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logのテイラー展開と多価
自然対数log(x)を複素数で定義すると多価になります。 一方で、テイラー展開した式には多価性は出てきません。 log(1+x)=Σ[n=1,∞]{(-1)^(n+1)/n*x^n} 質問1.テイラー展開すると、何故多価でなくなるのでしょうか? 質問2.テイラー展開の式から、多価性を導き出せますか? つまり、テイラー展開した式からlog(1+x)=log(1+x)+2πiが求まりますか?
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f(z)=f(0)+f'(0)z+(1/2!)f''(0)z^2+・・・ (テイラー展開 ) f(z)=log(1+z) とすると f'(z)=1/(1+z) , f''(z)=-1/(1+z)^2 , ・・・ f(0)=log1 , f'(0)=1 , f''(0)=-1 , ・・・ ----------------------------------------------------- log(1+z)=log1+z-(1/2)z^2+・・・=2nπi+z-(1/2)z^2+・・・ n=0 のときの log(1+z)=z-(1/2)z^2+・・・=Log(1+z) と表わすと 最初の式は log(1+z)=2nπi+z-(1/2)z^2+・・・=2nπi+Log(1+z)
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- arrysthmia
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No.1 の人は、ちゃんと答えていますよ。読み取る能力の問題かと。 > そして収束半径はどうなってる? > 収束円内に原点は入る? テイラー展開は、展開した級数が収束する範囲でだけ、意味を持ちます。 log(1+x) = Σ[n=1,∞] { (-1)^(n+1)/n * x^n } は、右辺が収束する |x| < 1 でだけ成立する等式だということ。つまり、 関数をテイラー展開した時点で、定義域を限定して考えているのです。 質問1の答えは、「定義域を限定したから」です。 log x の多価性は、複素平面上、原点を取り囲む閉曲線に沿って 点 x から点 x まで、無限個ある log x の値の候補中から曲線上での log x の値が連続になるように選び出しながら一周すると、出発点の x へ戻ってきた時に log x の値が最初とは違っている ということから生じます。一周する閉曲線が原点を囲んでいなければ、 戻ってきた時の値は、最初と同じです。これが、コーシーの積分定理。 log(1+x) のテイラー級数は、定義域内に x = -1 を持ちませんから、 log 0 を囲む閉曲線を一周することができません。 質問2の答えは、「できない。そのアプローチは適切でない。」 log(1+x) の多価性を log(1) の多価性に帰着させれば、No.3 のように 書くことはできます。が、log(1) の多価性がどこから来るかと言うと… それは、テイラー級数の収束円ごとに分離してしまったことによって 繋がりの断たれた、log(1+x) の各枝の相互関係から生じてくるのです。 その相互関係を把握するためには、やはり、各枝が連続に繋がる場所、 log 0 の近傍で考える必要があります。
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>質問1の答えは、「定義域を限定したから」です。 これも答えですね。 原点を含まない形で定義してしまうと、多価性が表れないということですね。 あるいは、定義域を限定したことで、枝の1つだけを見ることになるから、とも言えるのでしょうか。 >質問2の答えは、「できない。そのアプローチは適切でない。」 原点を一周しなければならないので、No.1,2で出てきた解析接続かなと、思ってはいるのですが… ありがとうございました。
- kabaokaba
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やっぱりわかってないなあ・・・・ logってのは,原点の周りを回らなければ 多価にはならない(ようにできる). log(1+x)のTalor展開っていった場合 そもそも多価とは考えない. >質問2の答は、書かれていないようですね。 書いてるんだけどなあ,読み取れないのかなあ. そもそも,log(1+x)ってのはTayorを考えた段階で 多価性をなくして考えてるわけ. Taylor展開の大前提としては 「多価にならない部分で考える」ってこともある. だからTaylor展開そのものから多価性が ストレートにでてくるわけではない. 「Taylor展開できる」ことの証明には 多価関数なんてでてこないでしょう.一価正則が前提でしょう? #Taylor展開の証明を見たことない? #Cauchyの積分定理知ってる? なんか書くだけ無駄かもしれないけど きちんと勉強して「解析接続」を理解できればわかるよ,多分. 級数で「局所的」に定義されている正則関数を 微妙にずらして定義域を膨らませていくことができる. Taylor展開で定義されたlog(1+z)ってのも 解析接続とかしてz=-1を一回りさせれば多価性がでてくる. これは「Taylor展開から求まる」ということからは 違うレベルの話になっていると思う. それより何より 局所的に考えるもの(Taylor展開)と 大域的に考えるもの(多価性とか)が ごっちゃになってる気もするな.
お礼
>だからTaylor展開そのものから多価性が >ストレートにでてくるわけではない. 理解しています。 >解析接続とかしてz=-1を一回りさせれば多価性がでてくる. >これは「Taylor展開から求まる」ということからは >違うレベルの話になっていると思う. 解析接続で多価性が出てくるのであれば、それで構わないのですが。 >局所的に考えるもの(Taylor展開)と >大域的に考えるもの(多価性とか)が >ごっちゃになってる気もするな. 大域的なものを局所的に考えると、多価性が失われる、という話ですね。(→質問1) 逆に、局所的なものを大域的に考えると、多価性が表れる、という話をしていただきたいのですが…(→質問2) ありがとうございました。
- kabaokaba
- ベストアンサー率51% (724/1416)
すこしは本を読んで勉強しましょう. Wikipediaで十分とか前にいってたけど 百科事典的なものは「分かってる人が参照する」ものであって, 分かってない人がみてもそれほど役には立ちません. 複素関数論の初歩的な本にはふつうにでています. さて・・・logが多価なのは 「原点」という「特異点」の周りを 周回するから多価なの. そしてlogのTaylor展開ってのは,log(x)じゃなくって log(1+x)でしょう? そして収束半径はどうなってる? 収束円内に原点は入る? それから, >テイラー展開した式には多価性は出てきません。 そりゃそうです. log(1+x)で十分xに近い近傍では「実軸」があり, このTaylor展開は「実軸での普通の対数」を含んだものだから. もし別の枝で考えるなら, 適当に2nπiを足してあげればいいのだけども 本質ではないから, そういうことは煩雑になるだけでしない. もうちょっと細かく言うと, 通常は,慣習的に,対数関数は Cから負の実軸(-∞,0]を取り除いた領域で考えることで 多価性を排除するわけ(別に負の実軸である必要はないんだけども 実数のときの兼ね合いでこうすることが多い). そして,偏角として-π<θ<πとなるものをとる. これが対数関数の「主枝」とか「主値」とかいうもので Taylor展開はこういう条件のもとのlog(1+x)で書かれるのが普通. 他の枝のTayor展開が欲しければ容易に得ることができるから これで十分だし,理論を展開する上でも 定数部分はほとんど意味をなさないのです. #解析接続とかリーマン面をいじるならまた話は #かわってくるけど,それはきっと別のお話でしょう. こういうのが理解できてないんなら, 累乗根の多価性も多分理解できてないわけで x^yが原点周りでどれだけ変な動きしてるかは はるか遠くのお話です. #ちなみに多変数の複素関数論はまじめにやると相当に厄介.
お礼
>さて・・・logが多価なのは >「原点」という「特異点」の周りを >周回するから多価なの. これは、質問1の答と思われますが、分かり難いですね。 テイラー展開の過程のここで多価性が失われる、という答を期待したのですが… 質問2の答は、書かれていないようですね。 なお、この質問は、以前の質問と関係ありません。 ありがとうございました。
お礼
素直に回答していただき、ありがとうございます。 >log(1+z)=log1+z-(1/2)z^2+・・・=2nπi+z-(1/2)z^2+・・・ f(0)=log1に2nπiが含まれているのを、通常のテイラー展開では0と見なしているから、多価になっていない、ということですね。 質問2は、そこから直接導くのではなく、通常のテイラー展開の式から導いて欲しいのです。 No.1,2の回答からすると、解析接続が一つの方法らしいですが… ありがとうございました。