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講談社的な偽瞞?

梶井基次郎の「温泉」という作品の中の一節なんですが、その中の「講談社的な偽瞞」というところ。 講談社的な偽瞞?講談社となんの関係があるのでしょうか。 どうして講談社的な偽瞞というのでしょうか。 「真面目な青年だったそうだ。苦学というからには募集広告の講談社的な偽瞞にひっかかったのにちがいない。」 それから最後のところに、 「これがこの小さな字である。」 と書いてありますけれども、内容が理解しがたいです。 この小さい字ってなに? 近代の文学って難しいですね。 皆さんのご高見、承りたく存じます。

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回答No.2

戦前に講談社から発行の『キング』という雑誌がありました。基本的には義務教育(当時は小学校)を出てすぐ働く人のために「面白くてためになる」をモットーにした雑誌なのですが、その雑誌のメッセージは、(思い切り要約してしまえば)頑張って働いて勉強して、偉くなろう、というものでした。 そのわかりやすさ故にインテリ層に嫌われていた雑誌であり、実際に当時の社会状況を考えると、講談社社長の野間省三の理想とは反して、小学校卒で丁稚奉公から始める子供たちが、夜学に行かせて貰える、独学で勉強して、その後偉くなる、そういう可能性というのは、非常にわずかだったわけです。それは、一種偽善とも取られるわけで、生活に苦労がなく、三高を出てる梶井(当時のエリートです)にとっては「欺瞞」と映ったのでしょう。 詳しくは佐藤卓己『「キング」の時代』(岩波書店)をお読み下さい。

kirrurru
質問者

お礼

詳しいご説明ありがとうございました。 そういう深い日本の歴史的な背景があったわけですね。ぜんぜん思いもつきませんでした。 参考になる本までお教えいただき本当にありがとうございます。 もっと勉強します!!

その他の回答 (1)

  • toko0503
  • ベストアンサー率36% (886/2437)
回答No.1

> 苦学というからには募集広告の講談社的欺瞞にひっかかったのに ちがいない。 おそらく募集広告の仕事内容に何か"おいしい"話でも 載っていたのでしょう。講談社に罪はないと思うのですが(^^) 昔も今も最大大手の出版会社ですので、揶揄したものと思われます。 (あるいは(推測ですが)当時、筆者は講談社と 何か折り合いが悪かったのかもしれません。 あくまで推測ですよ~。)(^^;; > これがこの小さな字(あざ)である。 字(あざ)とは、村とか、村をもっと小さく分けた地区 のようなものです。 住所にも大字○○とか、字○○とか使われますね。

kirrurru
質問者

お礼

はい、分かりました。早速の回答ありがとうございます。 やはり理解しにくいですが、作家の個人的な事柄でそういうふうに書かれたならば、それはもうどうしょうもないですね。 難しいです。

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