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ローレンツ変換の導出原理の疑問
- 物理全般を再勉強している中で、ローレンツ変換の導出原理について疑問を持ちました。
- ローレンツ変換の導出原理には、s^2=x^2-(ct)^2の不変性から求めているものとそうでないものがあります。
- 現在、ローレンツ変換の導出方法についてどのような考え方があるのか知りたいです。
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ローレンツ変換式のすっきりした求め方は、私も見たことがなく、自分でもいろいろと考えてみましたが、どれもいま一つ、という感じでした。x座標とt座標だけの変換を考えると、2行2列の行列になりますので、未知数は4個、それに対して、すぐに出てくる条件式は、運動の相対性(お互いの原点が速度v、-vで動いている)から来る2個、光速度不変の関係から1個です。残り1個が、これ、というのが分かりませんでした。行列式が1になるとするのが簡単なのですが、その必要性が説明できませんでした。さんざん考えた結果、vを-vに置き換えると逆行列になる、ということから求められることが分かりましたが、答えが2個出てきてしまうため、すっきりとはしませんでした。 ご指摘のs^2=x^2-(ct)^2の不変性を使うことについてですが、これを4番目の条件式とすれば、ローレンツ変換式を求められます。ただ、質問者様が言われているように、光の軌跡から求めているので、私もいま一つ、納得していませんでした。今回、もう1度考えた結果、次のように考えるのではないかと考えました。 時間と空間を同等に扱うためには、時間座標と空間座標の両方を使った距離を定義しなければなりません。そのためには、距離を定義する計量テンソルを求める必要があります。これを求めるのに、光を使います。今、A点を出た光がB点へ到達したとして、そのときの時間差をdt、空間座標の差をdxとすると、dx/dt=cです。これを別の座標系から見れば、時間差はdt'、空間座標の差はdx'となり、元の座標系の値とは変わってきますが、光速度が不変であるとすることから、dx'/dt'=cが成り立ちます。今求めようとしている距離の定義は、dx、dtの2次の式で作られる不変量ですから、dx/dt=cとdx'/dt'=cから、可能性としてあり得るのは、dx^2-(cdt)^2=dx'^2-(cdt')^2=0です。ここから計量テンソルの形が決まります。計量テンソルは空間の性質であるので、元々が光の軌跡を使って求めたとしても、ほかの座標点でも成り立つと考えられます。
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- nabla
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> ds’=a(V^2)ds >が満たされるのはds=0とds’=0のときだけで、そこからどうして0>でない場合にてきようできるかです。 ds’=f(ds)という関係があるとします。(fの具体的な関数の形は相対速度の絶対値に依存) このとき光速度不変の原理から f(0)=0 ですね。 さらにds=g(ds’)です。(gはfの逆関数) このとき、明らかにgはfと同じ形の関数をしているはずですから f^2(ds)=dsです。 これを満たすようなfの関数形はf(ds)=dsであることはすぐに分かるはずです。 納得のいかない点がありましたらまた書いてください。
お礼
ありがとうございました。 どうも質問の意図が殆どの方に理解されなかったような気がします。 わたしのような悩みを持っている方があまりいないことだけは判りました(わたしは変かぁ)。
アインシュタインの導出はローレンツ不変性も用いておらず、 しかも光速度不変の原理からだけで導いているので、 一度アインシュタインの論文を読むことをお薦めします。 ローレンツ変換についてだけですが、 岩波から翻訳が出ています: ISBN4-00-339341-4 「相対性理論」 内山龍雄訳 文庫本なので、とてもリーズナブルです。
お礼
ありがとうございます。 図書館か書店で調べたいと思います(かつての立ち読みの哲人)。
ds^2=dx^2-(cdt)^2 はこの時空間の距離であり、これが慣性系のとりかたに依らないことを暗黙的に仮定していると思います。 そのあたりの事情で、最近はdsの不変性から議論するのではないでしょうか? というよりも、一般相対論へ拡張するときは、dsの不変性から行くのがベストでしょう。
お礼
ありがとうございます。
- nabla
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2つの時空点が近接しているときの2つの時空点の世界間隔dsは (ds)^2=(dx)^2+(dy)^2+(dz)^2-(dt)^2 となります。 静止系(自分にとっての)に対して一定速度V(ベクトル量)で運動する別の慣性系での世界間隔ds’はもちろん (ds’)^2=(dx’)^2+(dy’)^2+(dz’)^2-(dt’)^2 を満たします。 このときds=0であればds’=0であることから ds’=a(V^2)ds となります。(もし2つの量が比例していなければ、自分に対して等速直線運動している系ではものが勝手に加速するように見えるはずです) また、比例定数は相対速度(の大きさ)以外には依存し得ないので、その2乗に依存すると書いておきます。 ここで逆変換を考えれば ds=a((-V)^2)ds’=(a(V^2))^2ds となります。 つまりa(V^2)=1です。(-1は明らかに不合理です) 微少量について証明できれば有限長であっても積分すれば一発ですね。 別のやり方というのはどういうやり方でしょう? 「光速度不変の原理」と「特殊相対性原理」を出発点とする限り、見た目の違いこそあっても、概ね上のようなやり方になるはずです。 ローレンツ流の「マクスウェル方程式を不変に保つ座標変換を求めよ」と言う方針で導出するという意味でしょうか?私の知る限りそのやり方の載っている文献はなかなかないように思うのですが…
お礼
ありがとうございます。しばらく返信がなく「はずしてしまったか?」と思っていたところです。 まず、他の方法とは変換の線形性と系による変換の同等性と原点の移動がx=vt, x'=ct' となることから導出する方法です(相対性理論、戸田盛和、朝倉書店など)。 本題ですが、私の判らないのは ds’=a(V^2)ds が満たされるのはds=0とds’=0のときだけで、そこからどうして0でない場合にてきようできるかです。 あと「もし2つの量が比例していなければ、自分に対して等速直線運動している系ではものが勝手に加速するように見えるはずです」がちょっとわからないのですが?
お礼
ありがとうございます。 不変式の意味するところが少し判ったような気がしますが1次元で考えた場合は x-ct でも同じですからこれを不変式としない理由がいまいちです。 歳はとりたくないものです。何でも時間がかかってしまって、自分でも昔が懐かしいというかまどろっこしいというか。