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数列 Σの公式の応用?
数列(k=1~n)Σk、Σk^2、Σk^3は、高校の数列で公式として取り上げられていますが、その逆数である(k=1~n)Σ1/k、Σ1/(k^2)、Σ1/(k^3)はどのようにして求められるのでしょうか。途中式も含めて教えて頂けると幸いです。
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まず。。。質問者さんは「高校の先生」なんでしょうか。。 まあ,「生徒からは最も敬遠されてしまう用語」という ご発言から考えて,「高校の先生」だと想定して書きます. #ちなみに,大学の数学の先生が「自明」というのは #「大抵の場合」証明できるけど時間が掛かりすぎるし #その割には実りがすくない,本質ではないというだけです. まず・・・「表現可能である」ことと 「実際に書ける」,「公式として簡単に表現できる」 というのはあんまり関係はありません. 例えば, 「任意のn変数対称式はn変数基本対称式の多項式で表せる」 という定理がありますが, この定理は「実際にどう表せるか」については 何も述べていませんし,実際に表そうとすると 結構しんどいことになるのはご承知でしょう. すなわち「表現可能」であることは分かるが 「簡単な表現式」はありません. そして, 「任意のn変数対称式をn変数基本対称式の多項式で表す公式」 なんてものはないわけです. もっとも,計算する「アルゴリズム」は存在すると思います. きっとグレブナ基底あたりの応用なんでしょう. 主観ですが,「表現可能」であるというのはむしろ 「計算するためのアルゴリズムは存在し」, 「そのアルゴリズムそのものが表現可能であることの証明である」 くらいの意味合いのことが多いように思います. #そうじゃないときもたくさんありますけどね #集合論的な「超越的な手法」で存在が示されたらお手上げ. もちろん「公式としてきっちり書ける」のであれば 「表現可能」なんですが,逆は成り立たないのですよ. したがって,No.2さんのおっしゃってることは 矛盾でもなんでもないのです. 「存在」は分かるが「きっちりは書けない」 というよくある「存在定理」もこれと同様です. 「奇数次の1変数実係数高次方程式は必ず実数解を一つもつ」 という定理,ご承知ですね.これが5次以上だったら 「解の公式」は存在しない(アーベルの定理)ので きっちり「代入すれば計算できる一般的な公式」はありません. 閑話休題.本題です. >一般項が分かっていれば、任意の項を代入法によって容易に計算できることを単に目的としているだけです。 まじめには考えてないですが, 私はNo.2さんとは意見を異にしてまして, かりにΣ1/kの類に「代入一発の公式」が存在したとしても 有理多項式の商程度の簡単さにはならないだろうとは思います. 実際はこういう「公式」は存在しない, すくなくとも有名ではないと思います. 仮にあったとしても, 地道に計算するほうがましだろうという 感じになるだろうと想像します. #やたらにすごい関数でたまたま,整数nをいれたら #整数になるようなものになるというものかなあという印象です. #そもそも極限がゼータ関数なのでその「部分和」が #簡単とは思えないのです. ##フィボナッチ程度だって一般項は無理数を含みますしね ちなみに,Σk、Σk^2、Σk^3の一般化である, 自然数pに対してのΣk^pは pとnの多項式で書けるのは「自明」だと思いますが, #高校教科書風に二項展開での証明をすることでは #「pとnの多項式で書ける」ことを示すのは簡単. 「代入一発の公式」を書き下すことは困難です. Σk^pを書き下すと ベルヌーイ多項式なる奇妙な多項式(群)を使わないと表現できず, 実際は「代入一発の公式」そのものの計算が 厄介であることが知られています. なお,ベルヌーイ多項式は e^{tx}/(e^t - 1)のtに 関するテイラー展開の係数です. #このことの証明は,例えば #「平成19年度高校生のための金曜特別講座」(東大主催) #の一つの回で解説されていますので,高校の先生なら #資料入手可能だと思います.
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- Tacosan
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わたしも思い付きだけですが, #3 と同じく「Σ (1/k^s) = P(n) / Q(n) と書けるような, 簡単な P(n), Q(n) は存在しない」と思います. とりあえず, 正の偶数 s に対し「整数係数 c次多項式 P(n), Q(n)」では不可能ですね. n→∞ の極限を考えれば自明ですが.
お礼
業務多忙(言い訳がましいですね)につき、返事が大変遅くなってしまい誠に申し訳ございませんでした。 高校数学の領域を超越するという事実が判明しただけで、十分対応できましたので、ここにお礼申し上げます。
- ringouri
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(k=1~n)Σ1/k、Σ1/(k^2)、Σ1/(k^3)などの部分和の一般項をnの有理多項式(分数式)で表せることは自明ですが、質問者さんが期待しているであろう「簡単な表現式」はありません(見つかっていません)。ちなみに、誰もそのような式を見つけようとも思っていません。数学的に意味がないからです。 これらを無限級数の形にした場合の収束、非収束を論じたり、収束する場合にはその和を求めることには、数学に関心のある人達の多くが興味を持っています。ゼータ関数論という研究分野があり、上記のような無限級数の和を求める問題はその一部です。「ゼータ関数」で検索すれば、沢山の解決すべき課題があることが分かります。 とても難しい分野なので、高校数学では扱っていません。 ただ、オイラーあたりの議論であれば、高校数学のレベルでも理解できるでしょう。(証明としては厳密でないけれど、アイデアの説明としては非常に鋭いので感動します。)リーマン以降の議論は複素関数論の予備知識が相当ないと理解が進まないかと思います。
お礼
ご回答下さり、誠に有り難うございます。 >部分和の一般項をnの有理多項式(分数式)で表せることは自明ですが、質問者さんが期待しているであろう「簡単な表現式」はありません。 部分和の一般項をnに関する有理多項式で表現可能であることが自明ということは、 (k=1~n)Σ1/(k^2)={a(m)n^m+a(m-1)n^(m-1)…a(2)n^2+a(1)n^1+a(0)}/ {b(m)n^m+b(m-1)n^(m-1)…b(2)n^2+b(1)n^1+b(0)} (但し、a(m)~a(0),b(m)~b(0)はn^m~n^0の係数とする。) という形で表現可能であることと同値です。当該部分和が、この形で“表現できる”のであれば、“「簡単な表現式」は存在しない”ということ矛盾が生じてしまうのではないでしょうか。もし、ringouri様の回答が「分数式で表せること“自体”は自明だが、“簡単な”表現式が見つかっていない」という意味で仰っているのであれば、まず、ringouri様が“自明”と仰っている「部分和の一般項をnの有利多項式で表現できること」を証明して下さい。その上で、(k=1~n)Σ1/k、Σ1/(k^2)、Σ1/(k^3)の部分和を有利多項式で表現して下さい(「“簡単な”表現式」でなくても構いませんし、高等学校の数学領域を超越する学術記号を用いても構いません)。大学の数学領域では“自明”という一言で片付けられてしまう事柄なのかもしれませんが、私には理解できない内容なので、証明して頂けると幸いです。 なお、“自明”という表現が大学の講義の中でしばし用いられているようですが、自明な内容に限って、いざ証明しろと問うと、きちんと証明できない教授が意外にも多いので、このコーナーでは“自明”という単語を可能な限り用いないで頂きたく存じます。特に、生徒からは最も敬遠されてしまう用語ですので。。。話の内容が本題から脱線してしまいました。すみません。 また、これらの式を見つけることに数学的(本質的)に“意味”が有るか否かについては、当該質問内では全く問題にしていません。一般項が分かっていれば、任意の項を代入法によって容易に計算できることを単に目的としているだけです。誠に勝手な意見を述べましたが、「当該質問者は、この程度の理解力しかない人間なんだな。」と思って頂ければ幸いです。御回答の程何卒宜しくお願い申し上げます。
- abyss-sym
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高校生ならまず使うことはないと思います。 参考までに、次のような公式があります。 (k=1~∞)Σ1/(k^2)=(π^2)/6 (k=1~∞)Σ1/(k^4)=(π^4)/90
お礼
早速のご返答、誠に有り難うございました。 上述の与式は、それぞれ lim(n→∞)(k=1~n)Σ/(k^2)=(π^2)/6……(1) lim(n→∞)(k=1~n)Σ1/(k^4)=(π^4)/90……(2) と置換することが可能なので、部分和S(n)が構成する数列{S(n)}がn→∞で“収束”し、(1)(2)はそれぞれ 極限値S=(π^2)/6、S=(π^4)/90 を持つことを示していますね。(k=1~n)Σ1/k は“発散”するけど、(1)(2)は収束するのですね。 極限値Sを知ることができてとても助かりました。ただ、ここでいう部分和S(n)の一般項が知ることができれば幸いに存じます。どうぞ宜しくお願い致します。
お礼
多行にわたるご丁寧な回答、誠に有り難うございます。 【“n次多項式”で表現することは容易ではない】(式の存在を認めている)、という内容が、途中から【実際はこういう「公式」は存在しない】(式の存在を認めていない)というふうに摩り替わっており、多少疑問点が残りましたが、とても参考になりました。厚く御礼申し上げます。 ちなみに、私が期待していた回答は、以下の例に類似したような回答が頂けるかどうかということでした。 以前、中学生に「2次方程式ax^2+bx+c=0の解の公式x=[-b±sqrt{(b^2-4ac)}]/(2a)は分かったけど、3次方程式の解の公式はどうなるの?」と突っ込まれ、以下のように回答したただけで納得してもらったという事例も現実としてあります。 「3次方程式x^3+ax^2+bx+c=0の解の公式は、数学者“カルダノの公式”と呼ばれ、その解は x={-q/2+sqrt(r)}^(1/3)+{-q/2-sqrt(r)}^(1/3)-a/3, x=ω{-q/2+sqrt(r)}^(1/3)+(ω^2)[{-q/2-sqrt(r)}^(1/3)]-a/3, x=(ω^2){-q/2+sqrt(r)}^(1/3)+ω[{-q/2-sqrt(r)}^(1/3)]-a/3 となる。 ただし、q=(2/27)a^3-(ab)/3+c,r=(q^2)/4+(1/27){b-(a^2)/3}^3,ω={-1+sqrt(3)i}/2 である。 ちなみに、4次方程式にも解の公式はあるが、5次以上の方程式には解の公式は存在しなくて、しかも、存在しないこと自体もルフィニ、アーベル、ガロアといった数学者によって既に証明されているんだよ。」 と説明し、素直に結果を提示してあげれば良いのです。無論、当該公式に現れる学術記号の中には中学校領域で習得する学習内容を超越しているものがあるので、大概の生徒はその場で理解することはできないでしょう。しかし、これに興味を示した一部の生徒は、3乗根(3分の1乗)などの“累乗根”や“虚数単位”i、“複素数”ωについて更なる考察を深めることでしょう。 また、2次方程式の解の公式の場合、当該公式を一式のみで表現できる反面、3次方程式の解の公式の場合、式を幾つかに分解しないと反って読み辛くなります。式を複数に分解した時点で、必然的にアルゴリズム的要素を含有します。しかしながら、式を明示できているかどうかという点では、今回の質問の要件と大きく異なる点であります。その点をご理解頂ければ幸いです。また、この回答から、当該問題に対しては、“非常に難解且つ未解決課題”であると位置付けさせて頂きました。