしてしまいました. 前のご質問でもそうでしたが, Rossana さんは注意深くよく考えておられますね.
お礼
そうだったんですね!機会があったらその本を読んでみようと思います。ありがとうございました。 頭の回転が遅いせいか、なんか当たり前のように本に書いてある事がなかなか理解しずらくてちょっと引っかかるものがあると頭から離れなくなってもっと大事な部分よりもそういう部分に目が行ってしまいます。そんなんだから効率が悪くて受験とかに失敗したりするんですよねf^^;
お礼
ありがとうございました。そんなことが本に書いてあるんですね。だったら何でもなく通り過ぎるというかその言葉に目線が先に行ってしまって通り過ぎてしまいそうですね(^^)