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額田王の「君待つと~」解釈
額田王の歌で 「君待つと 我が恋ひ居れば 我がやどの 簾動かし 秋の風吹く」 というのがありますが、これは 「あなたが来たのかと思ったら秋の風でした」という落胆の歌なのか、 「恋人の来る前兆=風」とする期待の歌なのか 一体どちらなのでしょうか?
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万葉集四巻の四八八番の歌です。 額田王、近江天皇(天智天皇)を思ひて作る歌一首 との前書きにあるように、天智天皇の来訪を待ちわびて詠んだ歌です。 歌の意味は難しいものでは有りません。 秋の長夜を天智天皇を待ちわびていると、ふと簾を動かしたのは秋の風であったという意味ですが、秋に(飽き)を掛けているかもしれません。従って、天智天皇に、もう私は飽きられたのでしょうか? との問いかけを含めながらも、少しばかり落胆の気持ちがあるかもしれません。(ただし万葉時代の技法を考えると、その可能性は低いかもしれません。平安時代であれば、この技法は考えられます。) しかし相聞歌に分類されていることから、天皇側に手渡された歌と思います。 その歌を読んで天智天皇がどう返事をしたかまでは、万葉集には書かれていません。 いずれにしても、額田王は天智天皇の来訪を得られず、一人物思意に沈んでこの歌を詠んだことになります。
お礼
回答有難うございます。 やはり「落胆」の意味で捉えたら良いんですね。 講義では、この歌を詠む際に参考にされたのでは…と考えられている六朝詩とも関連づけて少しの落胆→「期待」の歌としていたのですが、 (秋=飽きと関連づけるのはやはり平安朝解釈ですし) どうしても私は後期万葉的解釈をした方がピッタリくるなぁと思っていたんです。 どうも有難うございました!