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Dirac方程式の共変性
ディラックの方程式が任意の慣性系で確率的解釈を許す相対論的波動方程式であることの証明がうまくできません。助けてください。 連続の式を共変形式にあらわすと ∂(_μ)j(^μ)=0 j(^μ)=Φγ(^μ)ψ Φ=ψ(^†)γ(^0) となり、これがローレンツ変換によって不変であることを示すには、j(^μ)がローレンツ変換に対してはんぺんベクトルであればいいので、それを証明したいんですけど。 僕の読んでる教科書では ψ’(x')=R(a)ψ(x) のR(a)の次の式を満たせばディラックの方程式はローレンツ変換に対して形を変えない。 Rγ(^μ)R(^-1)a(^ν)(_μ)=γ(^μ) として、 無限小ローレンツ変換、x軸方向のブースト、z軸まわりの回転、空間反転を考えると各々で γ(^0)R(^†)γ(^0)=R(^-1) が成り立つので、これを使うことによって、j(^μ)がはんぺんベクトルであることを証明しています。 そこで、不思議に思ったのは γ(^0)R(^†)γ(^0)=R(^-1) を無限小ローレンツ変換、x軸方向のブースト、z軸まわりの回転、空間反転を考えずに一般的に証明できないのですか? また、上のようなことをやらなくてももっと簡単にj(^μ)ははんぺんベクトルである証明はできるのでしょうか? 式がとても、見づらくてごめんなさい。(^)が上付き、(_)が下付きをあらわしています。 使いそうな式を下に書いときますので、コピーして使ってください。 ∂(_μ)j(^μ)=0 j(^μ)=Φγ(^μ)ψ Φ=ψ(^†)γ(^0) ψ’(x')=R(a)ψ(x) Rγ(^μ)R(^-1)a(^ν)(_μ)=γ(^μ) お願いします。
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#2のKENZOUです。ご質問の >j(^μ)がローレンツ変換に対してはんぺんベクトルであればいいので、それを証明したいんですけど を数学的にきちんと証明をされたようなのでなによりです。ところで#2のご質問に対する回答ですが、 >今、自由ディラック場の方程式をやっているので、これは言えませんよね? う~んと、相互作用のないディラック方程式だから電荷の保存則は言えない...??ということの意味がよく理解できません。量子力学の範囲では常に電荷の保存が成り立たなければならないと思うんですが(そうでないと確率解釈が出来なくなる)。相対論的量子力学の場合、j(^μ)=Φγ(^μ)ψの時間成分はj^(0)=Φγ(^0)ψ=ψ(^†)ψ=|ψ|^2で正定値の確率密度分布を与えますから、非相対論的の場合と同様に確率解釈が可能となるわけですね。 ><4>がいまいちよくわかりませんでした。<3>がいえたらの話ですよね?一般的にjμは(4)次元ベクトルといってしまっていいのですか? j(^μ)=Φγ(^μ)ψ の時間成分は上で言ったように j(^0)=Φγ(^0)ψ=ψ(^†)ψ=|ψ|^2、 空間成分は j(^k)=Φγ(^k)ψ (k=1,2,3) で、結局j(^μ)は成分を4個もつ4次元ベクトルj=(iρ,j(^k))と考えると、連続の式∂ρ/∂t+∇j=0(→∂(_μ)j(^μ)=0)は4次元的な確率の流れと解釈できますね。∂(_μ)j(^μ)は#2で書いたように4次元ベクトルのスカラー積となりますから、Lorentz不変となります。 ということでいかがでしょうか。
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- KENZOU
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物理的な意味合いを考えながらやればということで、以下ご参考までに。 <1>4次元ベクトルのスカラー積はLorentz不変。 (証明) Aμ'=aμνAν、Bμ'=bμνbν Aμ'Bμ'=aμνAνbμλBλ=δνλAνBλ=AνBν <2>∂μはLorentz変換でベクトル変換する。 ∂μ'=aμν∂ν <3>電荷はどんな慣性系においても保存するから連続の式∂μjμ=0はLorentz不変の形でなければならない。 <4>とすると連続の式は<1>により4次元ベクトルの内積となり、つまりjμは4次元ベクトルである。 こんなことは既に分かっているというのであれば、ご容赦ください。
補足
KENZOUさん、いつも回答ありがとうございます。 > <3>電荷はどんな慣性系においても保存するから連続の式∂μjμ=0はLorentz不変の形でなければならない。 すみません。説明不足でした。今、自由ディラック場の方程式をやっているので、これは言えませんよね? <4>がいまいちよくわかりませんでした。<3>がいえたらの話ですよね?一般的にjμは(4)次元ベクトルといってしまっていいのですか?
R(a)のγ(^μ) を用いた具体的表式とγ(^0)γ(^μ†)γ(^0)=γ(^μ) を使えば簡単に示せるでしょう。 場の理論の本をちょっとさがせば大抵のっていると思いますよ。 例えば、Itzykson & Zuber 「Quantum Field Theory」 2-1-3 をご覧下さい。
お礼
申し訳ありません。できる限り努力したのですが、どうしても証明できなくて・・・。図書館に行き調べたところ、西島さんの「相対論的量子力学」に乗っておりました。あんなの、なかなか気づけるものじゃないですね。証明できました。 ありがとうございます。
お礼
ありがとうございます。完璧わかりました。今まであまり意味を考えずに、ただ計算してたツケが最近出てきます。物理的に意味をしっかり考えれば何でもない問題でした。量子力学の範囲では常に電荷の保存が成り立たなければならないって事すら忘れてるなんて恥ずかしいです。ありがとうございました。