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「欺瞞」の意味と用法
岩波哲学小事典を持っているのですが、その中にも「欺瞞」という言葉の説明がありませんでした。 国語というより哲学的な直感・主観で良いので(平坦な言葉であれば助かりますが…)その用法、対義語をどなたか教えて下さい。 私は普段からよく侮辱的な意味合いはなく使っていなかったのですが、やはり「それは欺瞞だろ」というと侮辱されたように憤慨されてしまいます。 「それを勲章にする」とか「誇りにしている」の対義語だと思っていたのですが、違いますか?
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「>直感・主観で良い」ということなので、安心して参加してみます。 欺瞞には「意図的欺瞞」と「必然的欺瞞」があるような気がします。 「意図的欺瞞」は自他共に認識し易いので、ある程度まで論理的に理解することは可能でしょう。 「必然的欺瞞」の方は生体防御策の一環として機能する性質のものとして名付けましたが、典型的な例としては、親が子供に無茶苦茶な育て方をしておいて、結果犯罪を犯したような場合。 父親などがテレビのインタビューで、さも自分は全く責任が無いかのような、他人事どころか自分も被害者なんですよ~、てな感じで話しているなどでしょうか。 つまり、自身では欺瞞とは爪の先ほども感じていない場合です。 も少し話を大きくすれば、「平和のための戦争」なんかも、「必然的欺瞞」と言えるかもしれません。 本気で平和のためと思い込んでしまっているところが難しいところです。 ◇ 結局、欺瞞と全く無縁で生きることはできないように思います。 欺瞞とは自己保身の為に他者を欺くことでしょう。 しかし、人は大なり小なり他者を欺かなければ生きていけないわけで、自己保身するなと言う権利は誰にも無いかもしれません。 大事なのは、他者を欺くことによって自己保身を図ったつもりが、全くの逆効果になるという可能性も案外高いことを覚えておくということのように思います。 ◇ そういったわけで、欺瞞は自己の中に常に存在することを認識してこそ、その真価を発揮するものかと自戒する日々であります。 対義語としては、 「意図的欺瞞」は臆病が母体ですから、「暢気」。 「必然的欺瞞」は防御姿勢が源ですから、「勇気」。 といった当たりを暫定的に設定してみました。 OHISAでした。それでは~。
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- hirokazu5
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戦争に使うミサイルの技術の世界でも「欺瞞」という言葉を使います。 たとえば、ミサイルから逃げる飛行機が囮を発射して、 ミサイルをその囮のほうに命中させて飛行機自体は助かる、という意味です。 その囮のことを欺瞞といいます。この場合。 決して、悪い意味で使われているわけではないです。
お礼
hirokazu5さん回答ありがとうございます。 面白いですね、トカゲのシッポ切りも「自己欺瞞」ですね!(笑) そういや、一連のライブドアの逮捕劇もそんな感じがするのですが、私個人に何の被害もない訳で、楽観してニュースを見ているのですが、昼のニュースって本当にどうでもいいことばっかだなと(経済よりもプライベートの話題ばっかり)、主婦層をターゲットにした番組構成になっているのだろうけど、女性の中高層ってやっぱりろくなもんみてないんだ。とつくづく突っ込みながら観てしまった今日この頃。 もう観ようとは思いません。
>国語というより哲学的な直感・主観で良いので・・ 国語的な説明ですみません。 欺瞞とは、意図的にだますことです。かんたんにいえば「だまし」「まやかし」 基本的に文語ですから会話ではあまり使われません。 多くは「自己欺瞞」という熟語で使われると思います。ときおり誤用なのでしょうが、「自己」を省略して それは欺瞞だろう。と言う人がいます。正しくは「それは自己欺瞞だろう」でしょう。 こどもだましという口語も文語的には児童欺瞞なのでしょうが、あまり使いません。 相撲の決まり手「ねこだまし」は さしずめ「猫欺瞞」でしょうか。 エッシャーの絵画は「欺瞞絵」 閑話休題。 用例としては この世は作為と欺瞞に満ちている。 欺瞞と陥穽ばかりの政界で、彼は器用に世渡りしてきた。 彼女の言葉には恋人に対する思いがあふれていた。欺瞞めいたニュアンスは微塵もなかった。 対義語は、真摯 ほかに正直、実直、率直、誠実。本物、真実。真性。真っ当。 >私は普段からよく侮辱的な意味合いはなく使っていなかったのですが、 >やはり「それは欺瞞だろ」というと侮辱されたように憤慨されてしまいます。 そりゃ怒るでしょう。それは衒学的だ。とか、まやかしだ。詭弁にすぎない。 詐欺に近いと言っているようなものです。 >「それを勲章にする」とか「誇りにしている」の対義語だと思っていたのですが つまり、不名誉で恥じて隠そうとしているという意味ですか。 自慢の反対が偽慢・欺慢と考えると、わかる気もしますが、「慢」でなく「瞞」です。 そういう意味の言葉は「屈辱」あるいは「恥辱」「劣等感」「トラウマ」「恥部」 「汚辱」「汚点」「不名誉」「弱点」関連のあるのは「秘匿」「隠匿」「逆鱗」 あるいは「自慢の息子」に対して「不肖のせがれ」 でも、「それは、隠蔽すべき屈辱だろう。」という意味で言った「それは欺瞞だろう」 は、「それはごまかしだよ。」と相手に伝わります。 相手が怒ることにあまり違いはない気もしますが・・・
お礼
yamadanaokakashiさん回答ありがとうございます。 国語も勿論大変勉強になります。用例や対義語例も分かりやすかったです。正確には「自己欺瞞」だったんですね。国語辞典も手元に置いておくべきでしょうね。 日本語の漢字は中国から伝えられたものでありながら、翻訳中に造語もあったり、その作り成り立ちが、先人の深遠な哲学故の選択だったりしますね(多分)。 「瞞」はどこから来たのでしょう? 騙すのは意図的に都合の悪いことを隠したいからで、何となく自信がなくなる、引け目を隠すのに必死になるのは、やはり自分以上に相手を馬鹿にするしかなくなってしまうから、と案外外れの見解でもないと思います。でも一味変えているのは何かあるんだな? >>私は普段からよく侮辱的な意味合いはなく使っていなかったのですが、 遅ればせながら、私は普段からよく侮辱的な意味合いはなく【使っていたのですが】、に訂正します。失礼しました。 >、「それはごまかしだよ。」と相手に伝わります。 相手が怒ることにあまり違いはない気もしますが・・・ 「恋愛は欺瞞」とほざいたところ、恋愛中の方に反論されて、「恋愛よりも結婚の方が欺瞞だ」となり、「そういやそうかも…」と若干考えなおして、はて?どっちが自己欺瞞(騙す)しやすいかと考えると、結婚したら舞台裏も露呈し、嫌でも資産を分けなければならないのだから、せいぜい恋愛中は演技力を駆使して夢を追って、やれる欺瞞を楽しむべきに思いました。楽しいごまかしならいいかなと。 それで自己欺瞞を重ね相思相愛めでたく幸せな結婚が出来たとして、いつか後悔したところで(しなくてもいいが)、長年連れ添えても、結婚は情熱より真面目さが大事になるので若い頃の情熱のままずっと愛し合うことなど稀だし。要は演技力(これも自己欺瞞)如何が結婚期間を長続きさせる秘訣に思います。 自分の中にある欺瞞を絶対隠せない人が一人いる。それは自分自身。自分が超現実。 昨日「反日妄言撃退マニュアル」という本を読んで自己欺瞞超満載で面白かった。 日本人に自虐思想はまだあるけれど、さらに危険な思考は被害妄想、自己欺瞞ですね。良い方向に決してならない、勝利することもない。それは相手ではなく自分が自分を騙して疲れて不満を溜めているから、誰といても気は楽になりえなさそう。
- kigurumi
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欺き判断を誤らせることだと思います。 例えば<アメリカのイラク戦争は欺瞞だ> アメリカはエネルギー不足により経済が傾きつつあります。 今の質を維持するには、もっとエネルギーが必要ですが、自国の石油だけでは足りません。 そこで中東から石油を買っていましたが、中東が値を吊り上げてきたため、今までとおりの値では買えず、しわ寄せが国力の失墜です。 そこでサウジアラビアの言いなりにならず、自分たちで自由にできる石油を欲しがった。 アフガニスタンも天然ガスを手に入れようと介入しています。 表向きは平和ですが、本当の理由はエネルギーを自由に手に入れるためです。 「イラクは核兵器を持っているかもしれない危険な国だから、核査察を受け入れないのなら、制裁を加える」というのは表向き。 それに賛同したのが日本政府。 すっかり騙され犯罪者を支持してしまった。 これを欺瞞といいます。
お礼
kigurumiさん回答ありがとうございます。国家レベルの話題になってしまってネタを集めするためにお礼が遅れました。(←実は馬鹿である、焦った) 国家レベルな欺瞞が、多くの尊い命や資源を無駄にした例ですね。それに比べれば自爆テロはまだ欺瞞レベル弱小って気にもなる。 欺瞞な人ほど多くの支持者がいるってことが一番の問題だと思いました。 そうやって周囲を慈悲深い無知者(あるいは嘘つき)で固める構図を作る手腕に長けることが、権力者の言う正義なのでしょうか。 <アメリカのイラク戦争は欺瞞>というのは、エネルギー問題だけに留まらず、政治家と企業とマスメディアが弱いもの虐めると得をする政策であるということもありますね。 マスコミも企業に買収されているし、企業も政治家に恩恵があるので政治家の野望にかなう報道だけを選び、国民の不満を紛らわせる、目を背けるために情報を操作しているし、悲惨な状況をリポートすることで煩悩を満たさせて、どうでもいいニュース漬けにして愚民化しようとする。 メディアが儲かる仕組みでやっていると、自分にまで正直になっていては、真実を伝えるジャーナリストとして恥かしくて書けなくなるので欺瞞するのである。正直者は馬鹿を見る・・・信じるものが馬鹿とういことhがなのか 正義という名の聖職者こそ欺瞞漬けになっていて、支持している勤勉な国民も、それが不義を助長しているなんて、国民をコケにしているのを疑いもせず悪気なく支持してますよね。 欺瞞には思想の暴力支配もありそうですね。真実を湾曲するのも、真実を伝えないのも暴力。暴力や武力を使うから、益々お金は消えていくし、国民に還元されることもなくなる。 日本の技術発展や日本の経済堕落をよそに、差別、告訴賠償国家、福祉政策を禁止しているアメリカにお小遣いをやる(そしてアメリカから貰ったリベートの)お金があるなら、平和建設的に国民の健康と教育資金に使って欲しいですよね。 kigurumiさんのお陰で改めて欺瞞の恐ろしさ勉強になりました。 正義も正直も限界があるようですが、人間の優しさって、武士道のように時には自らを裁ける潔さがあってこそ。宗教家も自殺を否定するけれど、優しい人間の気持ちまで否定することが出来るのか?それは欺瞞ではないという証拠があるのか?地獄?この世がすでに地獄だったらどうするって話ですよ。
補足
【欺き判断を誤らせること】要は「敵に媚を売って平和に見せかけ、同胞や支援者を斬る」ってことになるようですね。 政界、法関係、経済、医療、福祉、教育、どれも国家の要だけど、宗教並みにマスコミの洗脳を煽っているのがこの情報社会。関係者自体が欺瞞を自覚していなく欺瞞していたら恐ろしいです。どれを良くするのも悪くするのも国民の良識判断があってこそですね。
お邪魔します。 「欺瞞」ですか、余り一般的には使いませんね。 ご質問から感じるに、「欺瞞」と言う言葉が、貴方と相手とで共通理解が不足しているのでしょうか。 相手方が辞書(哲学辞典に限らず)通り理解しているとは限りませんし、対立概念を言語の中に探してもあまり意味はないでしょう、きっと、言葉の意味ではなく、別の問題だと思います。 以前、文章の中に空白を作って不完全な文章を書き込んだ事がありますが、通じますよ。 つまり、個別の言葉の意味より、既に全体の意図が伝わって相手方に固定しているような気がします。 「欺瞞」と言う言葉を誰もが辞書どおり理解するべきだ、そんな意図が見えてしまいますが。 なお、対立概念が必ずあるかどうかは、言語がどのように成立したかによります。 多分、無いものもあると思いますよ。 以上、アンケート的な個人的回答です、御免なさい。
お礼
fishbowl66さん回答ありがとうございます。 >、「欺瞞」と言う言葉が、貴方と相手とで共通理解が不足しているのでしょうか。 外国語の翻訳は直訳で理解できないものだと思いますが(時代背景や地学、宗教、文学や芸術などの影響もあるから)せめて母国語である国語も哲学も言葉の定義が明確に共認しうる、同時に同一の価値観で話が出来るのが一番だと思います。 哲学っていうと難しい単語が多いですが、一般的な言葉で誰とでも語り合えたら素敵だと思っているんです。時代や立場が変わったら概念も変わっていくのでしょうが、個人の哲学・価値観はそんなに変わらない(変えにくい)ものだとも思っています。 >個別の言葉の意味より、既に全体の意図が伝わって相手方に固定しているような気がします。 そうですね、文章全体からみれば、各人でどこを切り取り、話の道筋を捉えるかの基準って変わって映画のタイトルに興味を持って映画を観て「いい映画だった」「退屈な映画だった」と内容が鑑賞者の琴線に触れた触れないで評価はかわりますからね。欺瞞は偽善と似て多少はしてしまうし、あるのが人間実のように思うのですが、完全否定する人も又人間だと思いますね。 哲学は偏見や既得概念に警戒していなければならないという性質もあるから、やはり言葉の意図が厳密に使用するべきなのかもしれないですね。 >対立概念が必ずあるかどうかは、言語がどのように成立したかによります。 多分、無いものもあると思いますよ。 対立概念を確認したいのは比べる対象があるからその言葉も成立する、存在させていけるはずじゃないかと。対立概念のないもの?固有名詞などはそうなりますが、「概念」という言葉自体に対立概念があるのか?ってそういえばあるようですね!。普遍的な思想でないものになるでしょうか?そういうものこそ無限にあって限定しえないから。 謝らないで下さいよ?私こそ日本語をよく間違えるし、トンチンカンな質問お礼で失礼します(汗) お陰で考える機会も得て質問して良かったと思ってるし(チャレンジャーなのである)知らない漢字があると哲学辞書で引くと解説が面白いし、難しい哲学書を読まずにエッセンスを汲み取れかなり便利です。哲学辞典のごっついのが欲しい。
お礼
hakoburuさん回答ありがとうございます。本当久しぶりです♪。回答を貰うのって嬉しいのですが、hakoburuさんに「OHISAでした」なんて!こんなアホに気さくに声をかけてもらえたことが嬉しいです。 hakoburuさんは熟女だと思い込んでました。回答をこっそり覗かせていたのですが、私の人生で繊細で物腰が柔らかい男性に会ったことがなかったもので、以外でしたね~。 それでも(?)流石! >「必然的欺瞞」は保身とか防御というのは非常に分かりやすいですね。 >「意図的欺瞞」は臆病のところで少し考えさせられました。今時間がとれないので後で補足にいれられたら入れます。 いやしかし、最初からそういってくれれば話が早いものを、「欺瞞」という漢字の発祥も不思議です。どうしてこんな言葉を作ってみんな使うのでしょうね。 私は暢気(面倒臭がり)であったり、勇気(無謀)はあるようで、それが全然美点とも思えない(役に立ったことがない)ので、出来るものなら欺瞞でもしなきゃと!計算高く、計画性や几帳面になれることが人生の課題です。 >他者を欺くことによって自己保身を図ったつもりが、全くの逆効果になるという可能性も案外高い 深い!深い哲学です。欺かない、裁かないことによって逆の効果もあることもあれば一番いいですよね。 それでは~
補足
自分なりに「意図的欺瞞」を考えているのですが、「誇れる確信を持てないのにはったりを言う、信じようとする」ってことになるかなと思っています。それが多いような私、ありり(苦笑)。 検索したり普遍的意図を探してみたのですが、「欺瞞」と「偽善」が似ているよう。 偽善の定義もひとそれぞれに解釈がありそうです。出来る能力のある人の足を挫かせ、欲望の目を摘んで(去勢されて)惰性を与えてしまうことではないかと私は思います。 お節介が過ぎると子供の自立自尊心が育たなくなってしまったり、かといって近い関係でありながら精神的な敵対関係にしてしまったり。「悪」は「善」の衣を好むもの。で、 「悪」の定義は? 一番「邪悪」な人間とは「自分に」嘘をつき続ける。自覚が足りない、無知と無邪気を取り違えることに危険がある?周りも!なんて今のところの設定ではなってます。 偽善も欺瞞も無縁では生きていけなさそうですよね。だって自覚すればするほど、「やってもうてる」んですもの。